↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
106/115

第106話『ガルド商会の追い込み』


 狂言の嫌がらせを退けられたガルド商会は、なりふり構わぬ暴挙に出始めていた。

「なに……!? 『クローバーマート』への食材の搬入がストップした……!?」

 朝一番、宿屋の厨房兼バックヤードで、仕入れから戻ったシルフィが悔しそうに拳を握りしめていた。

「商業ギルドの大型流通ルートを、ガルド商会が金を積んで買い占めたんだよ……! うちへ回すはずだった肉や野菜、小麦粉の供給を力づくで止めやがった!」

「なんですって……!? そんなの卑怯すぎますぅ……ッ!」

 リーネが憤りで長耳を逆立て、ダグラスも苦々しい表情で腕を組んだ。

「王都の主要な問屋を牛耳るガルドならではの汚いやり口だな。商品の在庫が尽きれば、店を開けられなくなる……」

「へっ、どこまでも腐った野郎だぜ。直接殴り込んで引導を渡してやりたいところだが……」

 ルナがメイスの柄を固く握りしめる中、店長である啓太の表情は驚くほど冷静だった。

「慌てるな、みんな。……元コンビニ店長を舐めてもらっちゃ困る」

「え……? ケイタ、何か策があるの?」

 シルフィが尋ねると、啓太はニヤリと不敵な笑みを浮かべた。

「ガルド商会が押さえたのは『王都内の大型問屋』だけだ。だが、俺たちの最大の強みは何だ?」

「あたしたちの……強み?」

「そうさ。俺たちは単なる商人じゃない。各地のダンジョンや未踏の地域を攻略してきた、最高峰の冒険者パーティー『クローバー』だ!」

 啓太は王都周辺の広大な詳細地図をテーブルの上に広げた。

「ガルドの息がかかっていない個人農家や、郊外の冒険者ルート、さらには俺たちの『強運』と『鑑定』で見つけ出した未開拓の採集ポイント……そこから直接、最高の食材をルート開拓して直仕入れする!」

「直仕入れ……! 問屋を通さず、自分たちの足で素材を集めるってことか!?」

 ルナの目が輝き出す。

「そうだ。そうすれば間卸しの手数料もかからず、問屋の品よりも圧倒的に新鮮で高品質な食材が手に入る。……ガルド商会の圧力を、逆にコスト削減と品質向上に繋げてやるのさ!」

「ふぁぁぁ……っ! 流石ですぅ〜〜っ! ケイタさんのノウハウは凄すぎますぅ〜〜っ!」

「よし! なら仕入れルートの開拓はあたしとダグラスで一気に片付けるよ! 精霊の足なら、王都郊外の農家なんてあっという間だからね!」

「おう! 搬送の護衛は俺に任せとけ!」

 仲間たちの目が息を吹き返したように輝き出す。

王都の商売人が考えもつかない「冒険者×コンビニ経営」の機動力。ガルド商会の卑劣な仕打ちが、逆に『クローバーマート』をより強固な店舗へと進化させようとしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。