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Eternal Return ~永劫回帰~  作者: 天野 花梨
Daily Activities -in University life-
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Resurrection

1.Resurrection.


 メアリーが、メトロポリタン美術館にいると玲音達は聞き、待ち時間を使って館内見学しようと待ち合わせ時間より早めにタクシーで行くことにした。


「流石、アメリカを代表する美術館だな?」

 千景が表玄関に立ち感動する。

「本当に思う以上にでかいなぁ~」

 廉は建物と案内図を見ながら言う。

「これが私立って、すごい金持ちが居るんだねぇ~」

 ビジネスジェットで来米した、御子息がいう。

「どう回るの?ばらばらに回ると絶対、集まるのに時間かかるよ?」と潤が言う。

挿絵(By みてみん)

「ウィリアム見に行こうよ!」

 悠貴が楽しそうに提案する。


「ん? Hippopotamus Figurine?

 通称【青カバ】?」と廉がすぐに反応する。

「パンダならそこにいるが?」

 千景は玲音を指さす。


「大英博物館、ルーブル、メトロポリタンが有名だよな?

 日本にも中近東センターに【ルリカ】と言う愛称であるとか。

 うちのパンダの愛称は【レオン】」

 廉がやはり玲音を指差して言う。

「なんで副葬品と同じ扱いなんだよ!俺は!」と玲音は怒る。

「デンドゥール神殿も見たいし、ここに考古学者の卵いるからな、古代エジプトの展示からまわるか?」と廉は聞き流す。

「そうだな。しかし、なんで【ウィリアム】なんだ?」

 さっそく千景が悠貴に聞く。

「俺は、またスルーかよ」

 玲音は密かに拗ねている。

「なんでかなぁ~。なんでなんだろうね」

 悠貴は笑ってごまかす。

「噂では、ここの学芸員がノリで付けて広まった?」と聞いたぞ。

「廉。お前、じじい見たいに博識だな?」

「じじいって………。酷いな、たまたまだよ。千景こそ、色んな意味で俺より、博識じゃないか?じじいの上はなんだ?」

 廉は、フロア案内で場所を探しながら反応する。

「しかし、ここからは悠貴にガイドしてもらわないとな?」

 千景が悠貴にプレッシャーをかける。

「えっ?」

「そうだな。ここはお前の専門だろ?しかも、中世でも近代でもないからな?」と廉も追い打ちをかける。

 悠貴は苦笑いしながら「あまり深くつっこまないでよ?」

挿絵(By みてみん)



 古代エジプトは蘇り信仰の時代だ。

 この世に蘇りを果たした廉にとって無意識下、あまり心地良い場所ではなかった。


 蘇る前の玲音が考古学に興味があったので興味はあるが、死後の世界と生者の世界の狭間に居るような感覚は、無意識下にヒシヒシと感じていた。

 それは、デンドゥール神殿の展示場所で突如交差した。

 廉の周りから突如、人が消え、時が止まった、館内の時計がそれを示している。

 そこに、黒いスーツの男が現れた。

 歩いて来たわけでも、そこに居たわけでもなく、テレビの電源入れれば画像が表れるようにスッと現れた。

「やぁ、久しぶりだね。

 その様子だと、まだ僕の事を思い出せて無いようだね?

 このままでいいのかい?

 何度も言っているはずだよ?

 時は流れていると。

 多分これが君に警告できる最後のチャンスかな?

 この神殿のお陰で姿を現せたけど、その代わり僕の持ち時間は無くなってしまった。

 いいのかい?最後に問うよ!

 "君は誰?君は何の為にここに居る?"」

 そう言うと目の前からスッと消えていった。

挿絵(By みてみん)

 すると周りの人が現れ、時も動きだす。

 廉は何が起こったか?

 先程の言葉の意味が分からず、その場に立ち尽くす。


「廉?廉!どうしたの?顔色悪いよ?」

 玲音はいち早く廉の様子がおかしいことに気付く。

「どうした?廉!大丈夫か?

 玲音、座れる所を探してこい。

 潤、水を買って来てくれ。

 悠貴、廉が倒れ無いように反対から支えてくれ」

 千景は適切な指示を出す。

「千景、あそこに座れるよ?」

「廉、歩けるか?」

「大丈夫だよ。ちょっと立ち眩みしただけ」

「取り敢えず座れ」

「座って」

「千景。水なかったけど、炭酸水あったからこれではダメ?」

「いや、いい。ありがとう」

「廉、これをゆっくり飲んでリラックスしろ」

「玲音ちょっと見てろ。

 親父に電話でどこの病院がいいか聞いて来る」と言ってその場を離れようとすると、廉が千景の上着を掴んで離さない。

「大丈夫だよ?また病院に縛り付ける気かよ。NYまで来て病院巡りは御免だよ」

「しかし、もう2度目だろ?」

「ちゃんと意識は有るだろ?

 たいしたことはないよ。

 それとも千景は無理矢理、俺を病人にしたいのかよ?」

 玲音と千景がアイコンタクトをとる。

 玲音はそっと廉から離れ母親に連絡する。



 連絡を受けてメアリーが来た。


「大丈夫?立てる?」

「大丈夫です。たいした事無いんですよ?

 ちゃんと意識もはっきりしているし、

 大騒ぎしすぎです。

 ちょっと立ち眩みしただけです。

 鉄分不足かな?ハハハ」

「取り敢えず、ホテルで休んだ方が良いわ、車を呼ぶから」

「すいません、仕事の邪魔して」

「何いってるの?」

「千景君、廉ちゃん診ててあげてね。車呼ぶから、玲音ちょっと手伝って………」

「うん」

「メアリーと玲音が離れて行った」

「玲音、パパに連絡して五十嵐先生に廉が病院行きたがらないけど病状言って大丈夫か聞いて貰ってくれる?

 あと話しが有ったのよね?それは一番後でホテルで聞くからそれでいい?」

「うん、わかった」

「では、お願いね」


 廉はタクシーで千景と一緒にホテルに帰った。

 皆一緒に帰ると行ったが、折角の美術館なんだからゆっくり見てくればいいと廉が一緒に帰ることを頑なに拒否したので仕方なく残った。

 千景は廉を睡眠薬で眠らせ、時宗から連絡を受けた父親と話している。

「あぁ、今は睡眠薬で寝てる。発熱はないよ。

 気になるのは発作がNYに来て2回目なのと、顔色の悪さだけ。

 1回目は見て無いけど玲音の話しでは………」と知りうる限り詳しく症状を言う。

「診察してないからなぁ……。話しから推察すると環境が変わったのと時差が影響したのかなぁ。

 どうしても病院には行きたがらないのか?」と五十嵐は聞く。

「あぁ、絶対に嫌だと言ってる」

「取り敢えず、発熱や立って居られない程の頭痛や吐き気が無ければ大丈夫だと思うが千景。傍にいて気を付けおけ、いいな?」

「わかってるよ」


 夕方になって廉が目を覚ますとノートパソコンの前で寝ている千景がいた。

「千景、千景。風邪ひくぞ!寝るならベッドで寝ろよ?」

「ん?廉、起きたのか?」

「あぁ」

「気分は?」

「大丈夫だよ。それより千景の方が寝不足なのではないか?ベッドで寝たらどうだ?」

「廉。人の心配より自分の心配しろよ!」

「俺は大丈夫だよ、ありがとう千景。何時も心配してくれて」

「当たり前だろ。俺に取ってもお前は莫逆の友なんだよ。お前が居なければ、俺の人生は面白く無いだろ?

 それより明後日の観光ルート調べて見たぞ」

「ん?どれどれ」



 玲音達は母親に今朝の事を相談していた。

「廉、倒れそうになったのも、樹里亜のせいで心労かもよ?」とまで言っている。

「でも、よく考えてあげて樹里亜ちゃんだけ1人で寂しかったのかもよ?

 玲音達には潤君や悠貴君一緒に居てくれる人は沢山いるでしょ?

 潤君ならわかるわよね?皆が居なかったから寂しかったのよね?」

「うん、1人は辛いね」

「でも、頼み方があると思うけどな?

 千景先輩が寝てる所、無理矢理起こされて荷物持ちしろって命令されて、あれでは僕でも嫌だな………」と悠貴が言う。

「それにレストランでの態度は廉や潤に恥かかす行為だろ?

 廉が女性に対してあんなに怒るの始めて見たよ」と玲音は言う。

「分かったわ。私が一度、樹里亜ちゃんと話して見るわね。

 だから今日のことは無かった事にしてあげなさい」

「よく言っておいてよ。俺達、樹里亜の下僕ではないんだから」

「分かったわ、そろそろパパ達が戻ってくるわよ?今日はみんなで夕飯の約束をしているんでしょ?そろそろ仕度しましょ」

「分かったよ!廉の様子も見てくるよ」



2.Gathering.


 会議も無事終わりロビーに時宗と加藤と伊集院がやってくる。

「今日は何処いく?そういえば、時宗。会議中に抜け出していたが何かあったのか?」と加藤が聞く。

「あぁ、廉がまた発作起こしたみたいで、和也に相談したんだ」

「大丈夫なのか?」と伊集院が言う。

「あぁ、軽い立ち眩みだったみたいだがNYに来て2回目だからね。本人は病院に行きたく無いと言ってるみたいで、どうしたものかなと」

「あの事故の後遺症は思う以上に深かったんだな」と加藤が神妙な顔付きで言う。

「まぁ。さっき連絡有って寝たらスッキリしたみたいだから、案外疲れかもな?」

「お前が、こんな所まで来ても、こき使うからだよ!」と伊集院が言う。

「参ったな。さて夕飯食べに行くか。

 今日は昨日のお礼に子供達も居るからよろしくな?」

「あぁ、しっかりご馳走してくれ。

 特に廉には精の付くもの食べらしてやれよ!」と加藤が言う。

「お前らな………」


 時宗は応接室に藤堂を呼ぶ。

「藤堂君、齋藤君は?」

「多分、まだ会議室に居ると思いますが」

「君達2人も今日は食事に付き合ってくれないか?用事が無ければだが、玲音達が喜ぶからさ」

「聞いて来ます」

 5分後、応接室室に藤堂と齋藤が現れた。

「有り難く、ご一緒させて頂きます」


「何処の店がいいかな?」

「時宗、雅治に聞くのは間違ってるぞ」

「あぁそうだな?でも誠に聞くのも無意味だった」

『おい。』


「藤堂君、何処かいい店押さえられる?」

「調べて見ます」

「全部で何人ですか?」

「12人?かな?あと車の手配もお願いできる?」

「わかりました」

「統轄長。レストランですが、ここは如何ですか?

 レストランからはマディソンスクエアパークが望めますし。

 ワインはも豊富でプライベートルームがあります」

「流石だな藤堂君、押さえられるかい?」

「店貸切りでなくてもよろしいですよね?

 あぁ、プライベートルームに全員入ればそれでいいよ?」

「わかりました。何時からにいたしましょう?」

「19時くらいでどうかな?」

「分かりました。お取りします」


 さて、一度ホテルに戻って出掛けよう。


 夕刻ホテルのロビーに夕食会に参加するため玲音、廉、千景、悠貴、潤、メアリー、樹里亜が集まった。


 樹里亜はメアリーと話したのか?千景達に一言「ご免なさい」とだけ謝った。

 千景が、何も言わないので廉が「僕も昼間は少し言い過ぎたよごめん」と取り繕うように返した。


 メアリーが場の空気を読んで、「樹里亜ちゃん女性1人で、一緒に行動してくれる人が居ないから色々と誘ってあげてね」と言った。


 時宗達がロビーに帰って来た。

 廉を見つけ傍に行き声をかける。

「廉。気分は?」

「大丈夫です。なんともありません。

 ちょっと立ち眩みしただけなんです」

「そうか、ならよかった。でも、もし次に同じような発作起きたら、今度は廉が何を言おうと、必ず病院に行って貰うよ。いいね?」

「……はい」

 時宗は、ロビーで待っている人達対して

「では、荷物置いて来るから、もう少し待ってて」


 食事会会場

 廉は藤堂の隣に座っていた。

「廉君、体調本当に大丈夫ですか?無理して我満して無いですか?」

「大丈夫ですよ?でも、もし体調を崩とするならパーティ直前にしておきます」と笑う。

「そんなに、パーティ嫌なんですか?」

「千景と違って、わざわざ行きたいなんて思いませんよ」

「まぁ、何事も経験ですよ?普通は出たくても、出れ無いのですから割り切って楽しんで下さいね」

「先輩、明後日の観光なんですが?」

「ん?」

「玲音や千景達もいいですか?」

「いいも何も、そのつもりですが?

 玲音様をホテルに置いていく勇気は私にはありませんよ。ルート決まりました?」と笑う。

「下地だけですが……。明日みんなで決めます」

「そうですか、楽しみにしてますよ」

「十碧。お前、ちゃんと休みとれたのか?」

 目の前に座っている齋藤が言う。

「統轄長が明日、きちんと仕事を済ませて頂ければ私のお休み確定です」

「えっ?私次第なのか?」と時宗は焦っている。

「はい」

「藤堂君、時宗が予定通りの行動することなんて 【盲亀の浮木、優曇華の花】だぞ?」と伊集院が笑う。


「ねね潤。【盲亀の浮木、優曇華の花】ってどういうこと?」と悠貴が小声で聞く。

「うーん?僕もそれは知らないなぁ。廉先輩知ってる?」

「ん?三千年に一度あるかないかの幸運って意味だよ。

 仏教用語だな。【盲亀の浮木】は大海の底に住む 盲目の亀が 、百年に一度だけ海面に出てくる時に海面に浮かぶ一本の木に出会い、しかもその木にあいている穴に入ることが出来る事は奇跡に近い幸運ってことで使われているんだよ。

【優曇華の花】は、三千年に一度咲くという想像上の吉兆の花だよ」

挿絵(By みてみん)

「廉は、よく解釈まで知ってるな?

 誠が言う諺の半分位はレアな諺なのにな」と加藤は感心する。

「たまたまです」と笑う。


「何?俺は、【三千年に一度】しか予定通り行動しない男なのかよ?」と時宗は呟く。


「明後日は、時宗は仕事なのか?」と加藤が聞く。

「ん?一応、休暇扱いになっているが気分次第かな?ママは仕事だろ?」

「半日は、仕事入れてしまったわ」

「なら半日、俺達に付き合えよ」と加藤がいう。

「ん?お前ら仕事は?」

「俺達も休暇を取ったんだよ」と伊集院が涼しい顔で言う。

「なら明日は、俺は三千年に一度のスピードで仕事しなきゃいけないのか?」


「そう言うことだ!」と加藤は笑う。


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