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声無きゼウスと冥府のハデス 〜学園最弱の僕は思考だけで無双する〜  作者: 狐月
【第二部】アガルタ決戦・深淵編 〜神々を屠る死神の爪牙。絶望のコード削除(イレイザー)を、創世の思考で打ち破れ〜

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第26話:【創世】―無の淵からの覚醒と、蒼天の雷光―

[ ZEUS CORE DATA: ERASING... 99.9% ]


世界から色が失われていく。

脳裏を焼き尽くしていた黄金の輝きが消え、頼斗の意識は冷たく暗い「無」の底へと沈み込んでいく。


(ああ……やっぱり、ボクは……何も守れないのかな……)


壊れかけた画面の向こうで、葵が涙を流しながら叫んでいる。

倒れたルカとリアの絶望した顔。

そして、冷酷に振り下ろされるアヌビスの死神の鎌。


(違う……! 頼斗ぉぉぉッ!!)


脳裏に、葵の泣き声が痛いほど響いた。

あの夜、フェリーの甲板で交わした誓い。

「守られるだけの自分」を捨て、互いの隣に立つと決めたあの日。


(ボクは……諦めない……! コードが消されたなら……一から作り直せばいい!!)


頼斗の胸の奥底――『Z.E.U.S.』のコアデータが消え去った「ゼロの空洞」で、何かが爆発的に弾けた。


言葉を介さず、未来を予知するのでもない。

存在しないデータを、己の意志だけでこの世界に直接「定義」する絶対領域。


[ SYSTEM OVERRIDE: IMPOSSIBLE RECOVERY ]

[ UNKNOWN SYSTEM UNLOCKED ]

[ CODE: URANOS - CREATION MODE ]


ゴォォォォォォォォンッ!!


世界全体が激しく鳴動した。


アヌビスの鎌が頼斗のスマホを切り裂く直前、頼斗の身体から目も眩むような蒼白の極光が爆発的に放たれたのだ。


「な……なに……!? 消去が……巻き戻っている……!? いや、違う! データを『再構築』しているだと!?」


アヌビスが初めて余裕を崩し、驚愕の声を上げた。


頼斗の手の中で、バキバキに割れていたスマホのヒビが、蒼白の光を帯びて静かに塞がっていく。

消去されたはずの『Z.E.U.S.』が、以前の黄金を超えた『天空の蒼雷コード・ウラノス』へと再創世されたのだ。


頼斗は静かに立ち上がった。

血みどろの全身から放たれるのは、神代すらもしのぐ絶対的な「覇王」の存在感。


頼斗の口は動かない。

だが、その瞳がアヌビスを捕らえた瞬間、アヌビスの周りの空間そのものが頼斗の意志によって上書きされた。


(消去の鎌? ……そんな概念、この世界にいらない)


[ CREATION EXECUTION: 0.000s ]


ドカァァァァァンッ!!


「ぐあぁぁぁぁぁぁっ!?」


アヌビスが手にしていた死神の鎌が、攻撃を受ける間もなく存在の定義を奪われて粉々に霧散した。


「バカな……! 私の『コード・イレイザー』が……概念ごと消されただと……!? これが……『Z.E.U.S.』の第三解放……【ウラノス】……!!」


アヌビスが血を吐きながら後退する。

頼斗の覚醒した『コード・ウラノス』の圧に耐えかね、空中回廊の空間そのものが悲鳴を上げて崩れ始めていた。


(葵ちゃん……ルカ……リア……みんなを連れて……逃げるんだ!)


極限の覚醒を果たしたものの、頼斗の脳と身体は限界を迎えていた。

頼斗は蒼白の雷光でアヌビスの視界と追撃を完全に遮断すると、葵の手を強く握りしめた。


「頼斗……っ!」「行こう……葵ちゃん!」


蒼白の閃光が夜空を駆け抜け、頼斗たちは崩壊する空中回廊から間一髪で脱出したのだった。

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