Become captain of student council.
1.Become captain of student council.
「千景ちょっと」
樹里亜が部室に来るなり千景を呼び出した。
それを見た玲音と廉はまずいと言わんばかりにこっそり後方の窓から逃げようとしている。
「パンダ!廉!俺が戻るまでそこに居ろよ!」と千景が叫ぶ。
「いやぁ、参ったな。俺、すっかり忘れてたわ今日は病院行く日だった」
廉は部室を出ようとする。
「廉。俺が付き添っていくよ。親父からも言われているからさ」
玲音も一緒に、逃げる口実を言ってみたものの。
「病院は明日だろ?俺が把握してないとでも思っているのか!絶対にそこに居ろよ!いいな!俺とお前らは一蓮托生だからな!」と千景に見抜かれる阻止される。
「千景、何してるの?早く顔貸しなさいよ!」
樹里亜はイライラしながら、千景の上着の裾をつかんで引っ張っていく。
「絶対だからな!そこに居ろよ!」
千景は部室の扉付近でたちどまり振り向いて2人に念を押しながら部室を出て行く。
千景と樹里亜は、廊下の隅で立ち止まり向かい合う。
「何の用だ?」
違う意味でドキドキしている千景。
「前に【部活の入部騒動】の時の貸し、まだ返して貰って無いわよね?」
「え?そんな忘れ去られた約束なんか、もう時効では?」
「時効なんて言葉、私の辞書には載ってないわよ」
「ハハハ」
ひきつり笑いしている千景。
「………」
「で、俺達に何をしろって言うんだよ?」
「実はあの時、白夜先輩と取引したのよ」
「ん?」
「サクラ、廉、千景、私で次の生徒会執行部の推薦受けるって」
「え?俺は御免だぞ?」
「あなた部長でしょ?責任とりなさいよ」
「なんでだよ!そんな約束、聞いてないぞ!」
「だからあの時、【貸し】って言ったじゃない?」
「私だってしたく無いわよ。そんな面倒な事。でも、あの時それが条件だと言われたのよ。
千景、あなた部長なんだから、責任持ってあの2人説得しなさいよ!」
「なんで今頃なんだよ!あの時言えば打開策あったかもしれないじゃないか?
俺には絶対無理だ。パンダは何とか誤魔化して、うんと言わせても廉は無理だろ?あの頑固者は絶対に承諾なんかしないぞ?」
「だからこうやって相談しているじゃない?
そもそもあの時、あなた達ではお手上げだったから私に頼んだのでしょ?
今更も何もないわ、諦めなさい」と言い放つ。
「でも、廉は持病で授業もまともに出て無いのに生徒会執行部なんて………。
生徒の信任投票で可決されるのか?乱闘騒ぎ以後、出席日数は増えてはいるが全部出て居るわけでない。
それに、表には出てこないが水面下では不満持っている奴居るんじゃないか?
櫻グループの後押し貰っているとか妬みの様な……」
「大丈夫よ、廉はサクラに負けず劣らず女性に人気あるし、実力もあるし、サクラとセットみたいに皆から認識されているから。
それにサクラの暴走を止めれるのは廉だけでしょ?」
「樹里亜。お前があの2人に問答無用で命令した方が……。
もし仮に、仮にだぞ?俺達が引き受けるとして誰が会長になるんだ?副会長は?」
「それは、私では無いのは確かだわ」
「おい」
「取り敢えず2人を説得するか、白夜先輩を説得しなさいよ。頼んだわよ!」
「おい、無理だって。俺が嫌なのに説得なんか………」
樹里亜は千景の言葉を最後まで聞かずに、その場から去っていった。
千景は茫然と立ち尽くし目眩を感じていた。
部室では、玲音と廉が渋々嫌な予感を感じつつ残ってた。
「ねぇ廉、【一蓮托生】って?」
「一蓮托生も知らないのかよ?結果の善し悪しに関わらず、人と運命や行動を共にして、死後も極楽浄土で同じ蓮華の上に生まれ変わろうと言うこと。【托生】とは仏教語で身を寄せて生きることという意味。英語の諺では "To sail in the same boat."だ」
「日本語の方が意味が重いな。って、死んでも千景に振り回されるの?」
「ううむ。生きて居ても、俺は振り回されたく無いがな………」と2人は話をしていた。
そこに千景が部室に帰って来た。
廉は千景を見るなり「千景。何も言わなくていいから。俺は、面倒は御免だ!」
「そうか。では、何も聞かずに引き受けてくれるのか?」
「おい、面倒は御免だと言ってるだろ?」
「俺だって御免だよ!」と玲音も同調する。
「なら、お前達が断りに行ってくれ」
「どういう意味だ?」
千景は樹里亜に言われた事をそのまま話した。
廉は、無言で大きな溜め息をついた。
玲音は「僕、日本語わかりません」と冗談を言う。
千景は顔をひきつりながら、 玲音の頭を押さえつける。
“Become a student council president!”
「パンダには中国語の方がいいか?」
「玲音。千景を怒らせるなよ!
しかし、どう考えてみても生徒会長に、はめられたな?」
「何すんだよ千景、髪の毛ボサボサになったじゃんか!」と玲音は怒る。
「あぁ、食えない男だよ。相澤白夜は」
「玲音。お前、生徒会長の所に行って断ってこい」
「えー嫌だよ!何で俺なんだよ!そう言う廉が行けよ」
「俺より、お前の方が適任なんだよ。俺が今から言う事をお前なりにアレンジして交渉しろ。お前ならたぶん上手く断われるはずだ」
「えー」
「俺達もついては行ってやるから。でも、お前が交渉しろいいな?」
廉は秘策を話す。
千景は「廉。お前こういう駆け引きは天才だな?」
「お誉めに預かり光栄です。玲音、上手く出来るか?」
「う~ん?俺で無くても廉でも、いいのでは?」
「お前じゃないとだめだよ。それに、こういうのはお前は得意だろ?」
「廉には負けるさ。まぁいいや。でも、もし失敗しても俺は知らないよ?」
「あぁ、その時は玲音が生徒会長になればいい話だ。千景が副会長でな?」
「廉、何で俺が副会長なんだよ!」
「仕方がないだろ?お前が持ってきた話しだ」
「それでいくと千景が生徒会長になればいいじゃんか!」
「パンダ君、絶対に失敗するなよ!」
「さぁ、生徒会室に入るぞ」
2.未来の切符
「失礼します」
生徒会室に先頭を玲音にして3人が入る。
「3人揃って、ここにきたという事は、いい返事貰えるのかな?」
生徒会長の相澤白夜が答える。
「いやぁ、すみませんが、御断りにきました。俺達では役不足です」
「そんな事はないだろ?成績はいつも首位を君達が独占して、中学生で著名な遺跡を発見し、この学校の創設者の息子で、これからもっと大きなモノを束ねていくんだろ?
必要な要件は全て揃っているだろ?この学園で君達以上の適任者は居ないだろ?」
「俺達、先輩が思う条件は揃っているかも知れないけどさ。でも、俺達は自分の限られた時間を仲間以外に使う程、時間の余裕なんてないよ?やりたいことは沢山あるもの。
もし、このまま先輩に半強制的に押し付けられても、俺達は先輩が期待する働きはしないと思うよ?
先輩は櫻グループ内の希望する部署への切符が欲しくて、生徒会やっている部分も少なからずあるんだよね?
俺達はそんなの関係ないから、反対に本当に好きな仕事選べるなら喜んでしてもいいけど、俺達は親父の査定より、他のもっと面倒なしがらみが沢山あるからね生徒会役員しようとしまいと関係無いんだよ?
だからさ俺達のこの学生時代の貴重な自由な時間を取り上げられてもね、困るんだけどな。
まぁ、もし先輩の思惑通り俺達が生徒会の仕事をすることになったとしても、手は抜きはしないけどさぁ~。こんなモチベーション駄々下がりの奴らで執行部固めてもこの学校がよくなるとは思えないよ?
それどころか、こんな俺達に生徒会任して上手く機能しなかったら?
片手間で出来る仕事かどうかは先輩がよく知ってますよね?
俺達の失敗は先輩の人選ミスとして反対に人の能力を見抜く目がないと親父に評価される事になってまずくない?
親父の評価は身内だろうと無かろうと関係無く厳しくする人だよ?その評価で会社が傾いたりする原因に生りかねないと思って居るからね。
それよりさぁ、他にその切符欲しがっている奴、沢山居るんだから、そいつら選びなよ?その方が先輩の期待に合うと思うよ。
あとね、もうひとつアドバイスして置くと部活動を盾にして交換条件にするなんて、そう言うやり方は親父が一番嫌う事だよ?
今回の事は聞かなかったことにするからさ、素直に受け入れてよ?
先輩は出来る人だから、解ってくれるよね?」
玲音は愛想笑いを浮かべながら流れるように喋った。
少しの沈黙の後に、部屋の奥の机にいた相澤白夜はひきつりながら言った。
「そうか、君達の気持ちは解ったよ。そこまで言うなら仕方がない他を探すとするよ」
「快諾していただけて光栄です。それでは俺達は失礼します」お辞儀をし、3人はにこやかに部屋から出た。
「やれやれ、何とか回避できたな?」
部室に向かいながら3人が話している。
「全て俺のおかげだな」と玲音は威張る。
「おい、おい。俺の授けた知恵のおかげだろ?」と廉は言う。
「でも、パンダが生徒会長するのを見てみたい気もするな?」と千景が笑う。
「千景、無理だよ。パンダは寝て、食べて、遊んでいるだけだ。愛想は振り撒きなからな」と、廉が指摘する。
「あ~。そうだったな」
「なんだよ!人をナマケモノみたいに!」
「いやパンダだろ?」




