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未来世界に戦争する為に召喚されました  作者: 堕天の翼のあさぼらけ
惑星ファンタジー迷走編

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第50話 とある惑星のとあるギルド

 これは西暦9980年のはるか未来のお話。

 行方不明になったケイを探しに、惑星ドルフレアの地に降り立ったマイ達三人。

 ここで、千年前にかげろうおケイに助けてもらった者の子孫、ローラスに出会う。

 このおケイこそ、行方不明のケイだろうと、マイは思った。

 千年経った今、おケイの封印したほこらを暴こうと、バッドメアカンパニーが動きだす。

 封印を解く鍵となるおケイの剣は、離れた場所に隠したという。

 ローラスはマイ達に、おケイの剣を取りに行って、ほこらの封印を護るのに協力してほしいと頼む。

 マイ達はふたつ返事で承諾する。

 そして、おケイの剣の隠し場所に向かう前に、この街を離れる前に、身分を証明する証を入手した方がいいと、マイ達に勧めた。



「ふーん、ここが冒険者ギルドか。」

 マイ達三人は、とある建物の前の来ていた。

 マイ達は、エティコの縮緬問屋の三女と、お付きのメイド、護衛の剣士と名乗っている。

 だが、これを証明するものは、何もない。

 この惑星では遠出をする際は冒険者登録をして、己の身分の証明にするらしい。

 それを持たないマイ達を、ローラス達はいぶかしく思っていた。

 衣服を原子レベルで構築するお着替えステッキでも、そこまでの対応は出来なかった。


「こんな形で身分証明するなんて、おかしな星ね。」

 冒険者ギルドを前に、ユアはため息をつく。

「でも、なんだか面白そうじゃない?」

 マイは、召喚前に聞いたような気がするその単語に、興味津々だった。

「そんな事より、早く済ませましょう。」

 メドーラは冒険者ギルドの扉を開く。


 ギルド内はそれなりに広くて、数名の冒険者がいた。

 入って来たマイ達に、好奇の眼が向けられる。

 美女三人組。

 これを見過ごせって言う方が無理だろう。

 マイを先頭に、受付へと向かう。

「あのう、冒険者登録したいのですが。」

 マイは受付嬢に、ここに来た目的の、冒険者登録を申し出る。

 受付嬢は、既に何度もやっている説明を繰り返す。


 冒険者になると、腕輪と登録証が渡される。

 登録証は腕輪に収納され、冒険者同士で腕輪をかざすと、登録証の内容を見る事が出来る。

 登録証には、名前、レベル、ランク、マナ属性が記録されている。

 ランクはSランクを筆頭に、A、B、C、D、E、Fの7段階あった。


「それでは、こちらの石版に利き手を添えて下さい。」

 受付嬢は、登録用の石版を取り出す。

「どういう仕組みなのか、わくわくしますわね。」

 一連の説明で、メドーラのテンションも上がってた。

「じゃあ、まずは僕から。」

 一応メイドの格好をしているマイが先陣をきる。

 その測定結果に、受付嬢が驚きの声を上げる。

「マイアミン・スケード・メドローアさん、レベル75?ランクA!」

 ギルド内がざわつく。

「これって、凄いの?」

 周りの反応を見て、マイは一応聞いてみる。

「凄いなんてものじゃありません。レベル75だなんて、このギルドの登録者の最高レベルは50ですよ?

 ランクも、実績無しで獲得出来る最高ランクのA。

 普通はEかFからスタートですよ。」

「へー、そうなんだ。」

 マイはまんざらでもなかった。

「次は私ね。」

 今度はユアが石版に手を添える。

「ユアネシア・カークス・メドローアさん、レベル80、ランクA!」

 これまたギルド内がざわつく。

「えー、僕より高いじゃん。」

 マイは少し不満そう。

「そりゃあ私の方が先輩なんだから、私の方が低かったら立場ないじゃん。」


 ふたりが言いあってる横で、メドーラが無言で石版に手を添える。

「め、メドーラ・ミツエーモ・トクナーガさん、レベル95、ランクA!

 あれ?レベルは85でした。」

 これまたギルド内がざわつく。

「マイお姉さまもユアお姉さまも、少しは加減して下さい。」

 メドーラは小声でふたりに告げる。

「た、確かに。これは少し目立ちすぎだね。」

 ユアはメドーラに同意し、少し後悔する。

「だけど加減なんてどうやるのよ?」

 そこら辺マイは未熟だった。


「い、いかさまだー!」

「石版壊れてんじゃねーの!」

 ギルド内から罵声が飛び交う。

「こ、壊れてません。石版は正常です!」

 受付嬢もマイ達の正当性を訴えるが、誰も聞く耳を持たない。

「なら、俺が確かめるしかねーな。」

 ここでひとりの冒険者が立ち上がる。

 いかにも屈強で精悍な冒険者といういでたちだ。

「や、やめてください。あなたのかなう相手ではありません!」

 受付嬢は止めにはいる。

「はあ?ドルクの旦那が、こんな小娘如きに負けるわけねーだろ。」

「やっちまえー、ドルクの旦那!」

 別の冒険者から罵声が飛ぶ。

「ドルク・マイケラー、レベル50、ランクB。ここのギルドの最高登録者ですね。」

 メドーラは早速支給された腕輪の効力で、この冒険者の情報を覗き見る。

「て、てめー!勝手に見てんじゃねーよ!」

 ドルクと呼ばれる冒険者は激昂、メドーラを睨む。

 メドーラも睨み返す。

 怯むドルク。


 そのふたりの間に、マイが割ってはいる。

「僕が相手をしてあげるよ。」

「何?」

「この中だと、僕が一番レベルが低いから、僕に負ければ、納得いくんじゃない?」

「ほう、言ってくれるじゃねーか、ねえちゃん。」

 ドルクはマイを一瞥。両手を軽く広げて構える。

「始めに言っとくが、俺のマナは緑属性の風のマナでよう。」

 ドルクのその言葉に、ギルド内の数少ない女性冒険者達は、スカートを押さえる。

「あら奇遇。僕も」

「くらえ、かーみーかーぜーの術ぅ!」

 マイが言い終わる前に、ドルクが仕掛ける。

 凄い突風が吹き荒れる。

 女性冒険者達は、スカートがめくれるのを必死に押さえてる。

「ど、ドルクさん、その技、室内で使わないでって、いつも言ってるでしょ!」

 カウンター内に避難した受付嬢が叫ぶ。


 マイのスカートは、何ともなかった。

 ドルクは表情を歪める。

「て、てめえ。ならばその服、切りきざんでやるよ。」

 ドルクは構えを変える。両手をクロスさせる。

「いくぞ、かーまーいーたーちーの術ぅ!」

 ドルクはカマイタチを発生させて、マイのメイド服を切りきざみにかかる。

 が、マイのメイド服は、何ともない。

「何故だ!なぜお前の服は、なんともない?」

「僕も、緑属性の風のマナなんだよ。」

 ドルクの叫びに、マイは左手をかざしながら応える。

「あんたがやりたかったのは、これでしょ?」

 マイはカマイタチを発生させる。

 ドルクの身につけている鎧と服を切りきざみ、ドルクは上半身裸になる。

「上半身だけで、許してやるよ。」

「てめー、ぶっ殺す!」

 ドルクは剣を抜いてマイに襲いかかる!


 マイは素早くしゃがむと、右の太ももに装着したソウルブレイドのクダを手に取る。

 ソウルブレイドの剣を展開させると、その剣を一閃。

 ドルクの剣を叩き折る。

 このマイの一連の動作は、ここに居る冒険者達の目には見えなかった。

 ドルクが剣を振り下ろした瞬間、マイが一歩前進して、ドルクの背後に移動した。

 これが、ここに居る冒険者達の認識だった。

 ドルクの折れた剣が床に落ちて、音をたてても、何が起きたのか分からなかった。

 だが、ドルクには分かった。折れた剣が床に落ちた瞬間に。


 ドルクの身体が震えだす。

 マイはソウルブレイドのクダの尻で、ドルクの背中を叩く。

 ドルクは床に叩きつけられる。

 そのドルクの目の前の床に、マイはソウルブレイドの剣をぶっ刺す。

 マイはその場にしゃがむと、笑顔でこう言った。

「今度は、本気で殺すよ?」


 ドルクは逃げ出した。

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