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Eternal Return ~永劫回帰~  作者: 天野 花梨
Daily Activities -in University life-
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The wheels of fortune keep turning.

1.The wheels of fortune keep turning.


今日も元気にバイト君2人は業務に励んでいた。

 本日のメインディッシュ。

【山の様な承認書の仕分け】である。


「廉、 この承認書の仕分けって何が基準なのかな ?」と玲音は書類を一枚一枚見ながら言う。

「ん?取り敢えず、事後処理と事前処理に別けて、後、事前処理の中から重要度によって別けるって聞いてるけど?」と廉も書類を見ながら言う。

「その重要度の基準って曖昧だよね?」と玲音は書類分別箱に書類を入れながら言う。

「そうだなぁ、説明された時は建物とか耐震性や補強工事の申請などのそのまま放置出来ない物は重要度の高いから、申請許可の箱に、何で申請しているのか?分からない緊急度が低くい物は、再検討にそれ以外の微妙なのだけ統轄長判断の箱に入れると言われたけど人によって判断基準は違うな」と廉も書類を書類箱にほおり込ながら言う。

挿絵(By みてみん)


 そこに藤堂がやってきた。

「今日は、承認書の仕分けしてるんですね」


「先輩、これって人によって判断が分かれるよね?

 しかも、何で申請しているか分からない物が、ここまで上がってくる事自体がおかしいよ?」と玲音は藤堂に言う。

「まぁ明らかなのだけ、弾けばいいんだけどね。そう言われればそうだね」

「う~ん、これ親父が判断すれば良くない?

 最後に親父、いや統轄長が判断するなら最初から統轄長がした方が二度手間なくなるよ?」


「因果は巡るか?」と呟き藤堂は笑った。しかもツボに入ったのか笑い転げた。

「ん?因果は巡る??どういうこと?」

「あぁ、ごめん、ごめん。昔は統轄長が仕分けてたんだけどね。玲音様が中等科の時、乱闘騒ぎ起こしてたでしょ?覚えてる?その時、色々と時間を作らなければいけなくなった統轄長の時間確保の為、苦肉の策で秘書室の仕事になったんだよ」

「!」

「玲音!原因はお前かよ!まさしく "The wheels of fortune keep turning. "言葉通りだな?」と廉は呆れている。


 藤堂は笑いが止まらないらしく、涙まで出している。


「どうした?何騒いでいるの?」

統轄長室から時宗が出て来た。

「いえ、何でも有りません」と笑いを堪えながら答える。

「藤堂君、えらく楽しそうだね?」

 時宗は呆れながら藤堂を見るがその傍で承認書の山を見ながら納得いかない顔しているバイト君1人に気付き尋ねる。

「ん?玲音どうした?」

「この承認書の仕分け判断の基準、ファジー過ぎるよ!」

「そのファジーなのは、私が判断するから明確に分かるのだけ弾いてくれればいいのだが?」と時宗は説明する。

「でも、何で申請しているか分からない物がここまで上がってくる事自体がおかしいよ。もっと下の段階で却下すればいいのに!

 事後処理も、もう済んでいるなら、ここまで上がってくる必要なくない?予算降りてるんだから」

「そう言われれば、そうだね」と時宗は息子の指摘に感心する。

「そうすれば、必然に重要度の高い物とファジーな物だけ上がってくるんだろ?

 重要度高いのって結局、緊急度高いってことで事後処理と同じじゃん。ダメって言えないだから、まとめて事後承諾リストかなんか作ってまとめておけばいいじゃん。

 そうなるとここに上がって来るのはファジーな物だけだから、全部統轄長判断じゃんか!秘書室の仕事では無くなるよ」


「なるほどね」と廉も感心する。

「統轄長!何でも秘書室に仕事押しつけ過ぎ!」と玲音が時宗を名指しで批判する。

 藤堂がまた、笑いを押し殺している。

「しかし、そうなると、ゆくゆくは、玲音お前の仕事になるんだか?まぁ廉でもいいんだけどね?」と時宗が言う。

「いやぁ~。俺は無理です。優柔不断ですから判断出来ません」と廉は辞退する。

「廉程の頑固者が優柔不断なもんかよ!適任だ」と玲音は反論する。


「取り敢えず藤堂君、玲音達の言う通り。もう少し承認書の処理方法を考えてもっと効率化を図った方がいいね」

「そうですね。気がつきませんでした」

「でも、バイト君達、今回はちゃんと仕分けてくれよ」と時宗は言う。

「大丈夫です。責任を持って別けます」と廉は言う。

「仕事だからな。ちゃんとするさ」と玲音も書類を見ながら言う。


「それより統轄長、先程の仕事は終わったんですか?」と藤堂が釘をさす。

「いや、秘書室があまりに楽しそうだったので覗いてみただけで………」

「時間が押してるのですから早く片付けて下さい」

「分かってるよ」と時宗は自分の部屋に戻って行く。


 昼前に何とか承認書の山、整理が終わった。

「何か会社って矛盾多いよね?」と玲音が言う。

「何が?」

 廉は不思議そうに玲音の意見を聞く。

「わさわざ過ぎ去った案件をペーパー化して判子押すとか。しかも、代理が押してるし。

 あんな大量の紙の山、資源のムダだよ?

 保管場所もとるしさ。それに誰も見ないだろ?」

「そうだな?そう思うなら、玲音が上に立って廃止していけば良いのでは?」

「う~ん。事務処理ばっかりは、嫌だな~廉に譲るよ」

「俺だって嫌だよ!」


「廉、玲音、お昼食べにいこう」と統轄長室から時宗が出て来た。

「仕事済んだの?」

「あぁ、大丈夫だ、藤堂君も一緒に行こう」

「どこ行くの?」

「食い物の恨みは怖いからなハンバーグでも食べにいこう」と時宗が言うと廉は、大笑いした。


 午後から、藤堂が「すまないけど、このデータ指示してある言語に訳してくれないか?

 英語とフランス語と中国語だか中国語は出来ないんだよね?」

「そうですね。日常会話が成立するほどの理解力は僕には無いですね」

「俺も中国語は苦手」

「英語とフランス語は、お願いできるかな?」

「はい」

「中国語は他に頼むからよろしくね。出来たら教えて」


「玲音、どっちがいい?」

「英語かな?まぁどっちでもいいよ?」

「わかんないとこ、廉に聞くし」

「では、英語を頼むよ」

「俺、フランス語の方をするから」

「はいよ」

「電子辞書欲しいなぁ~」

「そうだな、藤堂先輩持って無いかな?聞いてくるよ」


 統轄長の隣に藤堂専用の部屋がある。

「すいません」と廉がノックする。

「どうぞ」と言われ入ると、凄い書類の山にパソコンと藤堂が埋まっていた。

「どうしたの?何か問題あった?」

「電子辞書貸して貰えたらなと」

「あぁ、そうだな。取り敢えずこれ使って、後で君達専用の購入依頼書を渡すから好きな機種記入して出してね。

 これからずっと使っていくものだから、こだわってね。あともう1ついるよね?」

「いえ、一台で大丈夫です」

「そう?」

「はい。ありがとうございます」と言って廉は部屋出て玲音のもとに戻った。

「貸して貰ってきたよ」

「Thanks!」


 小一時間後

「玲音どうだ?」と廉は玲音のパソコンを覗き込む。

「大体できたよ。ニュアンス迷う部分もあるけど通じると思うな。廉チェックしてみて」

「あぁ、では俺のもチェックして」


 藤堂が部屋出て来た。

「何か飲み物要る?奢るよ缶ジュースだけどね」

「ありがとうございます」

「休憩がてら休憩室までおいで」

挿絵(By みてみん)

「調子はどう?今日中に出来そう?」

「あぁ、ちょうど見せに行こうかと思ってた所でした」

「え?もう終わったの?」

「はい」

「2人とも?」

「うん、廉とチェックし合ったから通じると思うよ?専門用語がちょっと不安だけど」

「そう、凄いな。今日の仕事は終わったのかぁ。どうしようかな?今日はあがる?時間まで居る?」

「どちらでも」

「ちょっと相談してくるね。訳したデータはサーバーにあるんだよね?」

「はい」

「取り敢えず休憩しながら電子辞書どれがいいか調べておいて」

 藤堂は秘書室に戻り

「青山いる?」

「はい、ここにいますが?」

「サーバーに、この文書のフランス語訳あるから目を通しておかしいとこないか見て

 山野、お前は英語訳あるからチェックして。

 それと、柊木。バイト君に他にして欲しい仕事ある?」

「先程のは、もう済んだのですか?」

「あぁ今、青山と山野にチェックさせてるよ」

「予定して居たのはそれだけですが?」

「そう、わかった」

 統轄長室をノックする藤堂。

「どうぞ」

「失礼します」

「どうしたの?また何かあった?」

「あったといえば、ありました」

「ん?」

「バイト君達の仕事全部完了したようなんですが、如何いたしましょう?」

「終わったの?」

「はい、今、青山と山野が確認して居ます」

「そうか、俺の仕事してくれないかなぁ」

「それはちょっと………」

「やっぱりダメかな?」

「ダメでしょ?」

「本人達は?もう帰るって?」

「どちらでもいいと」

「そんなに今日は秘書室は暇だったの?」

「いえ、通常社員が定時までに終わるかどうかの量だったんですが………」

「藤堂君の仕事で手伝って欲しいこと無いの?」

「統轄長が変な気を起こさなければ予定通り仕事は終わりますので………」

「変な気って………」

「あ、いいこと思いついた」

「え?辞めてください」

「何も言ってないぞ」

「言わなくても、ろくでもない事だと解ります」

「藤堂君、ひどいなぁ、取り敢えずここに2人呼んでよ」

「………。分かりたくないけど、わかりました」



2.Successor.


 程なく2人がやってきた。

「廉、玲音、今日の仕事分終わったんだって?」

「そうみたい」

「ならここからの仕事は残業代出すけど、まだする?」

 2人は顔見合わせて頷く。

「するよ」

「そうか、では、そこの机の上に報告書置いて有るだろ?」

「うん」

「それ読んで、矛盾点ないか?理解しにくい所ないか?拾い出してくれるかい?分かる範囲でいいから」

「分かったよ」

「では、よろしくね」


 定時後


(もうこんな時間かぁ~。事務所に居ると疲れるなぁ~。そう言えば玲音達どうなってるだろう?)

 時計を見ながら時宗は呟き内線で藤堂を呼んだ。

「如何致しました?」

「玲音達の様子、見てやってくれる?」

「はい。私も気になってました」と統轄長室を出る藤堂。

(あぁ、玲音と廉にいっそのこと仕事全部任せて楽隠居したいなぁ~。)


 ノックがする。

「どうぞ」

「出来たよ」と2人と藤堂が入ってくる。

「どれ、見せて」

「主観でいいんですよね?」と廉が言う。

「あぁ、専門的な事は私もわからない物もあるからね」

「この報告書の矛盾点は、これだけあると思われます」とリストを出す。

「後、説明不足と思われるのがこの色の付箋、この説明するのであれば、根拠か実験データがあればいいと思われる所の付箋、各々付箋を付けで色分けしてます。

 俺が見たのはこれだけです」

 時宗は思った以上の指摘に唖然としている。

「俺の見たのはこれ、チェックポイントは廉と同じ、指摘ヶ所はこれだけ。

 これでいいかな?」


「あぁ、ありがとう。お疲れさま」と時宗は茫然と言う。

「では帰るよ」と玲音は言う。

「あぁ、気をつけて帰りなさい」

 2人見送った後、時宗は藤堂と2人でチェックしている。

「藤堂君、俺、早々にあの2人に会社任せて、会長として楽隠居してもいいかな?」

「その場合、私も顧問かなんかで楽させて下さいよ!」


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