第114話『世界へ広がる四つ葉』
ポートセイル2号店の成功を皮切りに、『クローバーマート』の勢いは留まることを知らなかった。
啓太の作成した『店長マニュアル』と、信頼できる現地の現地スタッフの育成。そして『クローバー』の機動力と【強運】によって、各地に『クローバーマート』のフランチャイズ店舗が次々と誕生していった。
山脈の鉱山都市には、長時間の採掘作業を支える『スタミナ肉まん&栄養ドリンク』を揃えた【3号店】。
緑豊かな精霊の森の宿場町には、新鮮なフルーツと極上パフェが名物の【4号店】。
さらには、寒冷地の雪国の街に、24時間温かいホットスナックを提供する【5号店】。
「すごいよケイタ……! どこに行っても、緑の四つ葉の看板があって、みんなが笑顔で買物をしているよ……!」
街道の丘の上から、遠くに見える街並みを見下ろしながら、シルフィが感涙にむせぶように呟いた。
「ああ。最初は俺一人で始まった『異世界でコンビニを作りたい』っていう身勝手な夢だった。……でも、みんながいてくれたから、ここまで来られたんだ」
啓太は隣に立つシルフィ、リーネ、ルナ、ダグラスの顔を愛おしそうに見つめた。
「何言っちゃってんのさ、店長! あたいらにとっても、この『クローバーマート』は最高の居場所で、一番大切な宝物なんだからさ!」
ルナがメイスを肩に担ぎ、いたずらっぽく笑う。
「はいですぅ! わたし、ケイタさんたちと一緒に旅をして、お店を作っていくのが世界で一番幸せですぅ〜〜っ!」
リーネが両手を広げて笑顔を咲かせる。
「俺の盾は、これからも店長と仲間たち、そして世界中の『クローバーマート』を守り続けるぞ!」
ダグラスが重厚な大盾を地面に突き立て、頼もしく宣言した。
元コンビニ店長としての手腕と、最強の仲間たちとの固い絆。
異世界に投げ出された一人の男が紡いだ物語は、世界中の人々を笑顔にする「かけがえのない日常」として結実したのだった。




