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Eternal Return ~永劫回帰~  作者: 天野 花梨
Daily Activities -in University life-
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The unexpected always happens.

1.The unexpected always happens.


 一行はドイツの空港に着きそれぞれの荷物を受け取りタクシー乗り場に向かう。


「齋藤先輩、どうしたんですか?その荷物……」

 廉は、齋藤を見てびっくりする。

 齋藤は山のような荷物を持ってふらついていた。

「いやぁ、まぁ……。事務仕事で潰れるより、荷物で潰れた方が……。と訳のわからない事を言っている」

「俺、少し持ちますよ」

「いや、病み上がりの廉君に荷物なんか持たせたら十碧に殺されるよ」

「いや俺、元気ですから。玲音!お前も、少し荷物持て」

「凄い荷物だね?何が入ってるの?」

「統轄長の仕事の書類だそうです」

「なんで、宅配で送らないのさ?」

 齋藤は、ぽかんとしている。

「それは、そうだよね?十碧!」

「ん?なんですか?」

「なんでこの荷物、郵便小包で送らないんだよ?」

「拓哉は何処まで頭が悪いんですか?

 機密書類を郵便事情悪い海外へ送れるわけ無いでしょ?

 郵便事故で無くなったりしたら首飛びますよ?常識でしょ?」

「……頭悪い。……常識………」

 玲音と齋藤は顔を見合せ言葉を失う。

「まぁまぁ」

 廉は苦笑しながら荷物を持つ。

「廉君、体に障るから持たなくていいですよ?拓哉、頭は今一つですが体だけは丈夫ですから」

「齋藤先輩、凄い言われ様だね……」

 玲音は齋藤の耳元で囁き憐れみの目で見る。

「そうなんだよ……。十碧は容赦無いからね。人使いも荒くてさ……」

「拓哉!どっちが、人使い荒いんですか?」

「はい、俺です。十碧には足向けて寝れません」

 齋藤は藤堂に向かって背筋を伸ばし敬礼する。

 玲音と廉はその様子を見ながら苦笑し、荷物を分ける。

「親父!待てよ!おい、親父!」

 玲音は前方を歩く時宗を呼ぶ。

「なんだ?玲音。こんな場所で大きな声を出して……」

「はいこれ、自分の荷物くらい自分で少しは持てよ!」

 藤堂と齋藤はびっくりして立ち尽くす。

「いや、玲音君。流石にそれは……」と齋藤が止める。

「そうですよ玲音様、拓哉に……」

 時宗は齋藤の荷物を見て

「まぁ、そうだな」

 時宗は、適当に荷物を持つ

「あの統轄長?そんな事されては……」

「いいよ、いいよ。齋藤君も大変だし。

 藤堂君は持てないだろ?

 すまないが残りは持ってくれるかい?」

「もちろんです」

 加藤が時宗を見て

「お前が荷物を持っているのなんか珍しいな?明日は雨か?」

「雨か?困ったな。でも、藤堂君が荷物を持てないからな~」

 時宗が笑いながら言うと加藤は藤堂と齋藤の姿を見て

「まぁ、そうだな。齋藤、仕方無いから少し持ってやるよ!」

 伊集院もそれを見て悠貴に

「私の荷物は私が持つから手伝ってあげなさい」と言う。

 千景と周藤も「仕方ないね」と荷物を持ちなんとか平等に荷物は分担された。

「皆さん有り難うございます」

 齋藤と藤堂は皆に深く頭を下げた。


「藤堂先輩達は、何時まで居るの?」と玲音は藤堂の傍を歩き歩行障害になるような物を排除し、歩行のサポートをしていた。

「3日間の滞在です。2日は有休ですが、また、一緒に観光でもしますか?」

「うん!連れてって」

「まぁこの足ですから、あまりあちこちは出来ませんが……。それに、今回は誘拐されても、追い掛けれませんからね」

「悠貴、今回は誘拐されるなよ?」

「先輩……。俺、間違われただけですよ?

 ターゲットは先輩でしょ?」


 一度一行はドイツの事務局に入った。

 藤堂が色々な手続きに入る。

「玲音様達は半年ホテルに泊まります?

 家を借ります?」

「どっちが便利かな?」

「まぁ、一長一短有りますね」

「親父!親父はどっちがいいの?」

「そうだな~。ホテルの方が楽かなぁ~」

「ならホテルにするか?」

「俺と廉は一緒の部屋でツイン以上でとって」

「シングルでいいだろ?」

「ダメ。約束忘れたの?廉一人にはさせないから。それに試験勉強教えて貰うのに、シングルでは部屋狭すぎ」

「玲音……。他力本願は辞めろよ?

 俺だって、まだ合格したわけでは無いんだから、教えられるわけないだろ?それぞれで勉強しないと。お前の面倒ばかり見れないぞ?

 "If the blind lead the blind, both shall fall into the ditch."

(盲人が盲人を手引きすれば、二人とも穴に落ちる。)

 の諺通り2人とも最悪試験に落ちる可能性が有るじゃないか?」


「大丈夫だよ、廉が本気を出せば~。

 まぁ俺。廉が本気を出したとこ見たこと無いけどな~」

「そう言われれば、そうだな?」

 千景が同意する。

「廉、何時も涼しい顔して適当にこなして居るもんな?

 寝てる所は何時も見てるが、本気で猛勉強してる所はないよな?

 あの美里ちゃん教える時でも形は勉強してたが本気で猛勉強とまではいかなかったよな?昼寝する余裕はあったんだから。

 もしかしてお前、今から本気で医師の国家試験の勉強したら合格なんかしたりするのか?」

「まさか、そんなわけ無いだろ?

 そんなに簡単ならみんな医師の免許取るだろ……馬鹿な事を言うなよ!」

「廉の底力を見てみたいな。俺と一緒に医師免許取るか?」

 千景が廉に言う。

「アホな事言うなよ!俺に受験資格なんか無いだろ!

 それにこれ以上、他の事に巻き込むのは辞めてくれ司法試験で手一杯だよ!

 それに"If wishes were horses, beggars would ride."だろ?」

「願いが馬なら乞食が乗り回している??」

 悠貴が頭を傾けてる。

「願いがすぐに叶えられるなら、誰も苦労はしないという意味だよ!」

 千景が呆れながら悠貴に教えれる。

「だから……俺は、勉強で廉が苦労してるの見たこと無いんだってば……」と玲音は1人ブツブツ呟いている。


 一行は宿泊先のホテルへと移動した。


 案内された部屋は最上階の一番いいスイートの部屋だった。

 藤堂が部屋の説明をする。

「隣が統轄長の部屋です。最上階は2部屋しか有りませんから、他の客は入って来ません。

 私達と入れ替える様に奥様が来られます」

「藤堂先輩、俺達はもっと狭い部屋で」

「いえ、セキュリティの都合上、この部屋でお願いします」



 部屋で廉と玲音は荷物を置き、うろうろしていた。

「なんか広すぎて落ち着かないな」

「廉、下の階に探険に行ってみようよ~」

「ん?一人で行って来いよ! 」

「約束!」

「えっ?そこまで一緒にいる必要は無いだろ?俺、ここで昼寝しているからさ」

「約束!忘れたとは言わせないよ!」

「因みに俺のプライベートは?」

「んなもん、有るわけ無いじゃんか!

 その代わり、俺のプライベートも無いんだからな!」

 廉は、大きな溜め息をついて

「俺、昼寝する」

「廉!お前が寝ると俺が、退屈じゃないか?起きろよ!起きやがれ!!

 "Six hours' sleep for a man, seven for a woman, and eight for a fool."

(男は六時間、女は七時間、馬鹿は八時間の眠り)って言うが、廉は馬鹿の上を行ってるじゃないか!!」

「う~ん、なら仕方ない。勉強でもするか?

 玲音の本気を見せて貰おうか?

 時間もあまり無い事だし………」

(時間も、あまり無い?……。そう、あまり時間は残ってない。司法試験??いや、違う、なんだ?玲音に何かを頼まないと…)

「おい、廉?廉!」

「ん?早くそこに座れよ。玲音!」

「びっくりさせるなよ!また、意識飛んだのかと思った」


挿絵(By みてみん)

 室内の電話が鳴る。

「も~!う、うっさい」と玲音が出る。

「何?ん?どうすればいいの?うん、分かった」

「なんだ?どうした?」

「悠貴達がセキュリティ解除してくれないとここに来れないって。これかな?出来た」


 すると数分後、千景と悠貴かやって来た。


「なんか、面倒だな?ここに来るの。まぁ仕方無いか?パンダは世界絶滅危惧種だからな~」

「そろそろ、定例会はじまったかな?」

 悠貴が時計を見ながら言う。

「あぁ、もうそんな時間か?」

 廉がソファに座りながら言う。

「お前ら、今回は、出なくてよかったのか?」と千景が聞く。

「俺らはバイトだよ?会議関係ないじゃん。でも悠貴、お供なのに出なくていいの?」と玲音が答える。

「俺?荷物持ち兼、教授におねだりして来ただけだから」

「ん???」

「先輩達がドイツに加藤さん達のお供するって聞いたから、俺にもごほうびって…」

「悠貴、お前はちゃかりしてんな?しかし、この部屋は広いな……」

 千景は部屋を見渡す。

「そうだろ?なんか、落ち着かない」

「まぁ野郎4人が入っても窮屈でないのはいいな?」

「ちゃんと成立するのかな?事務所」と玲音は言う。

「してもらわないと、先輩達が居ない半年俺が地獄をみるよ」と悠貴は答える。


 しかし、その頃定例会は荒れに荒れていた。通常の定例報告は何事もなく終わったがその後、人事がらみの案件で各部所の不満があふれ出た。

 理由が人事部解体によって弾き出された社員がいっこうに使え無い上に、新生人事部の為に回された社員が優秀な者ばかりで仕事に混乱をきたしているのに、特定3部門だけ優遇する事務所設立案は不公平だと。

 そうなると元人事部の処遇についてになる。解体した元の人事部の社員を新生人事部に移動させるのは、みな反対はする。

 しかし、あのやる気のなさに選民意識が、他の社員の足を引っ張っている。

 なので百害有っても一利なしで、元人事部員全て解雇した方がいいと言う提案までもがあがった。

 それについては時宗が各部所の上三役が慎重に調査し、判断を任せるが、事務職でなく現場とかに回してダメなら解雇してくれと言った。

 しかし、各部所長は居ても居なくても役に立たないどころか邪魔だから現場混乱さすよりさっさと解雇したほうがいいとまで声があがっていた。

 ただ問題は、そのまま人手不足は困ると。かといって人手は沸いて来るわけもなく、新入社員がはいってもすぐに使え無いどころか教育するために、また人手を取られると、このままでは、現場はたちゆかないという悲鳴めいた意見まで飛び交う。

 そこで経理部、総務部に全事務処理を任すと言う案が出たが、それはそれで該当部所より猛反発が出た。


 休憩時間になり藤堂が統轄長に囁く。

「困りましたね、このままだと意見の平行線をたどるだけですね」

「参ったね。藤堂君、再開したらどの部署がどの様に困っているか順番に発言させてくれるかな?」

「分かりました」

 加藤と齋藤が時宗の所にやって来て、このままだと成立しないのではないか?と不安を漏らす。

「う~ん、ここまで現場が混乱しているとはなぁ~。お前ら、何か打開案を出さないと、明日から大変だぞ?」

 時宗は他人事の様な対応をする。

「その時は時宗!俺の部に廉を貰うからな!」

「加藤さんずるい!俺の部にくださいよ!俺の方が圧倒的に人手不足なんですから!」

「廉君は、秘書室に配属決まってます。

 何が何でもそれは変更有りません!!!」

 傍に居た藤堂が机を叩きピシャリと言う。

「まぁまぁ、廉が入社するのは2年後だよ?今、どうこう言ってもね?」

「えっ?統轄長ちゃんと約束しましたよね?秘書室に配属するって!」

「藤堂君、心配しなくてもちゃんと約束は守るからさ」

「なら、時宗。俺達の約束も守れよ!」

「俺ばかり、責めるなよ!困ったなぁ」

 休憩が終わり、藤堂が時宗に言われた質問を振る。

 全部の部所の話を詳細に聞いたのち、深刻な人手不足は現場を抱えている部所でデスクワーク主体とする部所はそうでもなかった。

 時宗は、次の様に指示を下した。

 まず、現場が近い部所や仕事の似ている部所を幾つかまとめて、事務仕事を一括処理させる事で効率化を図る。

 その組合せは新しい人事部で早急に判断して決めて貰う。

 今回、テストケースとして加藤ら3部門で明日から稼働させてみると決めた。

 問題、不都合は次回定例会で審議するので具体的に報告書であげてくれと言う事で収拾した。

 今後の課題として、現場と事務の仕事の効率化を図るような提案を考えてくれと。

 会議が全て終わったのは夜7時を過ぎていた。


「予定より大幅に遅れたな?廉達は、もう来てるじゃないか?」と加藤は言う。

「まぁ小さな子供では無いんだ、大人しく待ってるだろ?」と時宗は言う。

「時宗は家族に対しても時間にルーズなんだな?」と伊集院は呆れる。

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