04 大学生バイク
「『ぐしゃぁ』って音だった」
バイクレースだった。
コーナリング中に彼の前のバイクがスッ転んで、そこに彼のバイクの前輪は突っ込んだ。
真っすぐ走っている時なら、バイクのタンクを両膝で挟んで、問題無く防御できただろう。
しかし、コーナリング中、膝をイン側に出している時だった。
バイクの前輪に加わった衝撃は、タンクに伝わり、容赦なく、彼の股間を襲う。
「もう、意識はなかったよ、痛すぎて」
そして、コースオフィシャルの救急車がやってきて、彼は担架に乗せられ、運ばれていった。
タイヤバリヤの隣に一時退避された、彼のバイクのガソリンタンクには、ウズラ卵状の凹みが一個できていた。
「それでな……意識がいったん戻って、股間を見たら、片方のタマがソフトボールより大きくなっててな」
ひぃいい、こわい、コワイ、怖い。
「一個、取り出すことになったんだ」
もう無理、これ以上聞かせないで。
私は耳を塞いだ、しかし、彼の声は、脳内に響いてくる。
「片タマに、なっちまったんだよ。へへへ」
両方、潰れなかったのが幸いだ。
タンクにうずら卵大の凹みが。
呪われたバイクのウワサってありましたね。
股間のフィット感が素晴らしいみたいですけど。
そのバイクに乗ると、ニューハーフになるっていう。




