カリンの異世界旅行記 1
「ふぅ……最近はいろいろあったよなー。1番疲れてるのは多分私だし、このくらいいいよねー」
カリンは一人ぶつぶつ呟きながら、カバンの中に荷物をまとめていた。といっても無限の鞄の中に放り込むだけなのだが、結構な量の荷物を入れている。こんなことになったのは、邪神からの誘いがあったからだ。
それは本当に突然のことだった。
「カリンーねぇねぇカリンー」
「うわっ!邪神!急に出てきたらびっくりするよ……で、何?」
「まぁまぁ、君のためにビッグなお知らせを持ってきたよー!ねぇ、異世界旅行行かない!?」
「異世界旅行は行きません。どうせ邪神がまたトラブル起こすんだから」
「君はいつも頑張ってるしさぁ。というか、今回はアクアリスとルミドールからのお知らせだし、いいんじゃないの?あーそういや全員転移は無理だから、引率は一人ねーとか言ってたよ」
「お!アクアリスとルミドールが?なら行く行く。邪神じゃなければいいの」
「ひど!それひど!しくしくううぇーん」
……と、こんな具合で出発することになった。つれはだれがいいかなと考える。そういや、魔王城勤めのラクラは外交官だったよなーと思い返す。ラクラの見聞を広めて、より良いがいこうかんになれるんじゃないかと思う。仕方ないから即決定。出発は明日の朝なのだ。
「ラクラーちょっと話があるんだけど部屋入っていい?」
コンコンとドアをノックする。すると中から声が聞こえてきた。
「はいどうぞ。今開けますねー」
しかし、知らなかったのだ。まさかラクラが旅行苦手だということを……
「えっと、お話とはなんでしょうか」
「簡単簡単ー。アクアリスとルミドールが異世界旅行に連れて行ってくれるんだって。で、外交官の見聞を広めるためにラクラを……」
「同行ということですか?ごめんなさい、私は無理です。せっかくなのでスミレ殿やルーク殿をお誘いになっては」
「いやいや、ラクラはどうしていきたくないの?」
「えっと、いや……異世界っていろいろあるんですよね。前にカリン様がおっしゃっていた飛行機……ですが、空を飛ぶということは落ちるというリスクも伴いますよね……」
ちょ、発想が暗いよ!怖い怖い。
「あとは船ですか。あれは……マイオロドナキーナに体当たりされたらすぐ沈んじゃいます!」
マイオロドナキーナとは、海中に住む超大型モンスターだ。いや、そんなものいないから……
「私は心配性で……転移魔法使うときもビクビクしてるんです……」
あーあれのことだ、*イシノ ナカ ニイル*確かにこれは分かる気がする。
でも、やっぱりついてきてもらわないと困る。
「頼むよーラクラー」
「断固受取否定させていただきます!お願いしますよ……」
「えー……ついてきてくれると思ったのになー。ちょっと寂しいなー」
チラッとこういうことを言ってみる。魔王ですから。
「う……わ、分かりました。すぐに準備をさせていただきます。はぁ……」
こうしてようやくラクラの説得に成功したのであった。
そして翌日……
小さなバックを持った2人は色々と話をしながら出発地点の広場までやってきた。あれから色々な話をして、ラクラに旅を楽しむように刷り込んだのだ。
おかげで楽しそうな笑顔がラクラから溢れている。うん、昨日までと全然違うのは置いておこう。元気なのが一番なのだから。
しばらく待つとアクアリスが出てきて、詠唱を始める。
「じゃ、お二人いっくよー」
「はい!」
「トラブルがなきゃいいけど……」
「ワープ!……はい、異世界転移している間に紹介させていただきまーす。まず初めのこの世界は、人類がいなく、凶暴な野獣やモンスターだらけの世界でーす!」
「え……アクアリス今なんて……」
「ま、魔王様……」
2人は顔を見合わせる。
「ちょ、アクアリスストーップ!」
「あ、あわわわわわ」
「無理でーす(ニコ)」
次の瞬間、強力なフラッシュが自分たちを襲う。目を開けると……
「ガァァァァァァァァァァァァァァ」
「グラぁアァァァぁぁぁぁぁぁああっぁぁ」
……豊かな自然溢れるジャングルでした。
いやー復活ですよ!!!!!




