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第17話 王宮へ向かいます

月見祭が終わった後は穏やかな時間が過ぎていた。


日が暮れるのもだんだん早くなっていた。


ルアンは暗くなったばかりの街を歩いていた。


空には月が浮かんでいる。


ステラと夜のお茶の時間に食べる菓子を買いに出ていた。


(子どもたちに見つかったら3秒で食べ尽くされるからな…)


ルアンは気分よく街を歩いていると、男に声をかけられた。


「おい、お前。この前ステラと踊ってた用務員だろ?」


「なんだ?」


話しかけたのはパン屋のエドだった。


「そうだが…?」


「生意気な。ステラはみんなのステラだ。近づきたければファンクラブに入れといっただろ?」


エドはまたもや入会用紙を渡してきたが、


ルアンはそれを目の前で破いた。


「悪いけど、ここにある規約は何一つ守れそうに無いから


入会なんかしねーよ。」


「何を小癪な」


「今から僕は彼女とティータイムがあるので」


ルアンはそう言うと魔法を使って瞬間移動をした。


「おい、用務員どこへ消えた?!」


そう、月見祭を終えてから、ルアンは月の力を取り戻してきたのである。


月が出ている日であれば、ある程度の魔法は使えるまで


に回復していた。


「ふぅ、あんな悪趣味の奴らと一緒にされてたまるかよ」


ルアンは孤児院の広間に戻っていた。


「あ、おかえり〜ちょうど今紅茶が沸いたところ。


一緒に飲む?」


「あぁ、これも買ってきたぞ!」


ルアンはステラに巷で流行りのクッキーを渡した。


「わぁ、すごく美味しそう。ありがとう」


そして2人は椅子に座り、紅茶を飲み出した。


「そうえば、今日テルス王子と話したんだけど、


今度孤児院の国営化を計画するにあたって、


勉強会を開かないかってお誘いがあって。」


「勉強会?」


「そう。勉強会っていっても、色んな専門の各代表の方たちが、国を良くするために意見を交流し合うんだって。

この辺りの各孤児院からも代表が呼ばれてて、私が行くことになったんだよね。」


「なんでお前が?伯父じゃないのか?」


「いやその、伯父と殿下がこないだ2人ではなしたんだけど、全然意見が合わなかったみたいなの。

伯父はそもそも孤児院を手放したいくらいだから、

国に買い取ってもらおうと思ってたみたい。

それで、私とじゃないと、殿下は話を進めたくないって言ってるみたいで、

それで叔父も嫌々私に行けって…」


「ふーん。それで、お前は行きたいのか?」


「…うん。子どもたちのためになりそうだし。私も成長できそうだなって思って。」


「まぁ、だったらいいんじゃない?俺はここを代わりに見ててやるよ。」


「ほんと……ありがとう!」


「その代わり、テルスには近づきすぎるなよ?」


「え、なんで…?」


その瞬間、ルアンは笑いながらステラの耳元で囁いた。


「こないだ酔った時みたいに、俺がいなくて寂しいとか

あいつに話しちゃったら困るだろ…」


「なっ………」


「フフっ」


ルアンはその顔を見てニヤリと笑っていた。


ステラは真っ赤になり怒って広間を飛び出した。


「もう、からかわないでよっ!」


ステラは布団に入り先ほどのルアンの言葉を思い出して恥ずかしくなっていた。


(ルアンの馬鹿馬鹿馬鹿。からかうなんてサイテーだし。

ってかあの時、殿下はなんであんなことルアンに言ったのよ(怒))


ステラは心を落ち着かせて眠ろうと努力した。


(でも本当にちょっと寂しくなるな……ルアンが来る前は、こんなの普通だったのに)


窓から見える月を見ながら、ステラは切ない表情をしていた。


1週間後ステラは王宮に向かう準備をしていた。


胸にはペンダントを着けて。


ルアンとエミリア先生と子どもたちに激励してもらい


出発をした。


(子どものため何か残せる出会いがあるといいな…)


そんなことを思いながら歩き出した。



__________________


王宮にたどり着いた。


門をくぐり、城の使用人に案内をされ


ステラは城の大広間へと案内された。


大広間に着くと、ステラの他に10名ほど人が集まっていた。


ステラは隣にいたメガネの女性に話しかけた。


「あの、はじめまして。西と町で孤児院を管理しております、ステラ・ローゼンと申します。」


「孤児院………?」


それだけ言うと興味を失ったように視線を逸らした。


(えぇ、挨拶したのに無視されちゃったよ)


ステラはショックで沈んでしまった。


すると扉が開き、テルス王子と護衛騎士2名がついてやってきた。


「皆さん。本日はお集まりいただき誠にありがとうございます。今回1週間という長い間ですが、この国の繁栄のために是非とも皆さまの知恵をお借りしたいのです。

お部屋はご用意しておりますので、まずは皆さんをご案内しますね。」


(すごく立派で緊張する)


ステラはゲストルームに案内された。


(ゲストルームだけど、とても立派だわ)


そして、ふかふかのベットで寝転がった。


(すごくフカフカ。気持ちいい…………

子どもたちもこんなベッドで寝かしてあげたいな)


そしてガッツポーズをし、明日からの勉強会への気合いを入れていた。


(いつか、子どもたちがいい暮らしができるように、少しでもいい話し合いができますように。頑張ろっ!」


ステラはペンダントを握りしめて決意したのだった。


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