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未来世界に戦争する為に召喚されました  作者: 堕天の翼のあさぼらけ
惑星ファンタジー迷走編

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第51話 初めての依頼

 これは西暦9980年のはるか未来のお話。

 行方不明になったケイを探しに、惑星ドルフレアの地に降り立ったマイ達三人。

 この地で出会ったローラスに、千年前のかげろうおケイが建てたほこらの封印を、バッドメアカンパニーの魔の手から護るため、協力してほしいと頼まれる。

 まずは、伝説のおケイの剣を取りに行くのだが、その前に身分証明のために、冒険者ギルドで冒険者登録する事になった。

 って、これ、ジャンルは宇宙SFだよね?

 ジャンル変わってない?

 数少ない読者さんも、離れちゃったんじゃないの?

 まあ、宇宙の惑星に行ったら、そういうのがあった、ってだけだし、別にいいよね?

 SF成分は残してるつもりだし、別にいいよね?

 と言う訳で、ここのギルドの最高登録者を、たやすく倒したマイであった。



 最高の冒険者のドルクが逃げ出した。

 これだけで充分だった。

 マイ達の強さを証明するのは。


 ギルド内の冒険者達は、声もなかった。

「じゃあ、帰ろっか。」

 マイの声に、ユアとメドーラは後に続く。

 冒険者達は、ただ見送るだけだった。


 だが、受付嬢は違った。

「お、お待ち下さい!」

 受付嬢はマイ達を呼び止める。

「依頼を一件、受けて下さい!」


「あー、僕達、先を急ぐんだよね。」

 呼び止められたマイは、答えに困る。

「ここには、登録しに来ただけだから。」

 マイはそれだけ伝えて、立ち去ろうとするが、受付嬢は許さない。

「受けてもらわなければ、困ります!」


 受付嬢の言葉に、ギルド内がざわつく。

 あー、あの件か。

 ドルクの旦那が、あーなっちまったしなー。

「なあ、あなたがた。話しだけでも、聞いては下さらぬか。」

 ひとりの老練な冒険者が、意を決して話しかけてきた。

 マイ達は顔を見あわせ、話しだけは聞いてみる事にした。


「これはドルクさんが請け負っていた依頼なんですが、ドルクさんがああなってしまった以上、あなたがたに責任を取ってもらわなければなりません。」

 受付嬢は語り出す。

「南の森に住みついたドラゴンを、退治して下さい。」

「え、なんで?」

 マイの即答が、これだった。


「なんでって、ドルクさんを傷つけたのは、あなたでしょ。

 あなたが代わりに請け負うのは当然でしょ。

 みんな迷惑してるんですよ。お願いしますよ。」

 受付嬢はマイの答えが意外だったので、少し混乱ぎみだ。

「だから、なんで退治するんですか。そのドラゴンが何かしでかしたんですか。」

 マイも、聞きたかった答えが返ってこなかったので、少し声を荒げてしまう。

「ど、ドラゴンですよ?いたら退治するに決まってるじゃないですか!」

 受付嬢も、それ以外の答えを持ち合わせていなかった。


「まあ、なんて野蛮なのかしら。」

 横からメドーラが口を挟む。

「や、野蛮って、どういう意味かしら。」

 受付嬢は聞き返す。

「言葉通りの意味だよ。」

 受付嬢の質問に、ユアが答える。

「私も魔獣討伐の任務は幾度も経験したが、いつも人間の身勝手な要求だったよ。胸くそ悪い任務だった。」

「ドラゴンは、あなた達よりも高度な生物ですわ。それを退治しろだなんて、思い上がりも甚だしいですわ。」

 メドーラは、ユアの言葉を補足する。


「あ、あなたがたは、何を言ってるのですか?」

 受付嬢には、ユアとメドーラの言ってる意味が理解出来なかった。

「ドラゴンって、退治するものでしょ?そんな事も知らないの?」

 それがこの星に生きる人間の常識だった。

「ドラゴンの言い分も聞きなさいって事よ。」

 ここでマイが助け船を出す。だが、

「はあ?ドラゴンの言い分?あなた何言ってるの?ドラゴンと話せる訳ないでしょ?」

 これが受付嬢から返ってきた言葉だった。


 ユアはマイの肩に手を置いて、首を振る。

 何を言っても、伝わらない。話しは平行線のままだろう。

「分かりましたわ。」

 ここで、メドーラはおれた。

「ドラゴンは、私達でなんとかしましょう。」

「ああ、やっと退治してくれる気になりましたか。」

 受付嬢はそう喜ぶのだが、メドーラの言い分は違った。

「退治などいたしませんわ。ドラゴンと話し合ってくるだけですわ。」

「は、話し合うって、あなた正気なの?」

「ええ、ドラゴンの言い分も聞こうともしない、野蛮な誰かさん達とは違って、私はいつも正気ですわ。」

 メドーラはとびっきりの笑顔で答えた。

「野蛮ですって。」

 逆に受付嬢の笑顔は引きつる。


「もしも、ドラゴンの言い分の方に理があったならば、私達はドラゴンと共に、あなた達を退治します。」

 メドーラは凛とした表情で、そう言いきった。

 これにはギルド内もざわつく。

 受付嬢も冷静ではいられない。

「やっぱり正気じゃない!あなたおかしいわ!ドラゴンと話せる訳ないじゃない!」

 この件は、どこまで行っても平行線のままらしい。

「この星には、それを可能にするものがあるじゃない。」

 ここでマイがその可能性を示唆するのだが、それも伝わりそうにない。

「イデよ。」


「イデ?なにそれ?」

 受付嬢には、伝わらなかった。

 ギルド内でも、知る人はいないらしい。

 イデ?お前知ってるか?

 なんだそれ?適当言ってるんじゃないの?

 そういや、どっかで聞いたような気もする。はて。

「ちょっと、イデを知らないの?」

 マイは、受付嬢達の反応に戸惑う。

「イデを知らないなら、どうやってマナを修得したのよ。

 イデの導きなしで、修得出来るものではないでしょ。」

 実際、マイ達がマナに目覚めたのは、イデによる働きかけだった。

 その場面を読み返してはいないが、確かそんな流れだったと思う。

「そんなの、物心ついた頃には、修得してるわよ。

 それ、歩き方をどうやって修得したのかって聞いてるのと同じよ。

 自然と出来るようになったとしか、答えようがないわ。」

 受付嬢の答えは、マイには信じられなかった。この星の人が、イデを知らない。


「マイお姉さま、ユアお姉さま。もう帰りましょう。」

 ここで、痺れを切らしたようにメドーラが言い捨てる。

「ま、待ちなさい。ドラゴンを退治するのかしないのか、はっきりなさい。」

 受付嬢は呼び止める。

「私をこれ以上怒らせないでくれるかしら。ドラゴンと話し合って来るって、何度も言わせないで下さい!」


 そう言い放つと、メドーラは冒険者ギルドを後にした。

 マイとユアも、メドーラの後に続いた。

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