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カリンの異世界旅行記 2

「え……アクアリス、これでどうしろと?」

「目的のことですか?なら、明日の朝までここで生き延びる!でいいですよ」


そんなに恐ろしい生物が出るの?ここ。やだ、怖いの無理。


「そんな危険なんですか……ま、魔王様騙しましたか!?」

「いや、騙してない!!邪神のせいだって!」

「じゃ、楽しんでねー」

「おいアクアリス!これをどうしろと!?」

「私帰る帰る帰る帰る帰る帰る帰る!」


駄目だ……駄々を始めた……というよりアクアリス鬼畜、外道、最低、人外……あ、人じゃなかった、そういやあれでも神なんだ。自分もこれで魔王だけど。


30分後……ぴぽぴぽぴぽぴぽぴぽーー


「はぁ……」

「はぁぁぁぁ………」


重い溜息が流れる。とりあえず仕方がないのでテントを張ったのだが、野獣の襲撃が酷い。5分に一回はやってくるペースだ。スミレを呼ぼうと思ったのだが、ここは異世界。念話も効かないし転移魔法も不可能だった。おそらく魔法とは他の世界にまでは干渉することはできないのであろう。まったく、不便だ。

食料とか水は無限の鞄に入れていたものがあるので十分に足りているのだが、今は暇で、テントの中ではカオスな空気が流れていた。

いや、どうよ。この状態。

国の外交官は1人紙相撲してるし、魔王は自作のトランプでひとり真剣衰弱をしている。テント内に響く音はこれだけ。トントントントンという音と、ペラっという音とはぁ……という溜息。ちなみに今は真剣衰弱やめてソリチィア始めてます。

トントントントンペラっはぁ……結構いいリズムかも。


3時間後 ぴっぽ、ぴっぽ、ぴっぽ。


「魔王様、何時間トランプやってるんですか、悲しい人にしか見えませんよ!」

「それを言うならラクラも、何時間紙相撲やってるの……というかもう夜じゃん」

「だからですよ。ご飯の時間です!」

「えっと、この中に……」

「違います!!!!!魔王様が1人生気を失いながらトランプでぶつぶつ何かをつぶやいていた時、私は持参の料理セットを使って料理を作っていたんですよ!」

「え、そうなの?ありがとう」

「いえいえ、さぁ、こちらです。ハンバーグ!」

「…………………え……」


ハンバーグって、緑色してたっけ。ハンバーグって、こんな異様な匂いしてたっけ。脳がその「物体X」を見た瞬間、身体中に警告を知らせた。駄目だ、食べたら死ぬ……と。


「えーっと、作ってくれてありがとう、と、とても嬉しいよ」

「喜んでもらえて嬉しいです!」


多分食べたら私は死ぬだろう。しかしちょっと待て。ラクラは料理なんか一度もしたことがないはずだ。しかし、何故ハンバーグという単語を知っているのだ。


「えっと、ラクラはどこでこれを教えてもらったの?」

「えっと、マカワ殿です。マカワ殿はこう言ってくれました。これ、ヂィラにあげたら食べた瞬間にピクピク痙攣して倒れて泡吹いてた。多分よっぽど美味しかったんだろうな。あ、お前にも教えてやるよ……って」

「ぶ…………」


マカワ……ヂィラがあの時呻いていたのはお前のせいか……で、それを結構ドジっぽいところもあるラクラが作ったと。

うん、こうなる。

食べる→倒れる→昇天。

しかしこれは、どうすればいいのか……食べれば死亡、食べなければ信頼とラクラの自信と最悪の場合自分が死ぬ。

八方塞がりだ。料理でなんでこんなにも追い詰められているんだ……

カリンの毎日はトラブルだらけだ。


その後


「い、いただきます」

「はい、どうぞ。じゃぁ私もいただきます!モグモグ……モグ……バタン……ブクブクブクブク」

「あ……えっと、(ささ!穴掘ってその中に捨てる)」


次の日


アクアリス「迎えに来ましたー。次はどこに行きますか?」

カリン、ラクラ「どこにもいかないからっ!」



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