第113話『港町の2号店』
王都を出発して数日。潮の香りと海風が吹き抜ける活気あふれる港町『ポートセイル』へ到着した『クローバー』の五人は、さっそく2号店の立ち上げに着手していた。
「見てケイタ! 港に水揚げされたばかりの『ホーンエビ』と『魔導マグロ』だよ! 身がプリップリで美味しそう!」
シルフィが活気あふれる魚市場を指差す。
「素晴らしい鮮度だ! これなら行けるぞ!」
啓太はさっそく宿屋の厨房を借り、新たなご当地商品の開発に取りかかった。
香ばしく焼き上げた海苔と、旨味たっぷりのご飯。そこに特製醤油で味付けしたホーンエビの天ぷらを挟み込んだ『特製エビ天おにぎり』。
そして、サクサクの衣に包まれたプリプリ白身魚の『フィッシュフライ』だ。
「ふぁぁぁ〜〜っ! カリッとしてて、中から海の旨味がジュワッと広がりますぅ〜〜っ!」
出来立てを頬張ったリーネがうっとりと目を細める。
「うめぇぇぇっ! 肉もいいが、海の幸のホットスナックもたまらんぜ!」
ルナが絶賛し、ダグラスも「酒のつまみにも最高だな!」と大太鼓判を押した。
港のメインストリートに確保した絶好の立地に、王都と同じ『Clover Mart 2号店』の看板が掲げられる。
「『クローバーマート ポートセイル店』、本日グランドオープンですぅ〜〜っ!」
リーネの元気な声とともに扉が開かれると、海での過酷な漁から帰ってきた船員や港の作業員たちがどっと押し寄せた。
「うおぉぉっ!? 手軽に持ち込めて冷めない『エビ天おにぎり』だと!?」
「舟の上で食えるアツアツの『フィッシュフライ』が美味すぎる!」
「夜間の船の見張り中に飲める『温かいコーヒー』もあるぞ!」
港町特有のニーズに完璧に応えた2号店は、オープン初日から大爆発的な大繁盛を記録。
海で働く男たちの胃袋と心を一瞬で掴み取ったのだった。




