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第25話 部室剥奪の危機!? 5人目の部員を求めた俺たちが目をつけたのは、目の前の先輩でした

 「それで?当てはあるのかよ?」


 「無いのかよ!はぁ〜、そう言えば、2人には言って無かったけど、実は部を始めるには5人の部員が必要なんだ。」


 「はい、みーちゃんから聞いてます。それでどうしても人数が集まらないから助けて欲しいと。」


 「そうなんだ、それで早速で申し訳無いんだけど…2人には誰か誘えそうな人いる?」


 「私はそもそも人見知りで…。」


 「僕も知り合いは運動部に入ったって話してたな…。」


 「やっぱりか〜。」


 流石にこの時期では人数を集めるのは一苦労なんだな。マンモス校ゆえに人が生徒数も多いが部活も多い。メジャーな部活は勝手に人が来るが、マイナーはそうでは無いのだ。


 それゆえ、体験入部期間に部に来てもらう様に催し物を開くのだろう。何処も生徒の取り合いに神経を注いでいる。


 「後一人なんだ。何とか出来ないものかなー。」


 溜息混じりの望みも無情に虚空に消えていく。弱音を吐いているだけでは何時までもこのままだ。行動あるのみ!


 「まぁ、何時までに集めないとって制約が無いだけマシですね。時間を掛けて根気よく行きましょう!」


 美鈴はいつものようにポジティブ全開だ。確かに、少し時間を置けば、最初に入った部を辞めた奴が出て来るだろう。そういう奴を狙いはあるいは…。


 その時、ドアをノックする音が聴こえた。叩く音の軽さからして女の子だろう。


 「はい、どうぞ。」


 美鈴は来客人に促す。


 (…ドアをノックする音って 電話の時みたいに無条件に緊張してしまう。)


 「失礼します。少し宜しいでしょうか?」


 入って来た人物は見知った顔だった。


 「平泉先輩!どうしたんですか?」


 まさかの平泉清香だった。前回の反省からなのか、最初から腕章を身に着けている。


 「生徒会の手伝いをしてまして…少々お聞きたい事が…。」


 「何です?」


 美鈴が答える。


 「この集まりは部活動の一貫…と言う事で良いんですよね?」


 「はい!まぁ、まだ部員を5人集めていないのでこれから始めるって感じですけどね。」


 平泉先輩の顔が少し曇る。困っている表情だ。


 「その事なんですが…少々言い辛い事がありまして…実は、この部室を譲って頂けないかと相談が来てまして…。」


 「えー!!」


 美鈴は大声を上げた。


 「どうしてですか!この部室は私達ガ譲り受けたんですよ!それに元々文芸部の部室だって話じゃ…。」


 「そうなんですが…それが貴方達と同じく部を新設したいと申し出がありまして…そちらは規定の部員数を確保していると…。」


 「つまり直ぐに始まられる方に譲ってくれって事ですか。」


 「それってあんまりじゃないですか。みーちゃん達が最初に鍵を貰ったのに…。」


 「そうだね。言いたい事は分かりけど話し合いも無しに勝手な言い分だ。」


 佐渡さんも萩原も同調してくれている。確かにこっちは部員が揃っていないのは事実だ。しかも揃う目処も立っていない。少々横暴かもしれないがあちらの言い分も分かる。


 「どうする、美鈴?。いや部長。」


 「そうですね。…ん、部長?私がですか?」


 「ああ、お前が発起人なんだ、それが筋だろう。」


 「確かに…。では部長として、私の意見を言いたいところですが…。ん〜どうしよう。」


 悩むのは無理もない。取り敢えず譲ったとして、他の部室が空く保証なんて無い。そもそも、それがあったなら、あちらもこんな波風立てる行動はしたくないはずだ。


 「いや、ちょっと待って下さい。」


 美鈴は何かを気付いた様に動きを止める。妙案でも浮かんだのだろうか?


 「つまり…部員が足りないのが原因なんですがよね。」


 「まぁ…そうなりますね。そこが争点だとは思いますよ。」


 「だったら、人数が集まれば…そもそもの話は無かった事になるんじゃないんですか?」


 「それはそうだろ。でも、それが出来ないからこんなに悩んで…。」


 「見つかりましたよ!5人目!」


 美鈴は指を指す。その先には…。


 「平泉先輩!文芸部に入りませんか!いや、入って下さい。」


 「わ、私ですか!!」


 平泉先輩は驚きの声を上げる。この人、こんな声が出るんだなぁ…、なんて、感心している場合じゃなかった。


 「おい、何を言ってるだ美鈴!先輩はそもそも風紀委員に所属しているんだぞ!」


 「でも確か…委員会と部を両立してはいけないとは規則で決まって無いはず!ですよね!先輩!」


 面を食らっている平泉先輩に食い気味に近寄る美鈴。その様子はどっちが先輩か分からない。


 「た、確かにその様な校則はありませんし…私は風紀委員以外に何処かに所属している訳ではありませんが…。」


 (おっと?意外と押せば行けるのか?)


 「ですが…何分突然な事で何が何やら。」


 たじたじな先輩に俺は勝機を見出す。


 「そうですよ!先輩が居れば頼もしいです!」


 俺は猫を被り、美鈴を援護する。


 「そ、そうですか?で、でも顧問の先生が居ないと設立は…。」


 俺はガシッと先輩の手を握る。 


 「なぁ!!」


 「大丈夫です。担任の白山先生に頼みますから。後は先輩の心次第です。」


 「な、なら…。風紀委員が忙しい時は参加出来ませんが…。」


 「それで大丈夫です!」


 何故か先輩は目を逸らしてしまったが…これで何とかなりそうだ。


 「ちょっと!!何、手を握ってるんですか!!離れて下さい!!」


 美鈴は置いておくとして…、これで部として活動出来るな!!

 




 



 



最後までお読みいただき、ありがとうございました。部室の明け渡しを迫られるという予期せぬトラブルでしたが、美鈴の機転と浩志の必死の説得により、平泉先輩を5人目の部員として迎えることに成功しました。彼らのこれからの活動はどうなっていくのでしょう。もし「面白くなってきた!」「続きが気になる」と感じていただけましたら、ぜひページ下部からブックマーク登録や評価(★★★★★)をいただけますと幸いです。

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