第109話『クローバー大感謝祭』
悪徳商会が解体され、平穏を取り戻した王都グランドール。
啓太たちは、これまで店を支えてくれた街の人々と仲間のために、一週間にわたる『クローバーマート大感謝祭』を開催した。
「いらっしゃいませーっ! 今日は感謝祭特別価格! 全商品2割引ですぅ〜〜っ!」
リーネの元気な声が広場に響き渡る。
店頭には、限定の新商品『ホットレモネード』や『極上カツサンド』がずらりと並び、広場には巨大な特設テントが設営された。
「おいおい、割引だけじゃねぇぞ! 1000ペニー以上買った奴は、あたいの『運試しガラポンくじ』が一回引けるぜ! 特賞はなんと……一年間『肉まん』食べ放題だッ!」
「うおおおっ! 肉まん食べ放題だとぉぉッ!? 引く! 絶対当てるぞ!」
ルナの仕切る抽選会には長蛇の列ができ、鐘の音が鳴り響くたびに「当たりだーっ!」「うわぁぁやったぁぁ!」と歓喜の叫びが上がった。
「みんな、本当に楽しそう……! ケイタ、あたしたち……本当に素敵な場所を作れたんだね」
店頭で忙しく動き回るシルフィが、感慨深そうに啓太の隣で微笑んだ。
「ああ。手軽で便利で、誰でも笑顔になれる場所……俺が元いた世界で当たり前だった『コンビニ』が、この世界でもみんなの宝物になってくれた」
啓太は、大賑わいの店内と広場を見渡し、胸に熱いものが込み上げるのを感じていた。
「おい店長! 売り場の『カツサンド』がもう売り切れそうだぞ! 追加の揚げに入ってくれ!」
「よし、すぐ行く! ダグラスさん、警備の合間に揚げものの補助をお願いできるか?」
「任せとけ! 揚げ立てのアツアツをどんどん出そうぜ!」
大感謝祭の売上は過去最高を更新。
『クローバーマート』の名は、王都グランドールだけでなく、隣国の商人や冒険者たちの間にまで「夢のようなお店」として轟き渡っていったのだった。




