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第21話 妹の友達の銀髪ハーフ美少女は、距離感のバグり方が誰かさんにそっくりなようです!

 

 帰り道、いつもの見慣れた通りを歩く。


 「あ〜。何か眠いな…。」


 (今日は色々あったからな…。いや、今日もか…。)


 感情の昂りがジェットコースターの様に乱高下したのだ無理も無い。高校生活がこれ程大変だとは思っても見なかった。


 (まぁーこれも悪くは無いがな…。)


 そうこう考えている内に、愛しのマイハウスに着く。此処こそが俺のベストプレイスでありサンクチュアリである。


 (何時も俺を暖かく迎え入れてくれる。そんな我が家が大好きさ。)


 「只今!…おーい。愛しのお兄ちゃんが帰って着たぞ!」


 返事が無い。だが、人の気配がしない訳では無かった。


 (おかしいな?美波、まだ帰ってきてないのか?…いや、靴はある。…?)


 見慣れない靴だ。それも凄く高そうな。成る程…、友達が来ているのか。


 状況に合点がいったとほほ同時にドタドタと階段を駆ける音が聴こえた。


 「ちょっと!お兄ちゃん!」


 「おー妹よ。返事が無くて心配したぞ!」


 「いいから!早く自分の部屋に行ってよ!」


 「えっ?どうして?」


 「だって…恥ずかしいから…。」


 その瞬間、身体全体に電流が走る。


 「は、恥ずかしい?俺が…。ショックだ。」


 なんて事を言うんだ美波よ。確かにお兄ちゃん、自慢出来る程の好人物ではないけど…、よりによって恥ずかしいて…。


 「後で愚痴は聞いてあげるから!ほら、早く。」


 美波は俺の手を引くと、背中を押しながら自らの部屋に誘導しようとする。


 対して俺は…あまりにショックな出来事があって運動機能を放棄していた。


 「ちょっと!自分で部屋まで歩いてよ!…このままじゃ…。」


 「どうしたの?美波ちゃん?」


 焦る美波をよそに、凛とした声が家に反響する。聞き覚えのない声だ。


 「あっ、栞ちゃん…。ううん、何でも無いから部屋に戻っていて。今、この馬鹿兄貴を部屋に幽閉するところだから…。」


 今度は馬鹿て…。酷い!そんな子に育てた憶えは無いのに!


 「お兄ちゃんに育てられた憶えは無いからね!」


 (俺の心の中まで…!美波、恐ろしい子。)


 「わ〜、貴方が美波ちゃんのお兄さん何ですね!」


 グイっと、女の子は近づく。滅茶苦茶近い!その距離感はどっかの誰かさんを彷彿とさせた。


 (近!…てか睫毛長!)


 日本人離れした顔立ちに銀色の髪。スラッとした手足に体躯。どこか非日常を感じさせる面持ちだ。


 (これで本当に中学生かよ!こんな子、うちの中学にはいなかったぞ!)


 見た目だけなら美鈴にも劣らない。こんな子が同級生なんてクラスの奴が羨ましい…。

    

 「離れた方が良いよ栞ちゃん。この人危ないから。」


 「お兄さん、危ない人なんですか?」


 「なんて事を言うんだ。全然そんな事は無いぞ!安心してくれ。」


 美波には俺がどう視えているのだろうか?少し心配になるなぁ。


 「はぁ〜、分かったよ。この人が秋元浩志。僭越ながら私の兄をやってもらっている人です。」


 溜息をつきながら、しょうがないと言わんばかりに美波が重い口を開く。


 「何て雑な紹介!もっとこう…あるだろ?良い感じのが…。」


 「ない。」


 キッパリ!悲しいぞお兄ちゃん。


 「で、この子が今年度から引っ越してきた…。」


 「潮風栞です。始めましてお兄さん。」


 「ああ、宜しく。」


 なんかこっちまで緊張しちゃうな…。現実感が無い。出で立ちがファンタジー系のアニメや漫画に出てきそうだもの。


 「失礼かもしれないけど…潮風さんはハーフか何か?」


 「はい、北欧生まれの母と日本人の父のハーフです。」


 「そうなんだ…。珍しいね。」


 「ほら、もう良いでしょ?栞ちゃんもお兄ちゃんに構わなくていいから部屋に戻ろう。」


 「え〜、せっかくだしお兄さんも誘おうよ。」


 さり気なくとんでもない提案をする潮風さん。流石にこの年齢になって、その絵面はとてもお茶の間には放送出来ない光景になるだろう。


 「も〜う栞ちゃんは冗談きついな〜。この歳で兄と遊ぶ妹はヤバイって。」


 その通りだ。少し寂しいけど、妹が一般的な感覚を持っていて安心だ。


 「そうかな?…お兄さんは私と遊びたくないんですか?」


 (聞き方!凄くいかがわしい風に聴こえるから!)


 「もう良いでしょ。部屋に行こ。」


 「は〜い。」


 不満気な潮風さんを美波は強引に連れて行った。


 「ふ〜、一安心だぜ。なんか色々と凄い子だったな…。」


 ああいう子は相手をするのも一苦労だ。せっかくの愛しのマイハウスが安全地帯じゃなくなるかもしれないなんて…。


 「取り敢えず、俺も部屋に戻ろう…。疲れた。」


 


 「…?あれ、メッセージが届いている。」


 部屋に戻った俺はぐーたら…その日の疲れを癒していたが、美鈴から連絡が入っているのに気付いてた。…なになに。


 「部員一人確保!因みに女の子ですよ!」


 あー、そういえば友達に聞いてみるって言ってたもんな。ok貰ったのか…。妄想だと思ってたのに…。となると、後は二人か…。


 流石に男女差は考慮した方が良いのか?要分からんな…。一応、俺も男子に声を掛けて……。


 意外な出来事も疲れもあり、思考を放棄し眠りに誘われる。

 …だが、その世界から目覚めさせたのもまた意外なものであった。



 「お兄さん…起きてください…。…起きないと…。」



お読みいただきありがとうございました!安全地帯だったはずの我が家に、まさかの銀髪ハーフ美少女・栞ちゃんが降臨しました。距離感のバグり方が誰かさんにそっくりな気がしますが、類は友を呼ぶということでしょうか……。

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