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Eternal Return ~永劫回帰~  作者: 天野 花梨
Daily Activities -in High school life-
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Boys, be ambitious!

1.Boys, be ambitious.


 放課後の教室で潤は荷物の整理をしている。

 そこに悠貴がやって来て話し始める。


「潤!」

「ん?」

「アメリカに留学するの?」

「うん、申請が通ったみたいだからね。

新学期からはアメリカだよ。ちょうどいい機会だから飛行機の免許とか取りたいしね」

「俺も飛行機免許は欲しいなぁ」

「悠貴も申請してみれば?」

「アメリカでは日本語通じないからなぁ。先輩達のスパルタで何とか分かるようになって来たけどさぁ。俺はまだまだだし………。

それに毎日、日本語を聞かないと心が癒やされないよ」

 潤は苦笑している。

「何ヵ月、行っているの?」

「取り敢えず、今回は半年かな?」

「寂しいなぁ、潤が居ないと」

「先輩達が居るじゃないか」

「最近は忙しいらしく、なかなか構ってくれてないんだよなぁ~」と言って悠貴は近くの椅子に座り込む。


「潤はさあ、なんでそんなに宇宙にこだわるの?

初等科に入ってからずっと、ぶれてないよね?」

「そうだなぁ~。悠貴には言って無かったけど、機械設計士にも心動いた時も有ったよ」

「え?そうなの?」

「うん、物を作る事好きだからね。

部活に3Dプリンター買って貰ったでしょ?あれあれば、自分で部品設計して試作品作れちゃうからね。強度は無いけど…。

 自分の思う物を形にして動かす事できるなんて楽しいからさ。だから少し心揺らいだけどね」と言って潤は笑う。

「潤は、本当に物を作るの好きだよな?」

「でもさぁ、それは誰でも出来ると言うか、僕でなくても出来る人多いでしょ?

 ハードルが低いというか。それに、今で無くても、年取ってからでも十分できるからね。

出来る事なら自分のやりたい事の中で一番難しい事にチャレンジしたいな。

 宇宙には選ばれた人しか行けない。年齢的な制限もある。あの玲音先輩だって、選ばれないと行けない。まぁそのうち、お金出せば誰でも宇宙旅行に行けるようになるだろうし、玲音先輩なら実力で宇宙飛行士にでもなれそうだけどね。

 でも、自分は違う。どんなに努力しても、叶わない人が多い中、自分が何処まで頑張れるか?試して見たいんだ。

 宇宙飛行士育てるのは、かなりのお金かかるでしょ?

 しかも人類のロマンの為に、みんなが投資してくれているようなものではないかな?

 未知数の人類の希望と可能性を背負って宇宙に行ければ、それは地球単位で与えられた勲章じゃないか?と思うんだよね。


 今の時代テレビとかで宇宙から見る青い美しい地球を見る事は出来るけど、自分の目で見ることが出来たら、それまでのどんなに苦しい訓練も、宇宙への恐怖も全て消え去り、それ以降の人生への自信になると思うんだ。

 宇宙と言う場所はまだまだ未知なる事が多いし、真相は誰も知らない。

 ねぇ、悠貴は知ってる?

月の裏側には地球から見えるマグマ跡のあの模様は無いんだよ?最初に確認した宇宙飛行士はびっくりしたろうね。

誰もが想像してない発見だからね。

 世界的大発見を一番最初に見れるなんてすごい事だと思わない?

 悠貴が、海底で玲音先輩とあの遺跡を発見したように俺も宇宙で何か大きい発見をしてみたいんだ。

 宇宙は人類史上最大の冒険場ではないかな。

そこで冒険出来るならこれ以上の幸せは無いだろ?

 悠貴はこの地球上で冒険して、僕は宇宙から冒険が出来ればいいね」

普段口数の少ない潤が目を輝かせながら夢を語る。


挿絵(By みてみん)


「そうかぁ~。そうだね!潤なら絶対になれるよ!」

悠貴は友人の活躍を願い期待を込めて賛同した。

「なれるかな?なれるといいな?」

潤は笑いながら未来に希望を抱く。



2.The universe.


「ねえ、潤。あの月の裏側はなぜ地球から、見えないの?なんで裏側と表側では模様が違うの?」と悠貴は不思議そうに潤に聞く。

「月の【表面】すなわち地球から見える面を常に地球に向けながら一回転(自転)し、地球の周りを一周(公転)しているんだ。

 月の自転の日数は27.32日、公転の日数も27.32日。

自転と公転が同期シンクロナイズしてるんだ。

 つまり、地球を一周する間に、月も一回転するから何時も同じ部分が見えるんだよ」と潤は言う。

「へぇ~。では、裏側と表側で違うのは?」

悠貴の好奇心は膨らむ。

「う~ん。それは、俺には解んないな?先輩に聞いて見ようよ?知ってるかもよ?

 昔、【宇宙の果て】とか、【ワームホール】や【ブラックホール】について調べていたからさ」と潤は玲音達に問題をふる。


 2人の少年は教室から移動し、部室に訪れる。

 案の定いつものように部室でくつろいで居る先輩3人に先程の質問を投げ掛ける。


「ねね、先輩!どうして月の表側と裏側ではあんなに見え方違うの?」と潤が言う。


「えっ?」

思わぬ質問に廉と千景と玲音は固まった。

「う~ん。月と地球の自転と公転が一緒だから、裏側は見えないだろ?見えない事がどうしてか?なんて俺に分かるわけないだろ?」と千景は言い放つ。

「それ今、科学者が一生懸命解明している最中じゃ無いか?表と裏側の様子の違いが解ったのもここ最近だし……」と廉は苦笑いしながら答える。

「これは!ゆうだい先生の出番だ!」と玲音は目を輝かせ立ち上がり言う。

「玲音!【校長先生】と呼ばないと怒られるぞ!それに、【ゆうだい】でなく【たかひろ】だろ?名前はちゃんと呼ばないと」

「親父もいつも【ゆうだいの兄貴】って呼んでるじゃん!校長室に行くよ廉!」と玲音は廉にも立ち上がる様に促す。

「いや、お前1人で行けよ?校長室なんか一般生徒が自由に出入りしていい場所でないだろ?」

「親父から『分かんない事は、なんでも校長先生に聞け』と言われているからいいんだよ!行くよ廉!」

玲音は廉の上着の裾を掴み校長室に向かう。

「おい!離せよ!俺を巻き込むな!質問した潤を連れて行けよ?」

「先輩!よく聞いて来てくださいね~」と潤は手を振る。

「パンダの世話も大変だな」と千景はまたパソコンに向かう。

「玲音先輩は、校長先生が大好きだよね~。恐い先生じゃないけど何時も忙しそうで話かけずらいけどなぁ~」と悠貴は立ち去っていったドアの方を見つめる。



3.太陽は燃えている??


 悠貴と潤は2人が帰って来るのを待ちつつまた雑談をしている。

「ねぇ潤。月で思ったんだけど、なんで空気のない宇宙で太陽は燃えているの?酸素が無いと物質は燃えないよね?」と悠貴がまた疑問を口にする。

挿絵(By みてみん)

「悠貴、お前化学の勉強をちゃんとしているのか?あれは燃焼しているんでなくて核融合起こしているんだ!ちゃんと習ったはずだぞ?」と千景は呆れながら言う。

「習ったっけ?」と悠貴は潤の顔を見る。

 潤は苦笑しながら説明を始める。

「水素は、高温・高圧になると、【4つの水素原子核】が反応し、【1つのヘリウム原子核】が出来る。

これがいわゆる【水素核融合反応】ね。

 水素原子核4つがヘリウム原子核1つに変わる前と変わった後で重さを比較すると、ヘリウム原子核1つの方が軽いんだ。

 合成されることで少し軽くなる。

 それは、質量が余ってしまうことを意味する。余った質量の行き先はエネルギーに転換されるしかないから、このエネルギーは光・熱として放射される。

 だから太陽は光と熱を放っているんだよ。

 太陽の主構成は水素ガスだから水素ガスが大量に集まることによって質量が重くなり、重力によって収縮しようとする。

 だけど収縮すると、中心の圧力があがり、温度も高くなる。よって太陽は、【水素核融合反応】を起こす。

 これが太陽の水素核融合反応の仕組みだよ」

 その説明を聞いていた千景が補足を付け足す。

「宇宙は、ビックバンにより水素とヘリウムの元素だけが作られたと言われている。

 でもこの世界には色々な元素が存在するだろ?

 元々、【原子核は不変の単位である】と考えられて居たが現在は、原子核は分裂や合成によって、他の原子核に変化することが証明されている。

 ビックバンの直後には水素とヘリウムしか無いんだったら、地球上にある様々な元素は今どうして存在するか?どこから湧いて出た?

 その答えは、太陽のような恒星の核融合反応で作られたんだ。

 恒星は太陽と同じように最初は水素からヘリウムを作る反応で燃えている。しかし、長い時間、年月を経ると、いずれ水素が底をつく。そうすると、今度はヘリウムが燃えて、炭素ができる。更に時間が経つと、炭素が燃えて窒素ができる。すると酸素ができる……。

 そうなった頃には、その恒星は非常に大きく膨れ上がっている。恒星の終焉だ。その状態を【赤色巨星】と言う。ちゃんと覚えておけよ」

「ははは………。俺、宇宙科学は向いてないっぽいよ」と悠貴は笑う。

「まぁ悠貴は科学より歴史極めないとね」と潤は言う。



4.先生!質問です。


 校長室


「ゆうだい先生!」と玲音が勢いよく入ると。

 そこには、時宗、加藤、伊集院の3人が居た。

 3人はびっくりして固まり+1人は顔がひきつって居た。

「なんだ。親父も居たのか?」

「なんだじゃない!玲音、ドアをちゃんとノックしてから入りなさい。俺達でなく来賓者だと失礼にあたるぞ!」

時宗は、玲音に向かって小言を言う。

「それは、お前達3人にも言えるがな!」

唯野も3人を見つめ苦言する。


「で?今日は、どんな用件なんだい?この3人が心行くまで相談にのってくれるよ」

唯野が笑いながら言う。

「兄貴!俺は、この案件詰めたら社に戻って仕事しなければならないんだ」

時宗は言い訳をつけて逃げようとする。

「少しは自分の息子と向き合え!」と唯野が怒る。

 加藤と伊集院は既に諦めており溜め息をつきながら「今回は、なんだ?」と聞く。

「うん。何で月の裏側と表側ではあんなに模様が違うの?」とストレートに質問する。


挿絵(By みてみん)


「何でかな?何でだろうね~。この世の中神秘的な事や不可解な事が多いよなぁ~。

 でも、世の中の不思議が全部が全部解ってしまうとさぁ~。この世の中、面白味が無くなちゃうじゃないか?

 摩訶不思議な事がある方が人生楽しいよね?」と時宗は笑う。

「やっぱり、親父では、この問題は無理だよな」と玲音は溜め息をつく。

「いや、玲音。私は宇宙科学者じゃ無いんだからさぁ。そんな科学者が解明するような事に答える事は出来ないよ。

 あっ誠、お前!月は考古学と密接な関係あるから分かるだろ?皆既月蝕とアマテラス神話と邪馬台国の学説とかあるじゃ無いか?」と時宗は誠にふる。

「アホか!考古学と宇宙科学なんの関係も無いだろ?

 あの神話は、卑弥呼死亡した時に皆既月蝕が偶然起こって、神話として語り継がれた可能性の話だろうが!

 まだ海の満ち欠けは月と関係するから雅治の出番だよ!」と伊集院は加藤に振るってはっとする。

「皆既月蝕と邪馬台国とどんなつながり有るの?」と玲音が興味を示す。

「海洋学は、海の生態の学問で、原始の高温灼熱の地球からどうやって?何処から地球表面の70%を覆うほどの大量の海水が出来たかと言う疑問と同じで海洋学ではなく宇宙科学の問題だよ!」


 加藤が誠に反論すると残りの3人は更に不味いと言う表情をする。

「うん、何処から水の惑星と言われる程の大量の海水が出来たの?宇宙空間に水分が有るなら他の惑星でも水が有るはずだよね?」と玲音の好奇心はどんどん広がる。

 時宗が「玲音?宇宙科学を専攻したいのかい?」と聞く。

「いや、別に……。

 たださぁ。潤に質問されてさぁ~。

 何でだろうなぁと。

 知りたいじゃん?

 月の裏側と表側で全く違う訳を。

 海水が何処から発生したのか。

 邪馬台国と皆既月蝕の関係を」

「邪馬台国も海水も増えたのね」と時宗は伊集院と加藤を睨む。

 唯野は溜め息をつき「邪馬台国はさておき、宇宙は、また来週おいで、宇宙学者から聞いておくから。

 でも、この前も言ったが未知の物に正確な答えなど存在しないよ?

【学問】とは、先人達が長い間時間をかけて解明した成果を学ぶ事だ。【研究】とは未知の理の探究だ。

玲音君の質問は【研究】の部類に近い。どうしても知りたいのなら人生をかけて一つの事を探究するしかない。私が教えてあげられるのは【学問】のみだよ。世の中の色々な真理を解明したいなら数学を研究してみてはどうだい?それなら私にも多少力になるよ」と唯野が数学に興味を振る。

「まぁそれはそれで、まず目の前の疑問を【学問】から解かないとね。邪馬台国の事、伊集院教授教えてよ?」

「邪馬台国ならな。宇宙は俺には、無理だぞ?

 それに、アマテラス神話と邪馬台国は単なる学説だぞ?

 資料揃えておくから明後日考古学室においで、ついでに考古学の不思議を沢山教えてあげるよ」と伊集院が言う。

「誠!知りたい事だけ教えればいいんだからな!余計な事は吹き込むなよ!」と時宗が睨む。

「そっか!明後日、考古学室に、此処にはまた来週来るよ~。廉、帰ろう」と玲音は言って去って行く。

 廉も「失礼しました」と校長室から出る。

 残った4人は溜め息をつき『なんで何時も興味の中心は【宇宙学】なんなだ?』と呟く。

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