想像以上に嫌われている事を知る
「だめですよ?」
「へ?いや。わたくしまだ何も言って無いのですけれども?」
「このアニメは涙袋が破壊される魔術か何かが仕組まれているに違いありません。それに、強力なバッドステータス付与まで施されているに違いありません。私は今も尚この『光虫の墓』というアニメを思うと心が痛み、寝込んでしまいそうになってしまう程強力でございます。観てしまったら最後、見る前の自分には戻れません。それほどまでに恐ろしい作品でございます。ですので、ダメですよ?因みに私は魔法少女の宅急便が好きですので、どうせご褒美にするのでしたらこちらをお勧めします」
「まさか、これ程の物とは思いませんでしたわ。教えてくださってありがとうございます」
まさか、これ程迄恐ろしい、呪われた作品だったなんて思いもしなかった。
教えてくれたルルゥに感謝の言葉を述べるのだが、ただ一つだけ引っかかる事がある。
「しかし何故旦那様はこれ程までに恐ろしい物を買って来たのでしょうか?」
まさか旦那様はわたくしの事が嫌いなのでは?と一瞬だけ頭を過ったのだが、だとしたら呪いのアーティファクトだと分かっているルルゥを講師役として側に置く訳がないし、ルルゥもわたくしに伝える訳が無い。
「それは、このスタジオハヤオの作るアニメが傑作揃いであり、それら傑作集がこのハヤオboxセットだからです。そうですね、この光虫の墓という作品は奥方様がもう少し人生経験を積んで、立派な大人になった時に観ると、非常に考えさせられる作品であるとは思いますが、様々な作品を体験して鬱展開等が苦手であるというのであれば観ない方が良い作品の一つである事は間違いありません」
そしてルルゥはここまで話すと一旦区切った後「ただし」と話を続けていく。
「王族、特に将来国王となられる可能性がある者達には観て欲しい作品でもございます。それほどまでにこのアニメは評価されるべき作品であると私は思いますが、先に述べたようにこのジャンルが苦手な方は観無い方が良いとも思わされる作品でもありますね。と、言いますかシュバルツ殿下には例え「嫌だ」と嘆かれても手足を縛り頭を固定して無理やりにでも観させてやりたいと、私は思うますとも。ええ。さすればあの腐った性根も少しばかりは浄化される可能性があるやもしれません。勿論私たちの奥方様を泣かせた腹いせも多少なりとも含まれていないと言われれば嘘になりますが、シュバルツ殿下の性根が腐っていなければ私たちは奥方様とは出会っていなかったので、感慨深いです。ただ、奥方様を泣かせた事に関しましてはそれはそれ、これはこれでございますので、旦那様からゴーサインが出ればいつでもシュバルツ殿下を泣かせてみせましょう」
「ほ、ほどほどに。ほどほどにですわ。これでもわたくしは今とても幸せですので復讐心等はございません。ですので一度落ち着きましょう」
一気にまくしたてるシュバルツ殿下への恨み節にわたくしは何とか顔を引きつらせながらもルルゥを落ち着かせる。
そしてわたくしはこのアニメの恐ろしさの他にも、シュバルツ殿下が想像以上に嫌われている事を知るのであった。
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