悲報
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「さぁ、魔法よ。私は願う。あの仲間の声を一刻でも早く届けよ……【念話】」
私はナトに連絡をする。決めていた作品通りだ。無事であっていて欲しい……
「(カリン……カリンか……どうしたんだい……」
暗く、重い声が耳元に聞こえる。
何かあったのか……私は自分に冷や汗が流れ出るのを感じた。
「どう……したの?一体何が……」
「……っ!ピサロが……ピサロが!!俺の……俺のせいだ!!俺がもっと強ければ!俺がもっともっと頑張れれば!!くそ!くそ!くそくそくそくそくそ!!!」
「ナト!落ち着いて!ピサロがどうしたの!?」
ナトがこんなに自暴自棄になるなんて、そうそうない。
頭の中に、もしかしてという考えが出てくる。
【ピサロが死んだ】
違うと思いたい。
ピサロは死んでない。
ほら、だってさっきまで話してたじゃないか。
絶対帰るぞって。
心配すんな、早く終わらせてお前のとこに行ってやるよ!楽勝楽勝、へへ!
しかし、次の言葉は重く、そして鋭く私を狙い打った。
「ピサロが……ピサロが俺の、俺の代わりに!!囮に……囮になって死んだんだ!!俺はあの後……みた!魔法で……散々いたぶられて、死ぬ様子を……!!」
「っな!?ねぇ!嘘でしょ!!嘘って言って!!」
このゲームとやらに勝てば、ピサロは生き返るのだろう。
しかし、それはあくまで勝てたらの話。
戦力が絶望的な今、一人でもメンバーがいなくなると厳しい。
そして、そういう問題ではないのだ。
【死】とは途轍もなく重いものなのだ。
故に、TRPGゲーム時代ではあったものの、この現実になった世界には、蘇生魔法は存在しない。【死ぬ】と言うことは、生命が活動を停止すること。それほどまでに蘇生魔法は世界を大きく変える可能性を持っているのだ。
死は、単純には言えないのだ。
「……影は鈴達の方へ向かった」
「……!?」
ということはあちらの戦力は5。こちらは3。
まずい……そう直感した私は、急いで指示を飛ばす。
「転移魔法で鈴付近へ。私もすぐに行く。5と5なら、まだ多少はましだからね……行くよ!」
「くそ!ピサロの仇は俺が取る……【転移】」
カリンは顔を険しくして杖を地面に強く打ち付ける。
風が吹き、髪が巻き上げられる。
「さて……私も行きますか。ピサロを殺した相手……許すわけにはいかない」
そう言って、カリンは光の粒子に包まれ、消えていく。
後に残ったのは淡い光と、魔法陣の跡だった。
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