冬休み計画
1.冬休み計画
冬休みを間近に控えた廉の部屋
「パンダお前、笹買いすぎだろう!机の上が、笹だらけじゃないか?片付けろよ!」と千景が怒る。
「ユーカリもあるよ」
玲音はお菓子を掲げ呑気に答える。
「お前ら、俺の部屋で喧嘩するなよ。なんで何時もここに来るんだ?
部室閉めたら、そのままここに移動してきて騒ぐだけ騒いで、気が済んだら帰って行く毎日じゃないか?少しは、自分の部屋で勉強しろよ」
廉はここに来るのは少しは遠慮しろとばかりに苦情を言う。
「ここでやれば、いいじゃん」
玲音は廉の意図を全く無視した回答をする。
「こんなに騒いでいたら、集中出来ないだろ?」
「大丈夫だよ。潤なんかマイペースで他の事、関係無いもんな?」
「うん、このような事で集中出来ない様じゃあ、爆弾の解体とか出来ないよ?」
「しなくていいだろ爆弾の解体なんて。てか、爆弾なんか持ち込むなよ?」
「そんな法律に関わる事するわけ無いですよ。もしするとすれば、爆弾の回路図設計するくらいですよ」
「おい。それも十分、法律に抵触するだろ?」
「玲音先輩、そろそろスノーボードの季節ですよ!どこか滑りに行こうよ」と悠貴が言う。
「そうだなぁ。あっ潤、スノーモービルとか作れるの?」
「作ると言うか、組み立てですよね?」
潤は満面の笑みで“It's a piece of cake.”と答えた。
「潤?一切れのケーキ食べたいの?」と悠貴が不思議そうに聞く。
「カンガルー、【朝飯前】って事だ!」と千景が説明する。
「朝飯なら食べたよ?ってか、もうすぐ夕飯だよね?」
玲音が不思議そうに、千景の言葉に反応して言う。
「パンダ、【朝飯前】って言葉知らないのか? "Before breakfast "では無くて【簡単】って意味の方だ 。"It's a piece of cake. "知らないのか?」
「"It's a piece of cake. "は知ってるさ。
でも、なんで【すごい簡単なこと】の意味が【朝飯前】になるの?」と質問する。
「 朝飯を食べる前は、空腹かつ時間もなく、力が入らないだろ?。そんな状態の【朝食前でも仕上げられる簡単な仕事】という意味で、【朝飯前】が使われてるんだよ」
千景が言葉に困っているのを見かねて廉が説明する。
「日本語はむずいな………。
それより、あの島、冬になると山頂付近雪原広がるって。
スノボーもスノーモービルもできるね!しかも島1周道路もあって、あそこ当然私道だから道路法適用にならないから、車やバイク乗り放題だよね?」
玲音が楽しそうに言う。
「おじさんと、おばさんが許せばな」と廉は呆れて言う。
「遺跡の発掘の手伝い兼ねて、あの島で遊ぼうよ?」
「また、日本語の使い方間違っている。お前の場合、遊びを兼ねて発掘の手伝だろ?」と廉はまた玲音の日本語の使い方を注意する。
「パンダが雪滑りね」と千景が笑う。
「おじさん、おばさんは、なんていうかな?」と悠貴が心配する。
「外堀から埋めていけば、いいんじゃないか?」と千景が言う。
「外堀?」
「伊集院教授に加藤さんに、齋藤先輩の許可あれば大丈夫でないの?って事」
「伊集院教授から、ちらっと聞いたんだけどね。遺跡とあの島繋がって居るんじゃないかって、齋藤先輩も大昔、人の手を加えた場所が所どころあるって。俺達は今回は島から探索ってことで」
「パンダお前。そう言う情報収拾だけは早いな?」
「だけって、それ以外にもあるもん」と玲音はふて腐れる。
「では、パンダ君。君に大役だ。伊集院教授、加藤さん、齋藤先輩、おじさん、おばさんの許可とりたまえ!」
「おい、全部押付るなー!まあ、親父とママ以外ならいいよ」
「なんでだよ、それが一番取りやすいだろ」と千景は不思議に思う。
「俺より取りやすい奴、いるじゃん」
「誰だ?千景か?」と廉は、言う。
「廉、お前だよ!。まだ、現地行ってないだろ?行きたいと言えば許してくれるさ」
「え?そんな卑怯なやり方やだよ」
「卑怯でもなんでもないじゃん。島に行ってみたいだろ?」
「それは……」
「決まりだな?
俺、計画書作って学校に提出する用意するから、許可取れたら教えてくれ」と千景が部屋を出る。
「スノーボードの手入れしなくちゃ」と悠貴と潤も部屋を出る。
「後で親父とママの連絡先調べて教えるよ」
「そこまでするなら、お前が全部段取りしろよ!」
「効率っていうものあるだろ?また後でくるよ」
「おい、パンダ!笹片付けていけよ!」
「パンダはそんなことしないよ」
「お前!出入禁止にするぞ」
「大丈夫、合鍵あるから」と部屋を出る。
玲音から「全員の了承得た。あと両親だけ、連絡先聞いたからこれ」と連絡先を渡される。
2.交渉
廉は、連絡先に電話をすると藤堂が出た。
「藤堂先輩。お久し振りです。色々ご迷惑かけていますが元気ですか?」
「廉様お久し振りです。体調は如何ですか?」
「仕事だから迷惑とか関係無いですよ。その様な気遣いは無用ですよ」
「【様】は止めてくださいよ。昔は【君】づけだったでしょう?」
「しかし今は、立場上はそう言う訳にはいかないんですよ」
藤堂は両親の事故後、入院中、何度も顔だしてくれた。退院するときも、自分を実の兄貴だと思って、玲音の両親に相談しにくい事でも自分には相談してくれと言ってくれた人だ。
「今はどこに居るんですか?」
「今はブラジルですよ。ちょうど地球の真反対ですね」
「何時まで居るんですか?」
「あと10日ですね。その後オーストラリアです」
「日本恋しくないですか?」
「はは、慣れましたよ。統轄長に御用ですか?」
「はい、でも急ぐ用でも無いから」
「大丈夫ですよ。今、移動中で隣りにおられますので代わりますね」
「すいません御願いします」
背後で「統轄長、廉様から電話です」
「あぁ、ありがとう。この資料NYに送っておいてよ」
「はい」と会話が聞こえた後。
「どうした?体調はどうだい?」と時宗は心配そうに言う。
「大丈夫です。ちょっと相談したい事あって忙しいなら、また後でもいいんですが?」
「いやぁ~。ブラジルの農園地帯のど真ん中だからね。車に乗っている他には何もすること無いよ」
「そうですか?では言葉に甘えて」
冬休みの計画を伝えた。
「誠と雅治はOK出しているの?」
「はい、来たければ来てもいいと」
「そうか、でも、雪山でスノボーとか、私有地とは言えバイク、車の運転はなぁ。
雅治達が付き合えるほど暇とも思えないんだよね」
「それは齋藤先輩とその友人が運転の仕方や雪山案内してくれるって、おじさんとおばさんの許可あれば……」
「そうかい。廉なかなか、交渉上手くなったね」と笑う。
「冬休み中、あっちにいるのかい?」
「できればそうしたいなって」
「ママの許可さえ出れば今年の年末年始はみんなであの島で迎えることにしようか?。藤堂君も付き合わないか?齋藤君といつも過ごしているんだよな?」
「はい」
「じゃあ決まりだな?。今度はスケジュール潰すなよ」と時宗は藤堂に言う。
「それは統轄長の仕事処理次第です」と藤堂が答える。
「ママの許可を出して貰うといい」と時宗は廉いった。
「ありがとうございます。電話してみます」
「冬休みあの島で会おう」と言って電話が切れた。
おばさんの方は「ケガに気を付けてくれれば行ってらしゃい。私も時間調整して島見て見たいから途中参加させて頂戴ね」と快諾もらった。
部室に行って千景から冬休みの計画が発表される。
「樹里亜と美里ちゃんは任意で参加で」と言うと。
「樹里亜は別に大人さえ居れば別行動でもいいのよね?」
「あぁ」
「参加しないわけ無いじゃない?ねぇ美里?」
「う~ん。ちょっと難しいかな?」
「何で?」
「交通費とホテルの宿泊代考えると親が許してもらえないかも」と寂しそうに言う。
「交通費は加藤さんが迎えに来てくれるからかからないよ?
ホテルは玲音のおじさんの経営しているホテルで今は遺跡調査のために貸切りで一般客居ないから料金は発生しないよ。
後、旅行先で必要なものは個人的に限定される物以外は部費で賄えるからお金の心配は要らないけど、美里ちゃんの両親の許可は必要だね。ちゃんと相談してみてね」
玲音にとって生涯で一番楽しかった冬休みが始まる。




