表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/27

19.オリジナル魔法



 アッシュの挑発で、ヘンテコなメイクをした男の顔は怒りに染まる。蝙蝠の模様が、余計に迫力を増したようにも見えるわ。

 地竜に乗っているせいで身長はわからないけど、かなり筋肉質でゴツい体型なのがそれだけでも分かる相手。

 顔面に施されたメイクは、おふざけ過ぎると思うけど。そう思えるのも、アッシュという存在の安心感があればこそよね。


「てめぇ~……高貴な俺様の名をキ○タマ呼ばわりするとは、いー度胸してやがる! もう完全に許さん! やれ! 魔獣どもよ! あの銀髪野郎を引き裂いて、あ奴ら全員を絶望のどん底に落としてやるのだ!」


 完全にやられ役ムーブをかましてるような発言だけど、冷静に考えたらちょっとヤバいかもね。あんな魔獣二体が同時にかかってきたら、魔道士のアッシュにとっては確かに不利。

 そんな考えが咄嗟に頭をよぎったけど、その心配は全くの杞憂に過ぎなかった。


爆裂(エクリクス)!」


 アッシュがそう叫んだ瞬間、ヒュドラの胴体は大爆発を起こしバラバラに弾け飛ぶ。

 攻撃しようと拳を振り上げていたサイクロプスは、その様子に驚いて完全に動きを止めてしまった。

 キ○タマ……じゃなくてコウモリ男さんも、何が起きたのかといった感じで口をあんぐり開けている。って言うかアッシュのせいで、すっかりそのイメージが定着しちゃったじゃない。


「既に、てめぇらの体内に爆弾は仕込んである! 俺が一声かけるだけで、お前らもそこら辺に散らばってる汚ねー肉片の仲間入りだ!」


 だったらすぐにやれば良いじゃない。そう突っ込んでやりたかったけど。アッシュとしては、敵を脅して弄んでいるって感じなのかしらね。

 それにしても今の魔法って、あの長ったらしい詠唱を一切していなかったように見えたけど。もし本当にそうだとしたら、チートすぎるにも程があるじゃない。


「ぐぬぬぅ……そんな脅しに、この俺様が屈するわけなかろう! 無詠唱で、こんな破壊力の魔法を放つなんて普通にあり得んことだ! さては、ここに来るまでの間に予め詠唱を済ませておいた感じだろ」

「そんな小細工なんてするかよ、タコが! てめぇらなんざ、無詠唱のオリジナル魔法だけで十分だ!」


 筋肉だるまとアッシュの会話で、わたしの疑問はすぐに解けた。


 やっぱり無詠唱魔法っていうやつだったのね。

 爆弾を仕込んだって言ってるけど、それに関してもセットと考えて良いのかしら? だとしたらそんな複雑な行為まで、心の中で念じるとかイメージするだけでできるってこと?

 最後の決め台詞だけは、起爆スイッチみたいなものとして必要ってことなのかしらね。

 でも、それなら起爆自体も黙ってできそうなもんだけど。


 アッシュはそう啖呵を切ると、今度は一つ目巨人に対し右の手のひらを向ける。不敵な笑みを浮かべた彼は、再び先ほどの魔法を全く躊躇う様子もなく唱えた。


 内側から弾け飛ぶサイクロプス。

 さすがに脅しでもなんでもない事にようやく気づいたのか、血肉にまみれたキンダアーモンは焦りの表情。

 それにしても良く調教されている地竜ね。ある程度離れてるとはいえ、これだけの爆発が両脇で起きても身動ぎ一つしないなんて。


「そそそっ……そんな馬鹿な! 無詠唱のオリジナル魔法だと? しかも、こんな威力……てめぇは化物なのか?」

「化物づらの奴に、化物いわれたくねーけどな。俺様がちょーつえーって事だけは確かに認めるぜ」


 そう余裕の言葉を返すアッシュ。完全に、相手を舐めきっているといった感じね。

 さっきまでの威勢は何処へいったのかしら。そんな態度を示されても、筋肉だるま男は反論することさえできない様子。

 でも、ただ黙っていたわけではなかったようね。

 勝ち誇った態度のアッシュだったけど。このまま完全勝利、というわけにはいかないようだった。


魔法霧散(ディスペルマジック)


 急にそう唱えるキンダアーモン。その瞬間、彼の表情は少しだけ緩んだ感じとなる。

 対するアッシュは、すぐにチッと舌打ちし不機嫌そうに表情を歪ませていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ