第112話『次なる街へ』
王都グランドールの東門。朝日に照らされた門の前には、王都の住民や商業ギルドの人々、そして『クローバーマート』の常連客たちが大勢集まっていた。
「ケイタ店長ーっ! 行かないでくれぇぇっ!」
「肉まんもパフェも、帰ってきたらまたたくさん買うからなーっ!」
「新しい街でも頑張れよーっ! 『クローバーマート』最高ーっ!」
万雷の歓声と見送りの声が響き渡る中、啓太たちは真新しい冒険者装備と『Clover Mart』の刺繍が入った旅用リュックを背負い、笑顔で手を振っていた。
「ふぁぁぁ〜〜っ! こんなにたくさん見送ってもらえるなんて、感動ですぅ〜〜っ!」
リーネが目頭を熱くさせながら、大きな長耳をぶんぶんと振る。
「ハハッ! あたいらの店が、どんだけこの街で愛されてたかよく分かるぜ!」
ルナが豪快に笑い、ダグラスが巨体を揺らして頷く。
「王都の1号店はマルクたちに任せた。俺たちの次の目的地は……港町『ポートセイル』だ!」
「港町ポートセイル……! 海の恵みと、世界中の船が集まる貿易の街だね!」
シルフィが胸を躍らせて声を弾ませる。
「そうだ。そこなら新鮮な魚介類や、海外の見たこともない激レア調味料やフルーツが手に入る。……つまり、新たな『コンビニ商品』の宝庫だ!」
「激レアな魚介類……! シーフード味のホットスナックや、海鮮おにぎりが作れるですぅ〜〜っ!」
リーネの目が輝き、五人の足取りは自然と軽くなっていった。
「よし! 『クローバー』の冒険者としての腕と、元コンビニ店長のスキルをフル活用して、ポートセイルに『2号店』を立ち上げるぞ!」
「「「おおーッ!!」」」
見慣れた王都の街並みが遠ざかり、どこまでも続く青空の下へ。
絆を深めた五人の足音は、新たな希望と夢を乗せて、東の街道へと力強く響き渡るのだった。




