↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
声無きゼウスと冥府のハデス 〜学園最弱の僕は思考だけで無双する〜  作者: 狐月
【第二部】アガルタ決戦・深淵編 〜神々を屠る死神の爪牙。絶望のコード削除(イレイザー)を、創世の思考で打ち破れ〜

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
25/42

第25話:【侵食】―死神の審判と、絶対消去―

「くっ……何だ、この感覚は……!?」


空中回廊を包み込んでいたネオンの光が一瞬で消え去り、夜空が不気味な血の赤へと染まっていく。

気温が氷点下まで急降下したかのような錯覚。息を吸い込むだけで胸が焼けるように痛むのは、周囲の空気中のプロンプトデータが「腐敗」し始めていたからだ。


「頼斗、ボクの後ろへ……っ!」


葵が即座に『ファントム(H.A.D.E.S.)』の全開防壁を展開する。だが、その漆黒の膜に触れた瞬間、防壁データが黒い煙を上げてボロボロと崩れ去った。


「ボクの防壁が……溶けてる……!?」


「ひ、ヒッ……出た……『死神』だ……!」


倒れていたルカとリアが怯えた悲鳴を上げる。


崩れ落ちた回廊の暗がりから、カツン、カツンと乾いた靴音を響かせて一人の人物が歩み出てきた。

顔半分を犬頭の黄金仮面で覆い、黒い漆黒のローブを纏った男。その手には、禍々しい紫黒の鎌の形状をした神級デバイスが握られていた。


[ SYSTEM: A.N.U.B.I.S. OVERRIDE ]

[ CODE ERASE PROTOCOL: ACTIVE ]


「十二神将が第一位……『Z.E.U.S.』。そして第三位『H.A.D.E.S.』……」


仮面の奥から聞こえるのは、高圧的で機知に富んだ男の低音。


「お前たちが繰り広げた美しい『絆』の戯れ言……実に反吐が出る。データとは単なる記号の羅列に過ぎん。心などという曖昧なバグに頼るから、破滅を招くのだ」


男が鎌を静かに掲げると、頼斗の手の中にあるバキバキのスマホ――『Z.E.U.S.』が、狂ったように高音の警告音を鳴らし始めた。


[ CRITICAL WARNING: UNKNOWN ERASE CODE ]

[ SYSTEM DEGRADATION: 15% ... 30% ... ]


「う……あぁぁぁぁッ!?」


頼斗が激痛に頭を抱えて膝をついた。

脳と直結している『Z.E.U.S.』のコアデータが、外部から直接「消去イレイズ」され始めていたのだ。


「ボクの能力は【冥府の天秤コード・イレイザー】」


男――アヌビスの所有者は、嘲笑うように死神の鎌を振るった。


「お前たちがどれほど速く思考しようと、どれほど未来を予測しようと無駄だ。私がお前のデバイスの『存在そのもののコード』をサーバーから削除すれば、お前はただの壊れた機械を持つFランクに逆戻りする」


「頼斗から……離れろぉぉぉッ!!」


葵が狂気的なまでの眼光で叫び、全精神力を注ぎ込んで『ファントム』の波形をアヌビスへ叩きつける。

だが、アヌビスが鎌を一閃させると、葵の波形は空間ごと「削除」され、跡形もなく消滅した。


「ぐっ……あぁっ!?」


反動で吹き飛ばされ、床に激しく叩きつけられる葵。


「葵ちゃん……っ! 逃げ……て……!」


頼斗は血の滲む手でスマホを抱きしめた。

だが、視界は急激に色を失い、脳裏で輝いていた黄金の未来予測回路コード・アポロンが、一つ、また一つと黒いノイズに呑み込まれて消えていく。


[ SYSTEM DEGRADATION: 65% ... 80% ... ]

[ APOLLON SYSTEM: DELETED ]

[ ZEUS CORE DATA: ERASING... ]


(消える……ボクの『Z.E.U.S.』が……ボクの存在理由が……!)


「終わりだ、小鳥遊頼斗。お前の『Z.E.U.S.』は私が回収し、我が組織の創世の糧とする」


アヌビスが冷酷に鎌を振り上げ、頼斗のスマホのコアへ向けて死の概念を一気に振り下ろした。


[ FINAL ERASE EXECUTION: 99.9% ]


「頼斗ぉぉぉぉぉぉッ!!」


葵の絶叫が響き渡る中、死神の鎌が黄金のコアを捉え、世界からすべての音が奪い去られようとしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。