This isn't happening! This can't be happening!
1.Independent study.
フロンティア学園はエスカレーター式の学園であるが一応、高等科と大学、大学院に進む為には入試試験がある。
大学入試にいたっては、全般的学力より自分の目指す分野の基礎知識と適性が試される。
千景はドイツ語で行き詰まっていた。
明治以降から戦前までは日本の医療界ではドイツ語が主流で使われていた名残で医学部の受験科目にドイツ語が入っていた。
千景は理系で文系は得意とするものは少なかった。その中で語学は一番苦手としていたが、日本語、英語の成績は玲音達には及ばずとも優秀だったがそれ以外の言語に関しては平均より上的なものだった。
平均以上は軽く点は取れるので入試に引っ掛かる心配は無いのだが………。
千景は、学園の校庭の裏庭で何時も様に昼寝をしている廉を見つけ駆け寄る。
「廉!今日の夕方は何か用事が有るか?」
「ん?用事と言うか、今日は定期検診だよ?こないだ忘れてて、お前にかなり怒られただろ?」
「あ~。そうだったな。それなら夜でもいいんだが?」
「ん?なんだ?」
「ドイツ語の分からない所を教えて欲しいんだよ」
「それはいいけど………。夜は考古学研究部で潤と美里ちゃんの壮行会するの段取りを決めるとか言って無かったか?」
「あ~ぁ。そうだったなぁ~」
「俺が病院行っている間、玲音に教えて貰えよ?俺が言っておいてやるぞ?」
「パンダかぁ~。パンダねぇ~」
「嫌なのか?玲音は美里ちゃんにフランス語を一から教えて留学するための試験に通る位上達した実積があるぞ?」
「う~ん。パンダは男と女では教え方違うだろ?」
「なに言ってるんだ。そういうお前も同じじゃないか?」と廉は笑う。
「いや、俺は別け隔てなくだな」
「嘘つけ、まぁいいや。次の授業何だっけ?」
「英語?」
「英語かぁ~。お前の学力ならさぼっても大丈夫だな?」
「図書館に行くぞ?ドイツ語の教科書持ってこいよ?」と廉は立ち上がり制服のしわを直し図書館に向かう。
先に廉は図書館に入って窓際の何時ものお気に入りの場所に座り外をボーッと眺めていた。
すると、隣に誰かが座る。
「廉、また授業はサボり?」と話しかけて来たのは玲音だった。
「うぅん!?玲音は、なんでここに?」
「ん?美里ちゃんが留学前にもう一度フランス語の復習と生活習慣や風習を聞きたいと言うから待ち合わせ。廉と違って担任の許可は取ってるよ?」とヒラヒラと小さな紙切れを廉の目の前にちらつかせる。
「あぁそう。ちなみに俺も授業に無理して出なくてもいいと言う校長先生の許可あるぞ?」
「……………。それは体調が悪かったらだろ?そんなに体調悪いなら今日放課後は定期検診だよな?五十嵐先生に調子がすこぶる良くないと電話しておくぞ!」
「いや、待て。早まるな!玲音落ち着け!」
2人が騒いでいると
「ん?パンダが何故ここに?」と千景が教科書を持ってやって来た。
その後に美里ちゃんとどういう訳か?樹里亜までやって来た。
玲音が「なんで樹里亜まで?」と明らかに顔をひきつらせて聞く。
「樹里亜ニュースキャスターとして世界中飛び回る為には、色々な語学を学んでおきたいってだから一緒に」と美里はにこりとして言う。
「あぁそう。樹里亜は、廉が教えてくれるよ。校長先生のお墨付き有るからさ」
「おい!」
「パンダ!廉は、俺にドイツ語教えるんだよ!邪魔するんじゃ無い!」
「私は別に何語でもいいわよ?」
「え?」と廉と千景は氷つく。
結局、玲音と美里は隣の机に移動し、フランス語の勉強を。千景と樹里亜は2人並んで廉と向き合いドイツ語の勉強をすることとなった。
気が付くと放課後になっていた。
「あっ、千景、樹里亜。悪いけど後は2人でやってくれ、診察に行かないと怒られる。悪いな」と言って廉は立ち上がる。
「え?廉まだ聞きたい所有るんだが~」と千景は言うが
「2人で教え合えば分かるだろ?それだけ理解していれば入試には引っ掛からないよ!ドイツ文学専攻しない限りはな!頑張れ!」と立ち去った。
残った2人はドイツ語の問題集を解きながら雑談をしている。
「そういえば樹里亜は寮出たら実家に帰るのか?」
「いいえ、実家からだと大学も研修先のテレビ局も遠いからマンション借りるわよ」
「ふーん。美里ちゃんは3年間はフランスだろ?
あっそうだ、卒業式前日、美里ちゃんと潤の壮行会するからな。ちゃんと予定開けておけよ」
「ええ、分かっているわよ。でも美里の留学は最長で2年よ。それよりあなた達は寮出たら実家に帰るの?」
「いやパンダ達とマンション借りてシェアリングするんだ」
「そう。相変わらずなのね。年1回の遺跡調査の手伝いはどうするの?」
「続けるよ?無理の無い範囲でね」
「なら、ちゃんと早めに連絡よこしなさいよ!」
「はいはい、分かってますよ。結局午後からの授業は全部サボってしまったなぁ~。まぁ仕方ないかぁ~。
樹里亜、俺もそろそろ帰るわ~。またな。
パンダ!俺は部室に行くぞ?お前はどうする?」
「あぁ、こっちも終わったから俺も行くから待ってよ!」
「早くしろよ!」
千景は図書館の出入口に立つ。
玲音は急いで荷物をまとめ千景の後を追うように逃げて行った。
女性2人図書室に残り、雑談に入る。
「樹里亜は、もう引越し先のマンションきまったの?」
「ええ、テレビ局の近くに決めたわ」
「そっかぁ~。樹里亜が1人暮らしなんて出来るの?」とからかうように美里が言う。
「出来るわよ!それにハウスキーピング頼むから大丈夫よ、それより美里のホームステイ先は?」
「うん、決まったよ!玲音さんのお祖父様の知り合いがフランスに居るからそこに。
そこの家族は、元々英国人でフランス語と英語両方が出来るからフランス語に困っても英語さえ話せればなんとかなるって。
それに、そこの家のお嬢さんで私達より3歳年上の女性も居るみたいだから、何かと相談にのってもらえばいいのでは?って玲音さんのお母様が頼んでくれたの」
「そう。それは良い所見つかって良かったね」
「うん。でも当分みんなと会えなくなるのは寂しいなぁ~」
「2年なんてすぐよ。それより美里は大学卒業したらフランスにある企業に勤めるの?」
「ううん。一応、櫻グループ資本で日本拠点のアパレル企業に希望出しているよ」
「そう。なら叔父様の目に留まるように頑張らないとね。ちゃんと約束通り私の専属デザイナーになってよ!」
「うん。がんばるよ。ねね、購買棟でお茶しようよ!」
「そうね。そうしましょ」と女性2人も図書館を後にしていた。
2.Fire drill.
翌日の放課後
美里と潤の壮行会の準備の為に玲音、廉、千景、悠貴の4人が部室に居た。
「ここの部屋は当分の間、悠貴専用部屋になるのかよ。贅沢だな?」
「そんな事あるわけないじゃ無いですか!伊集院教授の資料部屋ですよ!考古学準備室手狭になって来てたからちょうど良かったとか喜んでましたよ!」
「そう言えば、昨日学園に加藤さん来てたよな?」
「あっ、話反れるけどさぁ~。昨日火災訓練が有ったみたいで面白い事件起きたみたいだよ?
ねっ?悠貴説明してあげてよ!」
「うん、先輩達が図書館で授業サボっている時、学園全体の大きな火災訓練が有って 職員室から出火、全学園の生徒が校庭に避難後、職員で消火活動と言う想定で消火訓練も有ってさ、その消化活動訓練に参加したのが伊集院教授と加藤さんをはじめとする小中高大学の選ばれた担任教員6人だったんだけど……」
「ん?そんな大きな火災訓練なんか有ったのか?そんな予定は聞いてないぞ?俺」
廉は、頭を傾げる。
「掲示板にでかでかと1ヶ月前から貼り出されていたよ!掲示板位見とけよ」と玲音は言う。
「その訓練でさぁ。廉先輩と千景先輩無断で授業抜け出しているから避難場所の校庭に生徒全員が揃ってないと大騒ぎになってさ。
おかげで避難完了予定時間を大幅に遅れても先輩達の行方を探していたよ?
結局、居場所が分かんないからさ、その後の消化訓練にも移れなくてさぁ~。
校長先生の鶴の一声でまあ、【これ以上は】って事で、玲音先輩は届出を出して居たから玲音先輩達と一緒だろうと。訓練がこのままずるずると時間がかかっても訓練にならないと………。
校長先生が判断して消火訓練に移る様にしたんだよ。」
「あ~そういえば………。校長先生に呼び出しくらってたな俺………。千景は呼び出されたか?」
廉は嫌な予感をさせながら聞く。
「ああ、放課後お前と一緒に行いとな。取敢えず話聞いてから一緒に行こう。廉」
「うむ」
「職員室の隣は校長室でしょ?校長先生昼休み過ぎに部屋の空気の入れ替えの為に窓を開けてて、そのまま閉め忘れていたんだよね~。
本来は校長室側から放水するから角度的には校長室に放水が入る事はないはずだったんだけど………。
『時間無いからさっさとするぞ』って加藤さんが段取りとは違う反対側から行う様に言って………」
「まさか?校長室に放水し水浸しになったのか?」
「うん、放水方向がまともに校長室の開放していた窓に直撃してさぁ~。
伊集院教授がホースの先を持ってて他の先生4人がホースを押さえサポートしながらホース捌く係で加藤さんが消火栓のバルブ開ける係だったんだけど………。
加藤さん一気に消火栓を全開にしたんだよねぇ~。それで急に水の勢いが強くてホースが踊って4人の先生達はホースにはじかれて伊集院教授も何とかホースを押さえるだけで精一杯でコントロール出来ず………。
しかも押さえた方向が校長室の開放した窓に直撃でさぁ~。
ある生徒が窓が全開な事に気付いて叫んだから直ぐにバルブの栓を閉めたけど全開していたからさぁ~。時間かかるよね?水量も凄いし。
校長先生は、不幸な出来事だとは言えかなり怒ってたよ?
でもあんなにも見事なまでに校長室を水浸しするとはね………」
「玲音、お前校長室に行って見たのか?」
「うん。昨日寮に帰る前にその話聞いたから、ゆうだい校長先生を慰めにね。
凄かったよ?机も書類も水浸しでパソコンも壊れたみたいで、ゆうだい校長先生の長年の数学研究データもぶっ飛んで困っていたから今、潤が取り敢えずデータ抜けないか?直せないか見てるよ?」
「それで今日は潤とは一緒に居ないのか?」
「うん。俺が頼んだからね」
「………。しかし、これって俺達のせいでも有るのかな?」と廉は、千景に問いかけながら真剣に悩む。
3.Acts of God.
廉と千景は、おそるおそる校長室に出向く。
「失礼します」と2人はノックし、入る。
すると校長室には、伊集院と加藤と潤が居た。
ドアを開けて2人は校長室の変わり様に驚く。
「あぁ。君達2人か?少し待ってくれるかい?取り敢えず入って……。
雅治、誠、あのソファここから出して校庭で干して来い!」
「兄貴。もうあれは干してもあれだけ水分吸っていれば中のスポンジまでびしょびしょで、内部にカビが生えたりするからダメだよ。買い替えろよ!」
「なら雅治、お前が金出せよ!」
「………」
「取り敢えず破棄するにも、この部屋から出せ!廃棄する大型ごみは明後日、業者が取りに来るから体育館裏にまとめて出しておけよ!」
「分かったよ」と2人は渋々ソファを運び始めた。
「さて、廉君、千景君。見ての通り取り込んでいるんでね。
座って貰う事も出来ないだけどね、要件を率直に言わせてもらうよ?
授業をサボっると言うのは如何なものかな。
廉君、体調悪く自習するにしても、担任に居場所を伝えて置いてくれないとね。届さえきちんと出せば自習は認めてるはずだよ。但し生徒の所在や、行動は学園としては把握しておかないとね。
もし、本当の災害が起きたの時、君達が避難したか取り残されて居るのか?把握出来ないだけではなく、捜索隊員が存在有無わからずに現場に投入されたり、他の皆の誘導とかに支障きたして生死に関わるからね。
それに、災害を問わずもし、生徒が何かの危険に遭っていても、どこにいるかわからないとね?
特に廉君、君が倒れていてもどこにいるかわからないと発見が遅れて………。最悪の事態のを招く危険性十分にあるからね。
これからはきちんと届出は出してもらうよ?いいね?」
「はい、すいません」と2人は頭を下げる。
「まぁ、自習勉強していたようだからね。 全くサボって居たわけでも無いみたいだし それに、購買棟や図書館にはアナウンス流れなかったみたいだからね。これからは気を付けてくれよ?」
「はい。申し訳ありません」
2人はまた声を揃えて深々と頭を下げる。
「もういいよ。俺からの言う事はそれだけだ」と唯野は言ってまた、変わり果てた部屋を見渡し整理しはじめる。
「校長先生?良いですか?」と潤が言う。
「ん?潤君、何とかなりそうかい?」
「う~ん。殆ど瀕死の状態ですから………」
「何とかならないかな?」
「校長先生、良かったら俺達も手伝いますよ?データ抽出位なら」と千景が申し出る。
「ん?何とかなるなら、お願いしていいかい?」と唯野は藁にもすがる様子である。
「はい」と2人は返答し千景が潤に状態を聞く。
「潤、何とか小一時間電源だけでも入らないか?」
「それは出来るけど……。いつ落ちてもおかしくない状態だよ?それにシステムが何処まで動くか?」
「校長先生欲しいデータの優先順位教えて貰えますか?」
「あぁ」
「取り敢えずこのパソコン考古学研究部の部室に運んでそこのパソコンと繋ごう。
校長先生も一緒に来て貰えますか?」
「あぁ、データを取り出して貰えるなら喜んで何処にでも……」
「廉、潤。運び出すぞ?」
「了解」
そこに加藤達が帰って来た。
「雅治、誠。俺は考古学研究部の部室に行くから、ここの片付けをさぼるなよ!」
「はい、はい。分かってるよ!」
「返事は1回でいいんだよ!」
「あぁ!考古学研究部のパソコン!兄貴!俺が使う予定なんだが………。もしかして兄貴が使う気?」
「誠が俺のパソコン新しいの買ってくれるなら必要無いな?」
「…………」
「教授パソコンは、3台有りますから。
俺達が卒業すると当分の間は、悠貴1人になりますから1台は、校長先生のパソコンにして、もう1台は教授が使っても構いませんよ。
卒業までには部活の遺跡のデータ1台にまとめて置きますから」
「あぁ、ありがとう」
千景達が校長室から去った後、校長室で残された2人
「参ったよなぁ~。昨日、玲音君が現れて潤君に頼んでくれなければ、兄貴に殺されるかと思った。ちゃんとデータ取り出せるかな?」
「千景が出てきたなら何とかなるだろ? しかし、なんでよりによってここの窓の中に放水するんだよ!それに放水訓練より普通バケツに火を起こして消火器で消火訓練だろ?誰だよ変えたのは」
「お前が急にバルブ全開にするからだろ?それに、完全に忘れているようだが、毎年消火器でバケツの火を消す訓練も飽きたしもう少し高度な消防訓練の方が実際に置いても役にたつ、時間割くならそういう放水訓練もするべきだとお前が言い出したんじゃないか?」
「えっ?俺だっけ?まあそれはおいといて。俺はバルブの栓はゆっくり開栓したぞ?消防士がバルブは全開まで開栓しろと言ってたじゃないか?しかもなんで5人もいて4人が弾かれるんだよ!
兄貴も兄貴だ!窓位閉めろよな?
分かるかよ!俺達の方向から窓開けて居るのかなんて!
俺らを怒るより、あの4人を怒れよな?何もせず唖然としてただ立ち尽くしていただけなんだからさ。
しかし、ここの家具類は殆ど廃棄になるよな?こんなに水浸しではテレビとかもダメだろ?俺達が調達しないといけないのか?
それより、あの4人はどうしてここに居ないんだ?」
「あの4人は、昨日事件直後からこの部屋に溜まった水を夜遅くまでかけて吐き出して居るからな。今日は俺達の番だとさ」
「あ~あ、ついてねーなぁ」
「あ!考古学研究部からソファ取ってくるか?樹里亜君の趣味でちょっとなんだが、あぁそうだ!あそこの珈琲メーカーも凄くいいやつなんだよな?ここに置いて置くか?」
「あそこは俺が非常勤で来たときの控え室なんだよ!勝手に決めるなよ!俺も副顧問なんだから十分に使う権利は有るだろうが!」
「いや、あそこは悠貴と俺達しか入れないから考古学の書庫にするぞ?」
「あほか!俺の控え室が無くなるだろうが!お前はちゃんと準備室が有るんだからいいだろう!絶対に許さないからな!」と2人が言い合いしているとドア開く。
「お前ら!日本語が理解出来ないのか?
俺はさぼるなよ!と言ったよな?
"Stop slacking off!"
今日は、ちゃんと片付け終わる迄は帰さないからな!」と唯野が怒鳴る。
「分かってるって。
"We are not slacking off.(サボってないよ)"
それにあと少しで片付終わるから大丈夫だよ!」と2人は渋々作業に戻る。
唯野は机の引き出しから何かを持ち出し、また部屋を出て行った。
唯野の机と椅子、接客テーブルと本棚以外はほぼ廃棄し、校長室の片付けは終った。
「明日壁紙の張替に業者が来るんだよな?」
「あぁ、そうらしいな。この兄貴のお気に入りの数学時計無事だったんだな?」
「それな?パッと見、すぐに時間が分かんなくて時計として意味あるのか?
しかも、これの意図が数学好きでないと意味わかんねぇだろ?特に1時のルジャンドルの定数とかマニアックすぎるぞ?」と話して居るとまた校長室の扉が開く。
「なんだ時宗か?お前暇なのか?」
「暇な訳あるかよ!兄貴が昨日電話かけて来てお前らがまた何かしでかしたと言うから、移動途中に様子見に寄ったんだよ!」
時宗と藤堂が校長室に入ってくる。
「これまた。凄いですね。どれだけの水をぶちまけたのですか?」と藤堂は率直に聞く。
「まぁ想像に任せるさ。でも1つ言っておくが今回は俺達のせいでは無いからな? "Acts of God"だよ!」
「時宗はまじまじと周りを見ながら【不可抗力】ねぇ………。ところで兄貴は?」
「考古学研究部の部室さ。長年の研究データをオシャカになったパソコンから引き出す為に色々と玲音達とやっているよ?」
「取り出せなかったら兄貴、怒り狂うぞ?」
「いや、もう怒り爆発させているからな。昨日から機嫌が悪いの何の」
「まぁ、そりゃそうだろうな。このありさまではな?俺達はこのまま帰るよ。兄貴に来た事だけは伝えてくれ。
藤堂君、次の目的地に行こう」
「はい」
「おい。折角来たんだからゆっくりしていけよ?ついでに俺達の手伝していけよ」
「忙しいだんよ!遊んで時間なんて無いよ!
訪問先が後3ヵ所も残っているし、それに私は、とばっちりは受けたくないしな。
そう言えば雅治、定例会の報告書早く出せよ!毎度も同じ事を言わせるなよ!」
「俺だって、仕事したいが兄貴に勘当されるのも困るからな」
時宗は溜め息をつきながら去って行った。残った2人は部屋を見渡しながら
「さて、後は無事に長年の研究データ抽出を祈るのみだな?しかし、この部屋ソファ無いのは辛いな?」
考古学研究部部室
「取り敢えずハードディスクにこのパソコン繋げました。どれだけのデータが活きているか?ですね」
「何とか、頼むよ?」
「やってみます」
「ゆうだい校長先生そんなに大切なデータなのにバックアップ取って無かったの?」
「う~ん。数学は閃いたらメモしてメモを画像に保存していたからね。ふつうはメモ紙を集めたノートを使っていて、それは完全に水に浸ってダメだし、バックアップ代わりがこのデータなんだよ」
「ふーん。そうかぁ~。そりぁまた災難だね?」
「かなりダメージ酷いので修復かけながら拾える物だけ拾いますね。ファイル名等は後でつけ直してください。
廉、データサーバーに入れるから修復してくれ。パンダ廉が修復したデータの画像データ拾い出してプリンターから出力しくれ」
「はいよ」
小一時間で約8割のデータは修復成功したが2割はダメだった。
「ねね?ゆうだい校長先生?これさぁ~ここ、こう考えたらダメなの?」と出力した唯野の研究データを見ながら玲音が聞く。
「ん?」
「ここ、こうしてさ、こう考えたら?」
廉がそれを見て「その考え方だと、ここで矛盾する。
まだ、ここをこう考えて、こうした方がシンプルだ。
しかし、ここをどう証明するかだな?」と二人が出力した紙に落書きし各々が言い合う。
それを聞いていた唯野が先程までとは別人の様に目が輝き
「あーぁ、そうか!その手があったか?
悪いけど紙とペン貸してくれるかい?」
二人の落書きを見ながら言う。
「はい。どうぞ」と渡すと唯野は一心不乱に数学を解き始めた。
1時間後
「やった。やっと解けた!解けた!後は細かな証明するだけだ。
ありがとう!廉君、玲音君!千景君も潤君も、悠貴君も!
私は、この証明まとめるから部屋に戻るよ。ありがとう!」と唯野は来た時とは別人の様に上機嫌で部屋を出て行った。
「ゆうだい校長先生パソコンは良いのかな?」
「あの問題さえ解ければ良いみたいだな?」




