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最初は観察
白鷺さんに面談で会った屋敷の老人のこと、孔雀という家政婦さんのことを話した。
「菊家というのは銘家だったけど、戦後は懐事情が苦しかったんだろうね。
金が欲しいと華族と名誉が欲しい成り上がりの結婚は珍しくなかったんだよ。
ただ、奥様も完全に夫に服従したわけではなく、どこかで蔑んでいたか、憎んでたんだろうねえ。
それで、働くことに決めたんだね」
「うん」
「ああいう家はどっちとも言えない。メイちゃんが学びとれることが多いけど、嫌なこともきっと多い。
約束しておくれ、危ないと思ったら、裸足でも裸でもすぐに逃げるんだよ」
白鷺さんは、私が見えないものが見える人。
そう思うと笑って誤魔化せなかった。
「話を聞くと孔雀さんが正しいように聞こえる。
でもそれは、秘書さんがそう聞かせているのかもしれない。
メイはただ、言われた言葉を注意深く聞いて、よく観察しなさい。
どこが汚れるか、汚れる理由は何か。
自分の考えはいったんおいて、よく観察するんだよ」




