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声無きゼウスと冥府のハデス 〜学園最弱の僕は思考だけで無双する〜  作者: 狐月
【第三部】聖アーク奪還・反逆編 〜絶望を喰らい尽くす死神(サタン)。嘲笑う強敵(エリート)を、極限の融合(オーバーレイ)で叩き潰せ〜

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第41話:概念喰らい(ディヴァウア)

「消エヨ、塵芥共ガ」


【古代原初邪神・アバドン】の無感情な声とともに、天を覆うほどの漆黒の極大光束が放たれた。


それは攻撃という概念すら生ぬるい、世界を構築するデータそのものを根底から消し去る『絶対消去コード(イレイザー)』。かすめるだけで現実の物質すら消滅させる絶望の波動が、まっすぐに二人を飲み込もうと迫る。


だが——【創世魔王尊・サタン】となった創と紬に、揺らぎは一切なかった。


「紬、父さんと母さんのコードが身体の中で温かいよ」

「うん。守るだけじゃない……この力を乗せて、全部呑み込もう!」


二人の思考はコンマゼロ秒の遅延もなく同調し、サタンが静かにその巨腕を突き出した。


「【絶対防壁・H.A.D.E.S.】——侵食展開!」


葵から受け継いだ防壁コードが、サタンの甲冑に重厚な輝きをもたらす。

迫り来る『絶対消去』の波動が、サタンの胸元へ激突した。


ドズズズズズ……ッ!!


時空が歪むほどの激しい衝撃。だが、かつて親たちの防壁を「スカスカ」と嘲笑ったどんな攻撃よりも重く、深く組み上げられた二人の『侵食防壁』は、世界を滅ぼす消去波動を完璧に押し留めた。


「ナ……ニ……!? 『消去』ガ……阻マレタダト……!?」


アバドンの眼光に、初めて動揺の色が走る。


「僕たちの連携は、誰の真似でもない……僕たち二人で作り上げた絆だ!」

「創! 今だよ!」


サタンの背後に広がる空間がグラリと歪み、世界の全域を覆い尽くすほどの巨大な漆黒のあごが姿を現した。

頼斗から継承した『Z.E.U.S.』の0.000秒の思考上書き速度が、顎の展開スピードを極限まで加速させる。


ガバッ!!


「ごちそうさま——ッ!」


創と紬の声が重なると同時に、背後の巨大な顎が、アバドンが放った『絶対消去』の全エネルギーを丸ごと一呑みに噛み砕いた。


ゴクンッ、と世界を揺らす咀嚼音。


「バ……バカナ……ッ!? 世界ヲ滅ボス消去コードヲ……丸呑ミニシただト……!?」


「あぁ……美味かったよ。冷たくて、不味いデータだったけどな!」


サタンの体内で、呑み込んだ『絶望』と『消去』の全エネルギーが、ベルゼブブの侵食毒とベヘモットの重装要塞コードによって瞬時に噛み砕かれ、創世の黒い炎へと再構築されていく。


「お前の『破滅』……僕たちの『創世』の糧にさせてもらう!」


サタンが大きく息を吸い込む。

胸郭が膨れ上がり、頼斗と葵の神級コード、そして二人の絆が交じり合った極大のエネルギーが口元へと集約された。


「「創世破滅波ゼネシス・ディヴァウア——ッ!!」」


サタンの顎から放たれたのは、邪神の消去コードすらをも『喰らい尽くしながら進む』漆黒と真紅の極大光束。


「グアアアアアアッ!?? バカナ……人間ノ可能性ガ……原初ノ神ヲ……越エル……ダトォォォッ!?」


アバドンの巨躯が、放たれたブレスの中に呑み込まれていく。

存在の根幹から侵食され、分解され、邪神コードは叫び声とともに消滅イレイズしていった。


空を覆っていた黒紫のノイズが、まるで嘘のように晴れていく。

雲の隙間から、温かな太陽の光が世界へと注ぎ込んだ。


『 グローバル・イコライジング・サーバー復旧 』

『 暴走コードの完全消去を確認 』


全画面に躍る青い正常通知。


「勝った……ね、創」

「ああ……勝ったんだ、僕たち!」


光となってサタンの融合が解け、空から落ちてくる創と紬。

二人を優しく受け止めたのは、機能を完全に取り戻した『Z.E.U.S.』と『H.A.D.E.S.』の光の腕だった。


地上で二人を抱きかかえた頼斗と葵が、誇らしげに涙を浮かべて微笑んでいた。


「よくやった、創、紬……最高のタッグだ」

「おかえりなさい、私たちの自慢の子供たち」


世界を救った最強の双子。

だが、彼らの物語には——もう一つだけ、残された「決着」があった。

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