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Eternal Return ~永劫回帰~  作者: 天野 花梨
Daily Activities -in University life-
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Friendship is a single soul dwelling in two bodies.

1.Friendship is a single soul dwelling in two bodies.


 廉は、ドイツに渡る前日に退院した。かなり条件付きではあるがドイツ留学の許可も出て、その条件のひとつでもあるドイツでの定期診断先の病院も紹介を受けた。


 時宗は、リビングで藤堂と玲音とドイツ行きの細かい打ち合わせをしていた。

 そこに廉がやって来た。

「廉、退院したばかりだから後から追いかけて来たらどうだい?2,3日、日本でゆっくりしてからさ」

「大丈夫ですよ?俺5日も病室で寝ていただけですよ?これ以上寝ているだけなのはごめんですよ」

「でも廉、学生の頃から昼寝してばかりだったじゃんか?いくらでも寝れるだろ?」

 玲音は、廉がドイツに行く事を反対していた。

「どうしても親父に同行が必要なら俺一人で、ついて行ってやるから廉は、日本に居た方がいい」と最後の最後まで反対していた。


「玲音、散々話しをしたよな?また、話しぶり返すのかよ?」

「……………廉!絶対、ドイツに居る時は、俺の傍から離れるなよ?単独行動なんて絶対に許さないからな!ちょっとでも体調おかしければ俺に言えよ!絶対だからな!!勝手に倒れたりするなよ!」

「はいはい、わかってるよ。子供じゃないんだから、何度も同じ事を言われなくても……」

「廉が俺の言うこと、素直に聞いた事なんて無いじゃないか!」

「そんな事はないさ…………。たぶん………」

「ほら見ろ。自分でも反論出来ないだろ?何時も俺が折れてやってんだよ!!廉は、頑固だからな!

 でも、今回だけは絶対に俺は折れないからな!

 親父も親父だ!いい年して一人で出張も出来ないのかよ!ドイツ語くらい話せる様になれつーの!それ出来ないなら通訳連れて行けよ!まったく!」

 玲音はかなり、ご機嫌斜めで何時も以上に毒舌を吐く。

「玲音、そこまで言わなくてもさぁ、一人だけだと色々と困るし、反対に通訳とか人だけ増えても行動しずらいだろ?

 それに、玲音も少しは仕事覚えて行くためにもね………」と時宗はなだめる。


 時宗は隣にいた藤堂に耳打ちする。

「藤堂君、玲音は今日何であんなにご機嫌悪いの?」

「ここ最近はいつもあんな感じですよ」と藤堂は囁く。


 廉は、玲音の隣に座り

「ちゃんと今回は玲音の言うこと、聞いてやるからご機嫌治せよ。しかし、俺は、【玲音Jr.】の代わりは御免だからな?」と言って頭を叩く。


廉は、玲音に退院する少し前、黒いスーツの人物について聞いてみたが、不思議な事に玲音は、忘れている様だった。

 忘れていると言うより、その部分だけ記憶が無いようだった。

 その話しから、玲音は廉が何か隠して居ると疑って、どういう事なのかといくら聞いても、廉は「あれ?夢だったのかな?俺の勘違い?」とか言ってとぼけて話してくれないので、尚更、ご機嫌が悪くなっていた。


 玲音は廉が入院中に、何度も意識を無くしさらに丸一日、目を覚めなかったので不安で仕方無かった。

 廉が居なくなったらと思うとどうしていいのか分からなかった。前に散々悩んで廉と離れ離れになって暮らす事については、心の整理はついていた。廉は、離れて居ても自分との関係を大事にしてくれる。お互い心で繋がっていると。必要なら、いつでも逢いに来てくれるし逢いにも行く。

 でも、もしも廉自体の存在がなくなったら?この世の中、何処にも廉が居なくなったら?自分を一番理解し、大事してくれる人がこの世から居なくなるのは堪えられない。

 もし発作が起きてそのまま、廉が目覚めなかったらと恐れおののく。


 廉は、この雰囲気を壊すために、

「取り敢えずお茶にしませんか?帰る途中、シュークリーム買ってきたんです」

 と言って玲音のお気に入りの店のシュークリームを出す。

「いいね。丁度、甘い物が欲しかったんだ。廉は、よく気が利くね」

 時宗は笑顔で言う。

「そこのシュークリーム絶品ですよね?

 私、甘い物が苦手ですがそのシュークリームだけは例外です」

 藤堂は喜ぶ。

「玲音、全部食べるなよ?ちゃんと千景の分ものけておけよ?」

 廉は玲音にシュークリームを見せながら釘をさす。

「廉、俺をシュークリームでごまかそうとしてもダメだからな!」

「ん?なら玲音は、食べ無いのか?」

「えっ?なんでそうなるんだよ!」

「玲音。そんなにツンツンするなよ。俺はちゃんとこれからもお前の傍に居るからさ。心配するな。お前は何時も通り笑ってろよ」




2.The lover is not where he lives but where he loves.


 千景は廉の入院騒ぎの最中、もうひとつ厄介事が降りかかった。


【藤春樹里亜】である。

挿絵(By みてみん)

 彼女は、ニュースキャスターとして確実に知名度をあげている最中だった。

 恵まれた容姿、恵まれた知性、しかも、男性に負けない根性と機動力。

 彼女は、テレビ局が海外の取材依頼が来たら意力的に仕事を受け赴いた。

 千景もテレビで時々は活躍を見ており、アフリカや戦場までとはいかないが情勢が不安定な国や地域まで取材に行って居ることに驚いていた。

 (あの、お嬢様がねぇ~。鞄持ちはいるのかな?)とか考えながら。

 ここ1年くらい自分も忙しく、樹里亜からも、たいした連絡も無かったから、連絡する事も無かった。

 そんな折、突然、樹里亜から電話がかかり相談を受けた。

「今、困った事に巻き込まれているの。

 助けてくれない?」

「おい、俺は、お前の便利屋ではないぞ、国家試験もあるし、バイトと研修抱えて大変なんだ。どんな事かは知らないが他の奴に頼めよ?」

「なら、千景からサクラに頼んでよ?」

「パンダは廉が倒れてそれどころではないぞ、それに半年程ドイツに行くしな、聞いて無いのか?」

「……………」

「取り敢えず、話しだけは聞いてやるから話してみろ。取り敢えず聞くだけだぞ?

 受けるとは、まだ言ってないからな!」

「なんか、ここ最近ずっとストーカーされているの……」

「警察に届けろよ」

「届けたけど、届けただけでは動いてくれないわよ……」

「テレビ局に言えよ」

「仕事中はカメラマンや音声さんや他のスタッフ居るから大丈夫なんだけど……。

 通勤中やマンションでは変な事が多いの警察に相談したら男性の影有れば違うって」

「お前、俺が仕事の送り迎えしろと?実家に帰って送り迎えしてもらえよ!」

「根本的解決にはならないじゃないの?

 犯人捕まえて欲しいのよ。1日2日私のマンションに出入りしてくれたら犯人動き出すと思うの。動いた時捕まえてくれれば……」

「それこそSP雇えよ!お金有はるんだから」

「マンションにSP入れるのは嫌よ!」

「他に居ないのかよ?頼める奴は!」

「居れば頼んでないわよ!」

「1日だ!1日で、かたがつかなければもう、それ以上は付き合えない。それと相手は悠貴に頼む。おれは、遠くから様子伺う。それでいいなら今回だけは付き合ってやる。どうする?」

「お願いします」

 千景は大きな溜め息をつきながら悠貴に電話する。

「もしもし?珍しいね千景先輩から電話なんて」と悠貴は言う。

「頼みがあるんだが?今、お前実家に居るんだよな?」

「うん。そうだよ!ドイツに行く準備に帰ってきてるんだ!先輩もドイツ行くんでしょ?」と嬉しそうに悠貴は言う。

 千景は樹里亜の事を話す。

「ふーん。可哀想だけど1日でかたつくの?それに相手役は俺より千景先輩の方が似合ってるんじゃない?」

「なんでだよ!?」

「なんとなく………。先輩も鈍いよな…」

「なに?最後の方よく聞こえなかったが?」

「いや、なんでもないよ」

「付き合ってくれるか?」

「いいけど、廉先輩とかは?」

「廉は入院してる。だからパンダも無理だ」

「いつ入院したの?見舞い行かなきゃ。潤にも知らせないと」

「もうすぐ退院するし、ドイツで逢えるから行かなくても大丈夫だ。それに潤、訓練中だろ?心配させるなよ!」

「まぁそうだけど」

「取り敢えず、明日時間あけておいてくれ、迎えに行くから」

「ほいほい」


 次の日、千景と悠貴は朝一番に樹里亜のマンションに行った。

 最初に千景が目だたないようにマンションに入り盗聴器を探す。

「盗聴器は取り付けられては無いようだな?」

「ここのマンションはセキュリティはいいもの」

「なら、心配ないじゃないか?」

「嫌よ!通勤中変な男に付きまとわれて、影からずっと見られるなんて!」

 そんな事を話していたら悠貴がかなり目立つようにマンションにやって来た。

「お前ら2人、今日は恋人同志のようにベタベタしていろよ?」

「どう考えても俺より先輩の方が……」

「樹里亜、今日は何時ごろ出社だ?」

「いつも通り、9時よ」

「悠貴、藤堂先輩から借りてきたあの車で会社まで送ってやれ。

 樹里亜、テレビ局見学できるように手配はしてあるんだよな?」

「ええ、大丈夫よ」

「俺は、タクシーで後から行くから派手に目立つように行動しろ」

 悠貴は「絶対、千景先輩の方が……」とブツブツ言っていた。

 悠貴は身長172 樹里亜は170なのでヒールのある靴をはくと樹里亜か高くなる。

 並ぶとかなり、劣等感を悠貴は感じるらしい。


 テレビ局に着くと千景は悠貴のついでに見学させてもらう友人として登場した。

 テレビの収録以外は千景からとにかく目立つように恋人のふりをしろと言われた。

「テレビ局内では関係ないんじゃないの?」と悠貴が千景に言うと、千景は周りをゆっくり見渡しながら、「たぶん犯人居るとすればテレビ関係者だろ?」

「なんで?」

「不規則な出社時間に不規則や休日それを毎日のように把握して、付きまとっているんだろ?一般人では無いだろ?」

「なるほどね」

 千景は一人の男を不審に思った。

「悠貴、すぐに見るなよ?あそこにいるケーブルさばいているAD、さっきからお前をちらちら見てるぞ」

 悠貴は何気なく見学者を装いテレビのセットの方を向き見渡す。

 千景もそれに合わせる。

「あの人控え室にも、なんやかんやで来てたな?と言うか、あの人しか来てないな。

 それに控え室を樹里亜先輩が出た後、俺にどういう関係か、興味本位に聞いてきたよ」

「お前、なんと答えたんだ?」

「先輩の指示通り、学生時代からの恋人だと」

「相手は?どんな反応した?」

「『今迄は、全然姿現さなかったですよね?』と聞かれたから、考古学専攻してるから、今遺跡発掘するため島に籠っているからなかなか会えないんだと、近々ドイツに出張するからやっと休日貰えて会えたんだ」と言っておいたよ。

「犯人はあいつで間違えないな」

「なんで?」

「今迄、姿見せなかったなんて、仕事関係だけで分かるか?」

「なるほどね~。さすが先輩」

「仕事が終わったら、2人で食事して、何処かの公園に樹里亜を連れ出せ。できるだけテレビ局から離れた場所でな。キスでもするふりでも、すれば上出来だが」

「それは、ちょっと……。先輩には言って無かったけど…俺…今、付き合っている娘居るんで……」

「なるほどね~。それであんなにパンダにまとわりついて居たのに、最近は姿も見せない訳だ。まぁ潤も居ないしな………。島に籠って居れば手近な学部内でってなるよな?」

 千景は悠貴をからかう様に言う。

「そこまで見通ししなくていいですから!」

 悠貴は顔真っ赤にしながら言う。


「はいはい、なら尚更、さっさとかたつけるぞ!ヘマするなよ」

「わかりましたよ………」


 樹里亜がテレビ局の仕事がおわったら千景は悠貴と別れた振りをし、遠くから尾行する。悠貴は千景に言われた通り、2人で食事をし、公園にむかった。

 ちゃんとストーカー男も千景の思惑通り後をつけていた。


 公園で千景は間合いを見てストーカー男の背後に立ち男に問い詰める。

「いい加減、諦めたらどうですか?樹里亜はお前に興味は無いってよ?女怖がらせて楽しいのか?これって立派な犯罪なんですよ?テレビ局に勤めていればそのくらいの事は分かりますよね?」

「何の事?たまたま偶然、通りかかっただけだよ?」

 男はとぼけている。

「残念ながらはい、証拠写真。悠貴、警察呼べ!」

 千景は樹里亜を追いかける男写真を何枚か色んな角度から撮っていた。

 それを突きつけられた男は顔が真っ青になり、いきなり土下座をして謝る。

「すいません。許して下さい。警察だけは………。もう、2度としませんから……。ただ彼女を見て居たかっただけなんだ。

 危害なんか、加えるつもりなんてないし。本当に好きでただ見て居たかったんです。すいません!」

 千景は樹里亜を呼ぶ。

「樹里亜、こいつどうする?」

「本当に2度としないならいいわ。許してあげて」

「今度同じ事したら、この写真テレビ局と警察に届くよ?それに相手をよく選べよ?

 テレビ局の関係者なら、職業名を出せばそこそこもてるだろ?

 それにこいつ、櫻グループトップの関係者だぞ?つまらない事で一生棒にふるのかよ」と千景が呆れたように言う。

「えっ?え?櫻グループ?すいません、すいません。もう決して2度と近づきません」

 男は【櫻グループ】と言う名を聞いてより一層青くなって土下座する。

「もう、いいわ、2度としないでね。今回は忘れてあげるわ」

 樹里亜はそう言って立ち去る。

「よかったな?他の女にもストーカーなんてするなよ。男の恥だぞ。じゃぁな。悠貴帰るぞ!」

 千景も公園から立ち去る。

「待ってよ先輩~」

 悠貴は千景を追いかける。



「悠貴、お前の彼女の愛情を試してやろうか?」

 帰りながら千景は楽しそうにからかう。

「ん?何考えているんですか?

 "Don't get in the way of my romance !

 Get kicked to death by a horse !"」

「悠貴、英語上達したな?俺に馬に蹴られて死ねってか?

 でも、自分の事どのくらい信じてくれるか?興味ないか?」

「まぁそりゃあ、でも俺からアプローチしたわけでないし。何度か断ったけど、それでも好きって言ってくれたし………。大丈夫!」

「好きって言われて、その気になったの?」

 樹里亜は興味深そうに言う。

「そりゃあ、何度も何度も言われれば悪い気はしないし、相当嫌いでなければその気になりますよね先輩?」

「なんで俺に聞くんだよ?」

「先輩、医学部では1、2を争う有名な女たらしって……」

「なんだ?それ!!誰がそんなデマ流して居るんだよ!」

「えっ?知らなんですか?大学内では有名ですよ?毎日隣にいる女性が違うって」

「一緒に居ると、付き合って居ることになるのかよ?野郎と飯食うより女の子とご飯食べる方が美味しいだろ?だから声かかれば、飯くらい一緒に食うだろ?なんでそれが女たらしになるんだよ!」

「悠貴!お前その噂、責任持って訂正しろ!でないとこの写真彼女に送るぞ?」

「なんでですか?俺が流した噂でも無いのに!!」

「でも、それでいくとなんでパンダはそう言う噂立たないんだよ!!」

「奴の方がそこら辺中を愛想ふりまいているじゃないか?」

「そりゃあ~。責任持って俺が火種は消してますから~」といって悠貴は、はっとする。

「悠貴!パンダのは消してなんで俺のは消さないんだよ!」

「えっ?千景先輩は潤の役目ですから~」

「悠貴、ドイツから帰ったら速攻で噂を消せよ!でないと……」

「わかりましたよ……なんとかしますよ」


 悠貴(なんでこんなことに………。)

 樹里亜(何度も好きって言えばねぇ……。)

 千景(なんで俺が女たらしなんだ!)


 それぞれの思いは違うが悩みながら帰宅した。

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