Brothers are parting of stranger.
1.Brothers are parting of stranger.
藤堂が報告書の束を持って統轄長室に入ってくる。
「なかなか治らないね、その顔の青アザ。
和也の病院の方がやはり、いいのかな?和也にこっちの病院紹介してもらおうか?」
藤堂の顔を見た時宗が言う。
「ご心配ありがとうございますが、かなり薄くなって来たので、もうすぐ消えるとは思います」
「しかしねぇ、藤堂君が同行してくれないと色々不便でね………」と時宗は溜め息をつく。
「統轄長、相澤白夜に関する報告書が上がって来ました」
「前に言ってた男?」
「はい。今、中国の上海の秘書室に居るみたいです」
「向こうでの評判は?」
「まずまずですかね?大きな失敗は有りませんが中国語が得意ではない様で伸び悩んで居るようです」
「そう、取り敢えず肩書きなしで動かして見る?」
「そうですね」
「中国の空きは、如何致しますか?」
「中国ね。反日感情で、いざこざ多いから、いざと言うとき日本人スタッフの安全が心配だから事務所の規模少し縮小させようかと思って居たからそのまま空けておこう。そうすることで藤堂君は何か困る事ある?」
「いえ、何もございません」
「そう、なら決まりね?」
「後、ジェームスタイラー氏とお知り合いですか?」
「ジェームスタイラー?う~んジェームス?…………。
あぁ!思い出した。知り合いのような、そうで無いような?感じだ。何?」
「先方様から会食したいと申し出が有りましたが如何致しましょう?」
「なんだろうねぇ……。スケジュールは?」
「明日の夜なら大丈夫では無いでしょうか?」
「それ以降はフランスにいく予定になってますが?」
「なら先方にそれ伝えて、明日の夜でいいなら時間作ると」
「わかりました。では、その様に手配しますので、統轄長は今日のお仕事を絶対に完了させてください。では失礼します」
藤堂は自分の部屋に戻りながら
(ジェームスタイラーねぇ………。世界のホテル王と何のコンタクトだろう?
しかし、この顔では、流石に外出できないからなぁ~)
藤堂の顔あざは早く病院にいったおかげで薄くはなっていたがまだ残っていた。
(拓哉の奴、傷1つ無いとかどんだけ鍛えて居るんだよ……。俺もジムでも通わないとヤバいかなぁ……)
玲音達は日本に帰国していた。
「廉、廉ってば?」
沢山のパンフレット抱えた玲音が居る。
「何?どうした。今、忙しいんだが?」
朝御飯を作っている廉が答える。
「朝から、うるさい奴らだな」と千景が部屋からリビングに出てくる。
何時も光景である。
「俺、護身術習いに行こうかな?と思うのだけど、何処がいいと思う?」
千景と廉は顔見合せる。
「パンダ!」と千景が急に殴りかかるがスッと避ける。
「なんだ?千景。何、怒ってるんだよ!」
「いや、今のかわせるなら、護身術習わなくていいのでは?」
「それに一番、護身術に長けた奴そばに居るじゃないか?」と廉は言う。
「誰?」
「悠貴。誘拐された奴が犯人をのすなんてな。案外カンガルーって凶暴なのかな?
」と千景は感心と言うより呆れている。
「しかも、気絶して目が覚めたら即効に犯人をのすとか神業だな?
多分背後から襲われてなければ気絶も、してないだろうな」と廉は言う。
「あの齋藤先輩も強いけど、齋藤先輩が【段違いに強すぎる】とか言ってもんな。習うなら悠貴に習えば?」と千景が言う。
「習う、習わないと言うより、玲音お前、何時も悠貴とふざけ合って、格闘技の技を試し合って居るじゃないか?それでいいだろ?どんだけ強くなりたいんだ?」と廉も呆れる。
「悠貴よりは、強くなりたいな?」
「辞めておけ、無理だ」と千景が断言する。
「なんでだよ?」
「悠貴は身長がパンダ程、無いから小回り効くし俊敏なんだよ。
それは小さい頃から培ったもので、鍛えてすぐに出来るもんでは無いからな」
「つまんないな。でも悠貴低いと言っても、今は172弱あるじゃん。8㎝の差じゃん、俺にも出来ないかな?」
「パンダは食って寝て遊んでおけよ。パンダはどうやってもカンガルーにはなれねぇよ!あああ、もうこんな時間かよ。
俺、朝イチ講義あるから行くわ、そのあとバイトだから夜遅いからヨロシク」
「いってら、事故るなよ?」
「あぁ、いってくる」と千景は玄関に消えた。
玲音達は無事、車とバイクの免許を取り千景は親に頼み込んで車を購入してもらい、通学と通勤に使っている。
2.Engagement uproar.
そんな平穏な毎日が続いたがある日。
藤堂から突然、廉に電話がくる。
「今日は、バイトの日では無いのですが時間空きませんか?統轄長が話しが有るみたいなんですが?」
「電話で無く、直接会ってですか?」
「はい、そうです。できれば玲音様も」
「わかりました。講義終わったらそちらに行きます」
「すいません。ありがとうございます」
(なんだろうな?)と思いながら玲音に話すと「わかったよ」とあっさりした答えだった。
夕方、玲音と秘書室に入ると藤堂がやって来て応接室に案内されると、そこには、メアリーが来ていた。
「ママ、日本に戻ってたの?」と玲音は驚き、喜ぶ。
「ちょっと、だけだけどね。それより立って無いで座ったら?」
「うん」
「失礼します」と座ると同時に時宗が入ってきた。
「すまないね、ちょっと時間が押してるから手短かに話すね」
「はい」
「ん?」
「廉。お前に、縁談が来てるんだが………」
「へっ?玲音じゃ無くて?俺?」
「!!!!」
「あぁ廉、お前にだ」
「俺、まだ学生ですが?」
「あぁ、すぐに結婚するわけで無くて婚約して欲しいと。
オリビアタイラーさん覚えてるか?」
「????」
「パーティで困っていた可愛い娘、覚えて無いかしら?」とメアリーが助け船をだす。
「あぁ顔とか、よく覚えてませんが、そんな名前でしたね」
「その娘とその娘の父親がお前をいたく気に入ったみたいでな。先日、タイラー氏から直々に話が来たんだが………。
タイラー氏は世界のホテル王と言われる人だ。オリビアさんはその一人娘だ。結婚すれば廉が跡継ぐことになる。
悪い話では無いと思うが、結婚は気持ちの問題も有るからね」と時宗が話す。
「う~ん。俺が断わると、おじさん達に何か迷惑かかりますか?」
「そんな事は気にせず、お前の人生なんだから自分の気持ちを考えればいいよ?」
玲音は思う以上に衝撃を受け、廉がどこか、遠くに行ってしまうような不安にかられる。それを隠すためか顔はずっと下を向いている。
「おじさん。俺の正直な気持ち言っても良いですか?」
「構わないよ。私もその方がうれしいよ」
「俺、その娘の可愛いからとか、御近づきなりたいとかで助けた訳でなくて、ただ純粋に困って居たから助けたんだ」
「それは、先方も知っていて、そこを高く評価されての話だと思うよ?」
「それは、有難いですが………。
でも顔どころか、どんな性格なのかも知らない人と結婚と言われても……。
わかっているのは、相手がホテル王の娘ってことで、その地位や立場に惹かれて結婚するとかは僕にはあり得ません。
ただ、この縁談を断わる事で今後おじさんやおばさんの仕事に影響するなら受けて貰っても結構です」
「俺達の仕事の事は、どうでもいいんだがね」
「良くないですよ?それにおじさんに、かかってくると言うことは、よくよくは玲音にまで及ぶし、恩を仇返すようなことはしたくあり得ません」
「廉ちゃん?廉ちゃんの幸せが私達にとっての最大の恩返しよ」
「では、お断りするかい? 私は【縁は異なもの味なもの】っていうだろ?
頭から否定せず、しがらみ無くして相手を見てみればいいのではないかなと思うよ?
こんな申し出してくるくらいだから、相手の娘は相当、廉お前を気に入ったのだと思うよ?
その相手の気持ちもね。玲音お前はどう思う?」
「……………。廉の結婚に俺が口出す余地は無いだろ?例え廉が結婚しても俺達の家族の縁が切れるわけは、ないんだからさ。
廉の好きなようにすればいいじゃない?」とうつむいて小声で話す。
「"Treasure every encounter, for it will never recur."(全ての出会いを大事にせよ、二度と繰り返さないものだから)って言うわよね?日本語ではなんて言ったかしら?」
「ママ、【一期一会】だよ」
「そう、それね。断るのは簡単だけど貴重な出会いかも知れないものね」
「では、こうして下さい。縁談とは関係無く友人として付き合っていきましょうと………。俺、まだまだ遣りたい事あるから結婚する気は当分の間有りません。
でも折角、先方の申し出なのですから、どんな方か知るためにも友人として付き合って下さいと。それが嫌なら無かったことにして下さい」
「それでいいかい?」
「はい」
「それでは、そう返答しておくよ。
悪いが一緒に食事でもしたかったんだが、どうしても時間が取れなくてね。私は仕事に戻るね。
ママ達は折角だから一緒に御飯食べて、帰ったら?藤堂君に手配してもらってるから」と言い残し時宗は出て行った。
食事後マンションに帰ってから玲音は、疲れたと言って部屋に閉じ籠った。
そこに千景が帰ってきた。
「あれ?珍しいな。お前の傍にパンダ居ないなんて」
「ん?まぁ………。お前夕飯は?」
「何かある?無いならコンビニにでも買いに行くよ」
「医者の不養生になるぞ?ちょっと待ってろ」
廉は、冷蔵庫の中を見て「野菜炒め位なら出来るぞ、それでいいか?」
「ありがとう、助かるよ。お前絶対、結婚したらいい旦那になるよ」
「おい、今、【結婚】と言う単語だすなよ!それに、お前も自分で料理くらい作れるようになれよ!」
「ん?何かあったのか?」
千景に夕飯出しながら千景に事情を話す。
「お前、その話断ったのか?」
「断ったというか、友人としてならと言っておいた」
「世界のホテル王だぞ?相手の娘も可愛いかったんだろ?」
「顔は覚えてないよ、それにそんな財産狙いみたいな結婚とかは、俺達が一番嫌がっていた事だろ?地位や肩書きに惹かれて近寄ってくる女達と変わらないじゃないか?」
「いや、相手から近寄ってくるんだから、違うだろ?それで、パンダ拗ねてるのか?」
「かな?」
「まぁパンダでなくても俺でも、お前が傍から居なくなったら拗ねるな?」
「なんでだよ??」
「こうして、俺に夕飯作ってくれる人が居なくなるじゃ無いか?
"The way to a man's heart is through his stomach."(男心をつかむ道は胃袋から)と言うだろ?
廉。お前は【俺の胃袋掴んでる】からな。もしお前がここから居なくなったら、俺は一生コンビニ飯だな………」
「お前……。自立するためにここに居るんじゃないのかよ?」
「いや、俺の場合、親父が俺の人生に干渉するのが嫌だからであって、自立性とは違うな」
「……………お前。一生、結婚出来ないぞ………。多分」
「俺達は一生、友達だよな?」
「…………。何か俺。友達を止めたくなってきたよ」




