第2話『神様のお詫びと、新しい決意』
「……う、ん……」
ふかふかの草の感触と、木漏れ日の眩しさで啓太は目を覚ました。
身体を起こすと、着ていたコンビニの制服はそのままだったが、傷一つなく体調もすこぶる良い。周りを見渡すと、見たこともない巨木が立ち並ぶ静かな森の中だった。
「……本当に、来ちゃったんだな」
ぽつりと呟き、啓太は自分の腹をそっと触ってみる。あれだけ血を流したはずの傷は、跡形もなく消えていた。
(そういや神様、不死じゃないとは言ってなかったよな……。ってことは、この世界でもまた刺されたら死ぬってことか。おいおい、そこはちゃんと説明しといてくれよ……)
思わず一人で突っ込みを入れてしまう。だが、じわじわと胸の奥が熱くなってくるのも感じていた。
(時間停止の収納に、言葉の翻訳……【強運】に、【不老】の体。それに、金貨100枚……)
前世の自分を思い返す。
26歳で雇われ店長になり、上からは理不尽な売上目標を叩きつけられ、下からは急なシフト穴埋めを頼まれ、連日連夜お店に縛り付けられていた。
自分の意思で何かを決めることなんて、何一つできなかった毎日。
だが、今は違う。
(潤沢な資金がある。歳をとって衰えることもない。言葉も通じるし、自分を守る強力な運まである……)
誰の顔色を伺う必要もないのだ。
「いつか、自分だけの店を持とう」
そのためにも、まずはこの世界を知らなければならない。
どんな人がいて、何が売れて、どんな暮らしをしているのか。
コンビニ店長だった頃も、繁盛する店は必ず”街を知る”ことから始まっていた。
「よし。まずは旅だ」
啓太は森の出口へ向かって歩き出した。
「本部の指示も、無理なシフトも、理不尽なオーナーもここにはいない。俺が売りたいものを売り、俺が居心地が良いと思える、最高の自分の店を……!」
前世の鬱屈を振り払うように、啓太は大きく息を吐き出し、ニッと笑った。
「よし! 元雇われ店長宮内啓太――今度は一国一城の主として、開店準備スタートだ!」
決意を新たにした啓太は、手始めに「理想の店を建てる場所」を探すため、まずは森を抜けて街を目指すことにしたのだった。
前世の鬱屈を振り払うように、啓太は大きく息を吐き出し、ニッと笑った。
「よし! 元雇われ店長宮内啓太――今度は一国一城の主として、開店準備スタートだ!」
決意を新たにした啓太は、手始めに「理想の店を建てる場所」を探すため、まずは森を抜けて街を目指すことにしたのだった。




