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Eternal Return ~永劫回帰~  作者: 天野 花梨
Daily Activities -in Junior High school life-
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考古学研究部

1.考古学研究部発足



 海底における半月弱の探索での遺跡の発見は異例の早さで、その発見者の年齢も異例なものだった。

 世界中にこの事はニュースに流れ、それに伴って学園の教育方針とスポンサーである櫻グループの名も世界中に広がり、株価もますます上昇していった。


 玲音達少年は、島での探索は終了して学園の寮に帰ってきた。

 それと同時に廉の元に真っ先に見舞いに行った。

 廉は、見舞いに来た皆を見て、

「凄いな皆真っ黒だ。その様子だとお前達、学園の何処に居ても遠くからでも、すぐわかるな」と少し羨ましそうに言う。


「お前が白過ぎなんだよ!。早く良くなって陽の光を浴びろよ!」と千景が言う。

「いつ退院するのさ?」と玲音は寂しそうに聞く。

「俺的には、何時でもOKなんだけどな?」

 廉がそう言うと千景は早く退院しろとばかりに「そうだな、お前が居ないとな、部室が貰えないからな」とほのめかす。

「部室?」

 廉は意味不明な言葉に戸惑う。

「そう、そう、部員5人以上で部室もらえる」と玲音も楽しそうに言う。

「何の部?」

「部の名前は、決めているの?」と悠貴は訪ねる。

「??」

「名前はまだだ。いくらこの学園の寮が広いとはいえ、廉の部屋に、男5人も居れば手狭だからな」と千景は言う。

「俺の部屋は集会所じゃない!」

「うんうん。俺のプライベートルーム」

「おい、玲音!」

「大丈夫!廉も特別に入れてやってるじゃん」

「わかった。では玲音、お前の部屋のカギ出せ交換してやるよ」

「えー俺、寝るとこ無くなるじゃんか?

 それに、俺は、廉の部屋の鍵は既に持ってるし~」

「プライベートルームで寝ればいいだろうが!

 ん?それより、どうして玲音!俺の部屋の合鍵を持ってんだよ!」

「廉、あんまり怒ると体によくないよ」

「それはまあ、おいといて」

「おい千景。おくな!ここではっきりさせないと」

「廉、兄弟喧嘩は後にしろよ」

「!?」

「話しを戻すと、折角遺跡も見つけた事だし、このまま俺達が、あの遺跡調査に参加して行こうとそうすると、学園の許可やパソコンやいろんな機材に資料が必要になるだろ?

 そうすると、お前の部屋に全部置くには流石に狭いからな。だから、部活申請して部室貰うんだよ!

【部活≒学園の許可】だしな」

 千景がやっと廉に説明する。

「部活はわかったが、根本が違わないか?

 何で、俺の部屋に機材を全部置くというのが、前提になっているんだ?そこ、おかしいだろ?」

「お前の部屋以外みんな、狭いんだよ。潤の部屋なんか凄いぞ?寝るとこ以外のスペース無いからな」と千景が言うと潤は照れた様に笑っている。


 廉は違う意味で頭が痛くなってきた。


「千景、一人忘れてるぞ!」と廉は言う。

「?」

 千景は誰の事か分からないようだ。

「樹里亜は誘っておけよ?散々ここで、こき使ったんだから」

 廉が、言うと同時に背後から「そうよ!私を入れなければ、全力で部活の新設を阻止するわよ」と声がする。

 玲音は、急に現れた天敵の様に「うわぁ」と悲鳴めいた声をあげ驚き千景の後ろに隠れる。

 千景は明らかに顔がひきつっている。

「当然さ、樹里亜を勧誘しないなんて事はしないさ、むさい男ばかりの部活なんて考えられないよ。これから相談しようと思って居たんだよな?なぁ玲音?」

 千景は明らかに取り繕っている。

「樹里亜、今日は早いお越しだな?」

 廉は話題は振ったものの、本人が現れるとは思わず焦っている。

「いつも通りよ!」

「…………。そうですかぁ」

「部室を貰ったら、私がインテリアを決めるからね」

『仰せのままに』

 男連中は声合わせて言う。

「ぁあ!俺、親父に呼ばれていたんだった!」と玲音が逃げようとする。

「サクラ!先程、時宗のおじ様は五十嵐のおじ様の所に居たからここに居れば来るわよ」

「え?そうなの?」

「そうよ!」

「後、部員にもう一人入れて欲しいの」

「ん!?」

「秋吉美里、私の親友よ。玲音と一緒に今年の編入試験受けて入ってきたの。だから、夏休みはマンツーマンの補修受けてて、遺跡探索の手伝いは出来なかったの。

 でも、その分私が十分に手伝ったでしょ?だから入部させなさい。本人は学校で改めて紹介するわ」

「樹里亜に同性の親友………。かなり珍しいな………」

 玲音が小さく呟く。

「彼女は特別よ!とても優しい、いい子なんだから!そう言う訳で安心しなさい。廉が居なくても部は成立よ。千景!よろしくね!」

「俺は居なくてもいいのか」と廉が小さく呟く。

「すぐに申請書、書いておくよ。でも、部長は誰がするんだ?」と千景が樹里亜に聞く。

 一斉に周りは千景をみる。

「俺?」

「お前しか、いないだろ?御愁傷様」とまたしても廉は小さく呟く。

「では、私は帰るから後はよろしくね」と言って樹里亜は病室を出ていった。


「俺。まだ当分入院でいいな」

 廉が言うと千景がそうはさせるかと

「廉。お前を副部長にしてやる。

 何が何でも、早急に退院許可も出して貰うからな!

 俺のありとあらゆる手段と特権をフル活用してでも退院させてやる。待ってろ!」

「いやいや俺は、居なくてもいいと樹里亜が………」

「俺も居なくてもいいかな?人数足りるし………」と玲音が呟く。

「樹里亜先輩がクラブ入ると言う事は、ほぼ毎日の様に部室に来るって事だよね?」と潤は1人だけ嬉しそうに言う。

「何か、新学期そうそう嵐が来るなぁ。波ならビッグウェーブ級だなぁ。

 しかし、いくらデカイ波でも流石に俺はこれには乗りたく無いなぁ~」と悠貴は神妙な顔をする。

「俺も入院したいな………」と玲音は呟く。

「あぁ、頭痛がする。目眩も………これでは当分学校はムリだ!

 百歩譲って学園に行ってもこの調子だと課外活動なんて無理だな?」と廉はいいながらベットに寝る。


 潤だけが新学期に心ときめかせ楽しみにしていた。




 以下の部の新設を認める。


『考古学研究部』


 顧 問: 伊集院 誠(考古学講師)

 副顧問: 加藤 雅治(海洋学講師)


 部 長 :五十嵐千景

 副部長 :橘 廉、櫻 玲音

 部 員: 下田 悠貴

  葉月 潤

  藤春 樹里亜

  秋吉 美里

  全 7名



  規定により、305室の部室使用を許可する。


 以上

 フロンティア学園

 校長 唯野 雄大


挿絵(By みてみん)


 掲示板の前


「加藤さん高等科の講師もしてたのかぁ」と貼り紙みながら悠貴が言うと。

「こないだ言っていただろ?大学と高等科の客員講師だってさ。権威ある海洋学者らしいぞ」と千景が説明する。

「何で副部長2名?」と潤が首を傾げる。

「規定で発足時に在学してないとダメらしくて、廉はまだあの時、休学して体調みるか退院して学園に戻って様子みるかと診療方針が決まってなかったからな。

 だから副部長は1名ないし2名となってたから2名入れておいた」

「俺、承諾してないぞ」と玲音は抗議する。

「では、玲音が部長するか?副部長は悠貴で。

 大発見の両名なら威厳ある部になるぞ」

 千景は玲音に詰め寄る。

「いやぁ~俺、副部長がいい。うん。

 しかしストレートなクラブ名だなぁ。なんの捻りもない」と玲音はすんなり引くが少々皮肉ってみる。

「俺は実直な人間なんでね。

 何事もストレート勝負なのさ。

 他にいいネーミングがあるのかい?

 変化球好きの玲音君!」

「いえ、素晴らしいネーミングだと思います。はい」

 玲音は千景に詰め寄られ、皮肉を口にした事を後悔した。

「部室は、どうなったのかな?」と悠貴が呟く。

「………」

 その場に束の間の沈黙が流れる。

「玲音、見に行ってこい」

 千景が沈黙を破り命令する。

「やだよ。樹里亜に捕まったら、こき使われる」と玲音は拒否する。

「部室がどうなってもいいのか?」

「俺が居ようが居まいが変わんないよ!樹里亜に勝てるは千景くらいだ」

「俺が勝てる訳が無いだろう………。よく善戦して引き分けだ」

「そうだ!潤。お前、偵察行ってこい!偵察だけだぞ。手伝いはしなくてもいいぞ。と言うか手伝うな!絶対手伝うなよ?いいな?」

 千景は潤に白羽の矢をたてる。

「うん、わかった見てくる♪」

 他とは裏腹に嬉しそうに潤は去って行った。



2.受難


 廉の病室


 見舞いと称して玲音は廉の病室に入り浸っていた。

「結局、学校が始まったじゃないか。いつまでここに居座るんだよ!

 廉が退院しないから俺が学校から帰っても俺のプライベートルーム俺だけじゃん」

「玲音。お前、言葉の使い方間違っているぞ。【プライベート】の言葉の意味よく考えろよ。って言うか、俺のプライベートは?!」

「廉には必要ないよ。俺が傍に居ないと体調おかしくなかった時、困るだろ?」

「いや、全然。むしろ体調にいいかもな」

「なんでだよ!こんなに心配してやってるのに!!」

「感謝しているさ」と玲音の頭をぽんぽんとたたく。


「玲音、潤は偵察から帰ってきたか?」と千景が現れる。

「ん?そう言えば見てないな?どうなったんだろ」

「やっぱ廉の部屋方が、樹里亜が簡単に出入出来ないからよかったかなぁ」と千景はぼやく。

「おい、お前ら!俺のプライベート無視するな!」

 そこに悠貴がやって来た。

「潤から部室の写真送ってきたよ」

「どれどれ」


 一斉に沈黙が漂う……。


「やはり、廉の部屋使うか?」と千景は素直に部室を放棄しようとしている。

「おい千景。部室を何とかしろよ。部長だろ?」

 これ以上、自分の部屋が自分の部屋で無くなる事に廉は必死に抗議する。

「何時でも部長の座は、明け渡しますが?」

「いやいや、簡単に放棄するなよ」

「よし、わかった!廉、玲音。この事態を収拾したまえ!部長命令だ」

 二人声揃えて『おい!!』

「で、悠貴」

「ん!?」

「潤は何してるんだ?」

「なんか、搬入頼まれて手伝っているみたいだよ」

「あれほど手伝うなと言ったのに」

「部長の人選ミスだな?」

 廉は呆れながら言う。

「俺は、玲音を指名したぞ!玲音が命令拒否するからだろう」

「当たり前だ!そんな事すれば、今頃俺が、こき使われてるよ!」

「ここで言い争っても、事態の収拾にはならないな」

 千景は溜め息をつきながら玲音の言葉を受け流す。

「まぁみんな頑張ってくれ、健闘を祈るよ!」

「廉、何?他人事の様に言って居るんだ?お前も来るんだよ。明日は退院だろ?」

「え?知らんよ」

「今日の検査でどこも異常なかったから退院していいと決まったらしいぞ?」

「え?いや、頭痛が!熱も!目眩がぁ~」

「廉、往生際が悪いよ!」

「玲音。お前だけには、それ言われたくない」


 翌朝、五十嵐先生が来た。

「時々、起こる頭痛が気になるが検査に異常もないし、普段の生活に慣れると言うのも大切だからね。

 取り敢えず寮に戻って様子を見てみよう。

 引続き無理して授業には出なくてもいいように診断書を書いておくからそれを校長先生に提出するといい。

 後、少しでも体調が変だと思ったらすぐに病院に来るんだよ?

 もし、動けない状態や意識が朦朧として気分が悪い時は携帯鳴らすなりして千景を呼びつけるといい。夜中だろうと叩き起こして構わないからね」

「はい、色々とありがとうございました」


 廉は退院することになった。

 寮に戻ると部屋の入れ替えが行われていた。

 元々右隣は玲音の部屋だったが、左隣には千景が入ってきた。

 病院からの進言も有って学園側が配慮してくれたらしい。

「お前のおかげで部屋は段ボールの山だ。何時でも何かあれば遠慮なく呼べよ」

「ありがとう」と廉は言ってはみたが………部屋が近い分、輪を掛けて廉の部屋は皆のコミュニティルームになった。


「さて廉も戻ってきたし、部室奪還プランの作戦会議するか?

 玲音。潤と悠貴を廉の部屋に召集しろ」

「わかった、ついでに食べる物と飲み物も買って来るよ。長引きそうだもんね。何か欲しい物ある?」

「俺は、サンドイッチが食べたいな」と千景は答える。

「了解」

「もしもし~。なぜ俺の部屋?もしもし?

 ……………。あぁ、もういい!好きに使ってくれ」

 廉はヤケクソになっていた。


挿絵(By みてみん)


 数分後、廉の部屋にいつものメンツが揃う。机の上には潤が撮ってきた部室の写真があり間取り図まである。

「なんだかなぁ。お嬢様の部屋そのものだな?」

「考古学と真反対なインテリアだ」

「取り敢えず、このレース満載の赤いカーテンは絶対撤去したいな?」

「このソファ、樹里亜専用感満載だよね」

「このシャンデリアも撤去だな?」

 資料を見ながらそれぞれの感想がもれる。

挿絵(By みてみん)

「この部屋、顧問の先生も使うよな?伊集院教授か加藤さんに頼んでなんとかしてもらえないか頼んでみたら?」と廉は言ってみた。

「伊集院教授は、今遺跡発掘に入る準備中でほぼ現場に居ると思うぞ。加藤さんはなぁ、かなり女性には甘そうな……」と千景が主観を述べる。

「昔、加藤さんが親父に『女性の願いを叶えやるのが男と言うもんだ』とか胸はって言ってたよ?」と玲音が言う。

「……」沈黙が流れる。

「校長先生に『部活の本来の活動に支障をきたします』と直訴とかは?」と悠貴が珍しく意見を言う。

「部活は生徒の自発的活動だから学園側は、不介入だと思うぞ。反社会的行為の活動以外はな」とあっさり千景に課外活動の主旨から却下される。

「取り敢えず妥協策考えよう。我慢できない物と他に必要なものをリスト作ろう」と廉は提案した。

 3時間掛けて何とかリストアップが終わった。

「さて、これからが最大の難関だ。誰が交渉するか?だ。潤以外でな」

 千景が資料を見ながら言う。

「そりゃあ、千景以外いないだろ?」と廉が言うと。

「俺はムリ、勝てる自信ない。負ける戦はしないのが心情だ」

 千景は俺に振るなと廉を見ながら言う。

「おい」

「玲音。お前、いとこなんだから付き合い長いだろ?何とかしろよ!」

 千景は玲音にふる。

「無理。敵う訳がない。それに学校入るまでは、年1回会うか、会わないかそんなもんだもん。それなら、病室で仲良く作業していた廉の方がいいのでは?」

 玲音は廉にふる。

「仲良くって、俺は逃げようにも逃げれないんだから、素直に言う事を聞いていただけだぞ?

 案外、悠貴お前が頑張ってみないか?」

 廉は悠貴にふってみる。

「先輩、人間出来る事と出来ないことあります。俺には、頭脳戦は無理ですよ。ましては交渉術なんて………」

「そう言えば、交渉術と言えば、1人たけた人いるなぁ~」

 千景がぼそりと呟く。

「誰?」とみんなの注目が集まる。

「玲音の親父さん」

「あっ!なら、もっと適任が!」と玲音が反応する。

「誰だ?」

「ママ!樹里亜はママの事、尊厳してるよ」と説明する。

「では、玲音お前が説得してくれる様に頼んでくれ」と千景が言う。

「いやぁ、たぶん俺が頼むより、廉が頼む方が快諾するよ?むしろ喜ぶよ」

「何でだよ?」

「だって困った時は、何時も親父に相談してママには頼らないじゃん。寂しがってたよ?」

「決まりだな?」

 千景は自分に降りかからなかった事に安堵する。

「うん、それしかない」

 玲音は上手く難を逃れた事に喜びを隠せて居なかった。

「先輩、大変でしょうが御願いしますね」

 悠貴は労いの言葉をかける。

「頑張ってください」

 潤も同じく激励を送る。

「おい、ちょっと。お前ら……」

「廉、お前に考古学研究部の未来はかかってる!頑張ってくれよ!」

 千景は廉の肩に手を乗せて説得?期待?を送る。


「お前ら、忘れて居るようだが、俺はこう見えても病み上がりだぞ?」と廉は嘆く。


「大丈夫だ、死んだら骨は拾ってやるから安心しろ!」と千景が言う。するとその場の全員が頷く。

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