第41話 収束点 〜街ごと静止 崩れた構図 全ての戦線 ひとつに収束〜
五番街。
ドレッドワームが頭を持ち上げた。
その時。
ギィィ……。
止まった。
ガシャーンッ!
ドレッドワームが横たわる。
ファルコン少佐は、その場に立ち尽くした。
「止まった……。何が起きたんだ……」
ヴァンガードの一人が駆け寄る。
「少佐! 他のメカどもも完全に停止しています! 一体、何が……」
「壱番街から無線です! 同様に、全てのメカが停止しているようです!」
ファルコン少佐は、首を振った。
「わからん……。ひとまず……助かった、ということか」
同じ頃、13番街。
迫り来るメカの大群。
ブレードレイダーが、デヴィンに向かって飛び上がった。
マイクが振り返る。
「しまった!!」
肘当てに置いたデヴィンの手が、ゆっくりと握られる。
その時──
ドンッ!
ブレードレイダーは、デヴィンの足元に落ちた。
デビルズ達は辺りを見渡す。
「ガラクタどもが……」
「止まった……」
デヴィンは、ニヤリと笑った。
「そうか。面白え」
テレンスが、デヴィンを振り返った。
「やったのか?……あいつら」
フロイドが拳を解く。
「ああ。そうみたいだ」
マニーが天を仰いだ。
「フリークスが──」
ジェシーが笑った。
「ハハハ! やりやがったかぁ!」
マイクがデヴィンに歩み寄る。
「デヴィン──」
言いかけたマイクを、デヴィンが遮った。
「マイキー。デビルズは負けねえ」
そう言うと、デヴィンは拳を突き出した。
マイクは静かに拳を合わせた。
「ああ。そうだな──ボス」
──南の森。
セラの前を歩くワイザーの足が止まった。
「ワイザー? どうしたの?」
「止まった」
セラは首を傾げた。
「何が?」
「ほほ。街がじゃ」
「街?」
ワイザーは、ゆっくりと振り返った。
木々の間に見える街を眺めて言った。
「そしてまた、動き出す。激しく、のう」
「ウィーニーは……無事かな?」
ワイザーは笑った。
「ほほ。大丈夫じゃ。またすぐ会える」
西の遺跡群。
地上に出た二人を、フリークス達が迎えた。
シャクールがウィーニーの頭をぐりぐりと押さえる。
「痛いよ、シャクール!」
「うるせえ」
オスカーが、ロベルトに歩み寄った。
「ロベルト、よくやった」
「……よくやった、かぁ! もうちょっと気の利いた事言えやぁ」
オスカーは、砕けた鉄塔の残骸を見た。
「ふん。いらんだろ、お前には」
「ああ。いらねえ」
ロベルトはそう言うと、ウィーニーを見た。
「全部、計算通りってかぁ、オスカー」
オスカーもウィーニーに視線を移す。
「いや……計算外だ。何もかも」
「ふん。珍しいなぁ、お前が計算外を認めるなんてなぁ」
「感情は、計算できん」
ロベルトは静かに呟いた。
「でもトドメ刺したのは、あのガキだぁ。ふっ、戦争を持ち込んで、自分で終わらせる……変なガキだぜぇ」
「全くだ」
落ちかけた夕暮れの光が、アジトに帰るフリークス達を照らした。
ウィーニーは、空を見上げた。
セラのことを思った。
ワイザーのことを思った。
前に座るシャクールが言った。
「ウィーニー、後で説教だ」
「……うん、わかってる」
シャクールは前を向いたまま言った。
「よくやった」
ウィーニーは、空を見上げたまま答えた。
「……うん」
──13番街。
メカの残骸を片付けるデビルズ達。
デヴィンは、ゆっくりと立ち上がると、目の前に落ちたブレードレイダーを見下ろした。
ガシュッ!
ブレードレイダーの頭を踏み潰すと、デヴィンは静かに言った。
「ストリートの王は──オレだ」
その頃、ウィーニーは──まだ空を見ていた。




