Kidnapping case
1.Kidnapping case.
グランドセントラル駅
先日、ハーレムのとある地下室に居た柄の悪い男達が3箇所に別れて待機している。
その中の 2人組の男達が何か話している。
「なかなかこねえな?もしかしてルート変えたのか?」
「でも、ここ有名な観光名所だし、他の観光名所が固まっているから、飛ばすことはないだろ?」
そこにタクシー2台で降りてくる日本人観光客がいた。
「あれではないか?男7人、女1人いるな?でも、茶髪の男なんて居ないぜ?女が居るとも、聞いて無いよな?」
「しかし、あれ日本人だろ?男の人数は合ってるしな」
「華奢だと言ってたからあの一番ちいさいのか?で、いつも一緒に居ると言うのはあの隣の奴か?」
「並んで歩いてる奴かな?」
「写真あっても意味ないな。同じ顔に見える」
「あの2人で、間違い無いのか?」と反対側に居る男2人に携帯で聞いてきているがよくわからないらしくリーダーらしき男が決断を下す。
「俺達はあの一番小さい奴を襲う。お前達は隣の奴を襲え!計画通り後ろから近づいけよ」
そして、リーダーは一人だけ離れた男にまた携帯電話をかけ
「あの一番小さい奴と隣の奴だけ他の奴から引き離すように進路妨害しろ動き出したらスタートだいいな?」と指示する。
「ああ、あの一番小さい奴だな?」
「そうだ。捕まえたらすぐ逃げるからな?いいな?」
「揃ったね構内見学に行こうか?
その後、この辺りで昼食にしよう」と齋藤が言う。
「うんそうだね。そうしよう」と楽しそうに玲音達は同意する。
一番先頭に、樹里亜と千景が歩いている。その次に藤堂と齋藤が廉と玲音を挟むように並び、その後ろを悠貴と潤が並んで歩く。
その時一人の男が大きなキャリーバックを転がして齋藤達の背後を横切り悠貴達の進行を阻む。
それと同時に、後ろから男が布で悠貴達の口を塞ぎもう一人が前に入り込み溝打ちをしそのまま担がれ連れ去られる。
それを見た周りの者達が騒ぐ。
玲音達が振り返るとそこにいたはずの悠貴と潤が知らない男達に抱えられ二手に逃げている。
その場の全員一瞬なにが起こったか、わからず唖然としたが、齋藤が我に戻り藤堂に「追うぞ!十碧!」
「廉君と玲音君はそこにいて。絶対に離れてはダメだよ?いいね?千景君!警察電話して」と藤堂が指示する。
「十碧。お前は、彼方を追いかけろ!俺はこっちを追う。GPSはONにしているよな?」
「わかった。ああ大丈夫だ。お互い場所は分かるようにしている」と藤堂は答え犯人を追いかける。
玲音は時宗に電話した。
「どうした?」
「大変なんだ、どうしよ?どうしたらいい?」
「落ち着きなさい。どうした?」
「悠貴が潤が知らない奴に連れ去られた」
「お前達は今、何処に居るんだ?」
「グランドセントラル駅だよ?」
「すぐ、そこに行くから、そこに居なさい。動くんじゃ無いよ?警察には?」
「千景が今、連絡している」
「藤堂君達は?」
「悠貴達を追ってる」
「いいね?そこに居るんだぞ!いいね」
「うん。分かってるよ」
「どうした?時宗?」
一緒にいた加藤と伊集院が電話のやり取りを聞いて不審に思い聞く。
「緊急事態だ。悠貴君と潤君が何者かに連れ去られたらしい。悪いが玲音達の所に行く」と時宗は説明し、社に連絡を入れてグランドセントラル駅に至急SP何人か向かわす様に手配した。
「俺達も一緒に行こう。人手は多い方がいい」
加藤と伊集院が同行すると申し出た。
齋藤は悠貴の方を追っていた。
日頃、野山で駆け回っているおかげですぐに追い付いた。追い詰められて焦った犯人は路地に逃げ込んだがそこは行き止まりだった。
悠貴も溝打ちがきちんと入ってなく意識が戻り抱えている男に反撃する。
それを見た齋藤はすぐに反応し、もう1人の犯人の頭を狙い齋藤が回し蹴りをする。倒れた男に思いきり踵落としを食らわせて失神させた。
悠貴の方も格闘技愛好家なだけあり、齋藤が振り返ると犯人を既に失神させていた。
「大丈夫か?」
「ええ、大丈夫です。恥ずかしながら油断しました」
「普通こんな状況で、油断とかないから」
「取り敢えず、この2人警察に引き渡そう」
警察に電話し、犯人を引き渡す手配をする。その後すぐに駅に戻った。
玲音が悠貴に抱きつき「よかった、無事でよかった」と半泣き状態だった。
「十碧は?」と廉に聞いたが「まだ何も」と暗い表情をする。
「日頃の運動不足が祟ったか?困ったなと思っていると」
時宗達が到着し悠貴が居るのを見て「無事、解決したのか?」と一瞬安堵したが返答でかき消された。
「いえ、まだ潤君が………」
「私は、十碧の助っ人に行ってきます」
「場所は分かるか?」と時宗が聞くと
「はぐれた時の為にGPSをオンにしていますから」と場所を確認する。
すると、あちらもやはり路地に入り込んだようだ。
「すいません、ちょっと行って来ます」
「齋藤君。SPを連れて行きなさい」
「はい」
GPSをたどって行くと藤堂が何とか犯人を追い詰めていた。
「大丈夫か?」
「全然、大丈夫じゃない………」
片方の犯人は、藤堂が何とか失神させたらしく、残り一人を相手をしていた。その傍らに潤が倒れていた。
「十碧、潤君を。俺がこいつの相手すると叫び殴りかかった」
犯人は、凄い勢いの拓哉の攻撃と後ろから来たSP数名を見て観念したのか?犯人は両手を挙げて降参した。
警察にまた2人を引き渡し潤の様子を見る
「失神しているだけみたいだな」
「あぁ、しかし参ったな?」
「そうだな。俺達のミスだもんな」
「言い訳できないよな?」
齋藤が潤をおぶって駅まで戻り、藤堂が時宗に「犯人を警察に引き渡し全て終了しました」と報告した。
「俺達がついて居ながらこんな事になってすいません」
齋藤と藤堂は声を合わせて時宗に謝る。
「取り敢えず後日、警察に詳細に説明してくれるかい?潤君は大丈夫なのかい?」
「失神してるだけだと思います」と話していると潤が目を覚ました。
「あれ?」
「気が付いたか?気分は?」と廉が聞くと
「大丈夫」と不思議そうに言う。
「潤!よかった!よかった!本当によかった」と玲音はまた半泣きしている。
「ここでは、何だから何処に移動しよう。
しかし、藤堂君は病院に行った方が良くないか?」と時宗は藤堂の顔を見ながら心配する。
藤堂は、格闘で顔中あざに生傷だらけになっていた。
いつぞやの玲音の様に………。
潤も悠貴も何ともない。病院は嫌だと言うので近くのレストランに入り、当初予定通り食事し、樹里亜が藤堂の傷の手当てをし、齋藤が今回のいきさつを話す。
玲音が必死に時宗に言う。
「齋藤先輩と藤堂先輩は悪く無いよ。襲われるとわかってた訳で無いんだから、不可抗力だよ。
それに悠貴と潤が無事だったのは先輩達のおかげだよ?」
「分かっているよ。玲音」
「しかし、初めから悠貴君と潤君狙いだったのか?」と加藤が首を傾げる。
「それは警察の仕事さ」と伊集院が言う。
皆がやっとホッとし、落ち着いた頃。
「ねぇ…………」
「ん?どうした?玲音」
「残りの…観光は……中止?」
「う~ん。どうしたもんかなあ」
周りの子供達を見ながら時宗は返答に困る。
「ちなみに後、何処に行くんだい?」と伊集院が聞く。
ロックフェラー・センター→セント・パトリック大聖堂→セントラルパーク→エンパイヤーステイトビル→タイムズスクエア
「観光名所の王道だな」と伊集院が言う。
「時宗、俺達もつきうか?」と加藤は楽しそうに言う。
「お前、随分昔に行ったきりだからまた、行きたくなったんだろ?」と伊集院が言う。
「ふっ。何とでも言え」
「齋藤君は、もうこの子達の面倒は懲りたかい?」
「いえ、ただ自分と十碧だけでは目が行き届かない事を今回の件で痛感しました」
「なら私達とSP4人付ければ付き合ってやってくれるかな?」
「はい」
「藤堂君はこのまま病院に行って来るかい?」
「いえ、このまま最後まで付き合います」
「では、さっさと食べて行くとするか?」と時宗が言う。
翌日、齋藤と藤堂は警察に行き詳細を説明した。他にいた犯人や情報提供者も逮捕された犯人の自白で全員逮捕されて無事解決となった。
時宗は藤堂は顔を見るたび笑いをこらえて「色男も台無しだな?」と言う。
「秘書に武術の鍛練が必要だと知らなかったんですよ」と藤堂はふて腐れる。
「仕方ないから3日程、特別休暇あげるから病院行きなさい。昔の玲音のようになるよ?」
齋藤も後日、時宗から呼び出しを受けた。
「犯人は全員逮捕されたようだよ。
前日懲戒解雇した男が廉の送ったFaxを見つけ、犯人達をそそのかし、そのFaxを渡したらしい。
たまたま玲音が髪型変えて居たので玲音が分からず、間違って悠貴君達を襲ったらしいよ。
何事も無く無事、解決できたのは齋藤君達のおかげだ。ありがとう。
今回のミスは私がSPを同行させなかった判断ミスだ。すまなかったね。
こう言ってはなんだが流石に、廉をリゾート開発部に配属は出来ないが、セスナ購入の件は許可しよう。至急稟議書あげてくれ。
これに懲りずまた玲音達と付き合ってやってくれ」と事件の報告を伝えた。
「ありがとうございます」
2.God's in his heaven. All's right with the world!
「統轄長!ちゃんと仕事してください」
時宗が藤堂が居ない事をいいことに、のんびりとくつろいで居ると、そこに藤堂が現れた。
「藤堂君どうしたの?今日は休みだろ?」
「休んだら、自分の首締めるだけですから。現にほら、サボって居る方が居られますし」と厳しい指摘をする。
「いや、サボっては居ないよ?ちょっと休憩をね。でもしかし………」と時宗は藤堂の顔をまじまじと見る。
「ちゃんと病院は行きましたよ。パンダとか言われたく有りませんからね。こんな痛い目をしたのに、拓哉にはセスナのご褒美で、私は仕事の山積みとか何の嫌がらせですか?」
「嫌がらせって……。う~ん。藤堂君は何の褒美が欲しいの?」
「そうですね。廉君が卒業したら私の直属の部下として配属してください。その確約が欲しいです。私一人ではもう仕事を回せません」
「まぁ、藤堂君付の秘書室に配属ならね……。でも廉、本人の同意は得てくれよ?」
「統轄長!それ絶対に確約ですからね」
「あぁ、わかったよ」




