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第11話 女の娘には言って良い事と悪い事がある!!

 「まぁ〜取り敢えず、文化部か運動部にするか決めようぜ。」


 「そうですね。」


 電車から降りた俺達は、学校まで肩を並べて歩いた。


 「…できれば、運動部は避けたいですね。」


 「…その心は…?」


 「やはり男女差の問題がありますし…二人で始めるに辺り、足並みは揃えるべきだと思います。」


 「お、意外と真面目な意見でびっくり。てっきりどっち付かずと思ってたは…。」


「む〜、茶化さないで下さい!!私はこう見えなくて真面目なんですから!!」


 軽口を叩く俺に言うのは分かるが…後半は冗談なのか…。


 「兎に角、私は文化部を推しますね。秋元さんはどうです?」


 「うん。俺も賛成だな。実を言うと運動部特有の上下関係っやつはどうも肌に合わんらしい。」


 中学時代はそのせいで、部内がぎくしゃくしたからな。同じ事は出来れば避けたい。


 「では、決まりですね。私達の部活は文化部に決定しました。パチパチ。」


 わざとらしく手を叩く倉瀬。それはつまり、ツッコミ待ちで宜しいのかな?


 「あのな…未だ序ノ口も序ノ口。内容を決めなきゃ意味ないだろう。一口に文化部と言っても数限り無い。芸術系なのか…学問系なのか、はたまた室内競技なのか。」


 「分かってますよ。秋元さんは冗談が通じませんね〜。乗りが悪いですよ。そんなトーク力じゃ、私以外の女の娘と仲良く出来ませんよ。」


 むかっ。何だよ…人がせっかく真面目に考えたのに、当のこいつはやる気があるのか無いのかよう分からん。

 そんなにジョークが好きなら、こっちにだって考えがあるぞ。


 「まぁ〜、そんな不器用なところも秋元さんの良い……。」


 「いや〜、実はそうなんだよね。俺は倉瀬以外は眼中に無いからさ〜。倉瀬は俺の事分かってくれるから…。とても大事な存在だ。」


 ふふ…どうよ?お返しだぜ。さぞ、面白い返しが出来るんだろうな?


 「………。」


 「おい、どうしたよ。何か反応してくれないと困るな〜。こっちが滑ったみたいじゃないか?」


 倉瀬は口を開けて、固まっていた。そして、みるみる顔が紅色に染まっていく。


 「そ、その…気持ちは嬉しいんですが、恥ずかしいですよ。急に言うのは反則です。あ〜どうしよう、どうしよう?」


 顔を押さえ、その場で足踏みをする倉瀬。おっとこれは…もしかしてもしなくても、こちらの意図が伝わっていない恐れが…。そして、ここから冗談だった何て言える奴がこの世に居るのか…。今からでも入れる保険はありますか!え〜い、ままよ。


 「…な〜んて、冗談とか言ってみたりちゃったりして…。」


 「………はい?」


 …その後の事は言うまでもないだろう。めっっちゃ怒られた。それはもう…倉瀬の顔が、般若の仮面を被った鬼の様に見えたのは気の所為ではない。だが、これは言う通りに反省しなければなるまい。




 「最っ低です!乙女の純情を弄ぶなんて!人間のする事じゃなありませんよ。」


 「ごめんて、やり過ぎたのは認めるよ。ほんの冗談のつもりだったんだ。」


 学校に着いたは良いものの、倉瀬はまだお冠だ。悪いのは俺なのは重々承知の事だが、話の続きをしたい。


 「悪気はない、冗談だったで済むなら警察は要りません!乙女心貶し罪で逮捕ですよ。執行猶予は付きません。」


 「そんな…そこを何とかなりませんか?反省しているんです。赦して下さい。」


 「……本当に反省してますか?…これから私の言う事を一つ聞いてくれるなら赦してあげます。」


 おっ、勝算ありか?


 「もちのろん!俺に出来る事なら何でもしますから!なんなりと!」


 深々と頭を下げる。俺のプライドなど捨てはすれど、拾う価値なんてないのだから。


 「…別にそこまでしなくても良いですよ。ただ、一週間、私に付き合ってくれれば…。」


 倉瀬からの提案はこれから一週間の間、自分の体験入部に付き合って欲しいと言うものだった。


 この学校では、入学してからの短い期間に体験入部週間というものがある。未だ、学校に馴染めていないであろう新入生に対して、各部活が様々な催し物を企画する。

 

学校側は生徒に早く馴染める様工夫し、部活動側も怖いイメージを持たれず、部員を確保出来るという訳だ。


 とはいえ、催し物と言っても色々あり、学校の趣旨を汲み、ちゃんとやるところもあれば、関係無く普段通りの活動をする部活もある。


 文化部は前者、運動部は後者の傾向があるが、その場限りのお祭り感覚よりも普段の雰囲気の方が俺は有難いと感じてしまうのは運動部にいた事があるからだろうか…。


 「まぁ…別にそれ位なら構わないけど…。」


 「は〜、良かった。」

 

 (意外…と言うのも失礼かもしれないが…この性格なら同性の友達位、もう作っているものとばかり…。)


 昇降口に着き、上履きへと履き替えようとした時、ある事が頭に浮かぶ。


 (いや…流石にこれは聞いちゃ不味いよな。さっきもデリカシー無いって言われたばかりだし…。でも、正直気になる。)


 意を決して、俺は踏み込む。


 

 「…俺の勘違いかもしれないけど…もしかして、倉瀬って友達居ない?」



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