表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
27/74

第23話 Devils Going to War! 〜人間だろうが メカだろうが 神だろうが 魔王だろうが 全部 敵だろうが〜

 数刻前──

 クラブ666の最深部。

 漆黒の円卓。

 六つの椅子。

 トップ6が揃っていた。

 そしてその奥に──キング・デヴィンが鎮座する。


 マイクが口を開いた。


「ロベルトから報告があった。ウィーニーが帝国軍に捕まった。メカにも狙われた、と」


 テレンスが口を開く。


「ああ、オレも聞いたぜ。ロベルトが助けたんだろ?」


 フロイドが続けた。


「よかったじゃねえか」


 マイクが、組んでいた腕を解き、そっとテーブルに置いた。


「ああ。あいつはデビルズ加入以前から追われてる。人間にも、メカにも」


 トップ6の一人、MCナンバー5、マニーがトントンと指で机を叩いて割って入る。


「おっと、そりゃ問題だぜ、ブラザー。あのガキに何かあるってことだ」


 マイクは、静かに頷いた。


「ああ。あいつはおそらく普通の人間じゃねえ。あいつは……」


 MCナンバー6、ジェシーが、爪を噛みながらマイクを睨んだ。


「あいつは、なんだ、マイク。早く言いやがれ」


 マイクは静かに言った。


「──光るんだ」


 ジェシーは顔を歪めた。


「はあん!? なんだそれ」


「怒ったり、ピンチになると光る。そしてとんでもねえ力を出す──」


 マニーが、訝しげにマイクを見た。


「聞いてねえぞ、そんなこと。黙ってやがったのか、マイク?」


「いや。ロベルトの報告で確信に変わったんだ」


 ジェシーは、激しく爪を噛む。


「んで、何者なんだ、あのガキ?」


 マイクは首を横に振った。


「わからねえ。でも、普通の人間じゃねえってことは確かだ」


 マニーは、頭を掻いた。


「変なもん入れたなぁ、ブラザー」


 黙っていたMCナンバー2、オスカーが口を開いた。


「問題はそこじゃねえ、だろ? マイク」


 マイクは、静かに頷き、ずっと目を閉じているデヴィンを見ながら言った。


「ああ。ウィーニーが追われる。つまりデビルズが、追われてると同意だ。それは、あっちゃならねえ」


 トップ6達の目が、鋭くなる。


 オスカーが答える。


「それだ」


 マニーの机を叩く指が早くなる。


「おいおい、マイク。まさかあのガキのために戦争仕掛けるって言いてえのか?」


 ジェシーは笑った。


「面白えじゃねえか、その話。乗った!」


 マニーはジェシーを振り返る。


「クレイジージェシー、お前、本気か? フロイド、テレンス、お前らは?」


 テレンスは、マイクの肩を叩いた。


「マイクが覚悟決めてあのガキ入れたんだ。仕方ねえ」


 フロイドは、首を鳴らす。


「デビルズは負けねえ」


 マニーは、指の動きを止めた。


「……そうか。わかった。お前らが腹決まってるなら、いいぜ。オレも乗ってやる」


 それを聞いてオスカーが、首を振った。


「反対だ」


 トップ6の視線がオスカーに集まる。


「人間とメカとの戦争。得体の知れないガキのために、デビルズが死ぬ。わかってんのか、マイク?」


 マイクはあっさり言った。


「ああ。そうだ」


バンッ!


 オスカーが机を叩いた。


「その責任をお前が背負うって言ってんのか、マイク! お前の命でも差し出そうってんのか! 誰の勝ちになるんだ、それ!」


 デヴィンが、片目をゆっくり開けた。


 一瞬沈黙が落ちる。


 オスカーは、マイクを指差して静かに言った。


「マイク、よく考えろ。必ず犠牲は出る。それはデビルズそのものかもしれねえ。そのリスク背負ってまで、何が得られる? その先に、何がある? 答えろ」


 マイクは、即答した。


「可能性。そして、自由だ」


 オスカーは、ドスンと椅子に座った。


「デビルズが、終わる可能性だとしても、か?」


 マイクが、デヴィンに目線を移す。


「決めるのは、オレじゃねえ──ボス、デヴィンだ」


 デヴィンは、ニヤリと笑って言った。


「その前に──客がきたぞ」


 トップ6が振り返る。


 フロアから、黒い霧が立ち昇る。

 同時にフロアが揺れる。

 空気が軋しむ。


「ストリートデビルズ──」


 低く重低音のような声が響くと、バーカウンターのグラスが弾け飛んだ。


 その霧は大きな人影を作った。

 その背中に巨大な漆黒の翼。


 マイクが、小さく言った。


「魔王の使者」


 ジェシーが鼻で笑った。


「フン。地獄からわざわざ、何の用だ?」


 魔王の使者と呼ばれた魔族は、デヴィン達を見下ろした。


「貴様らの勝手な行動は目に余る。控えよ。魔王の命令だ」


 フロイドが、腕を組み口を開いた。


「おいおい、てめえ誰に言ってるのかわかってんのか?」


 テレンスが続く。


「Yo、オレ達は、デビルズだぜ? 忘れたか?」


 魔王の使者は、続けた。


「貴様らは悪魔。魔族だ。魔王の許可なく戦争を始めることは出来ぬ」


 マニーがニヤリと笑った。


「面白えことを言うなぁ。デビルズにそんなモンは必要ねえ。悪魔より悪いやつは許さない。お前らのためでもあるだろ」


「魔族は、いずれこの世界を支配する。魔王ダマト様の導きのままに。だが導くのは──貴様らではない。弁えろ」


 その時、デヴィンはニヤリと笑みを浮かべて席を立つ。


「そうか」


 デヴィンは、ゆっくりと魔王の使者に近づいた。


「マイキー、これで決まったなぁ」


 マイクは、デヴィンを見上げた。


「デヴィン……」


「魔界の王がそう言うなら、仕方ねえ」


 使者は頷いた。


「わかればよい」


 その時。


ドン!


 デヴィンは、自分の胸を叩いた。

 トップ6は席を立つ。


ドン!ドン!


 デヴィンの音に合わせて、トップ6が胸を叩く。


ドン!ドン!


 一歩、また一歩と使者に近づくデヴィン。


ドン!ドン!ドン!


 使者に顔を寄せたデヴィン。


 コーンロウを撫でる。

 髭を摘む。


 そして口を開いた。


────────────────────

YO

オレ達は誰だ

ストリートデビルズ

縛られねえ 従わねえ 枠ごと壊す

それがオレ達の存在証明 揺るがねえ鼓動

人間のガキ? 関係ねえ

デビルズに入った以上 デビルズだ

それがルール それが全て それが信条

メカが来る 帝国が来る 神が来る

それがどうした 来るなら来い 受けて立つ覚悟

失うものがある オスカー お前の目は信用する

でもな

失う覚悟がねえなら そりゃ悪魔じゃねえ


YO

命令? 笑わせんな

自由の上にルールなんかねえ


YO

オレ達は何のために生きてる

命令のためか 生存のためか

違えだろ

自由のためだ

その自由を脅かすもんは

全部 敵だ

人間だろうが メカだろうが 神だろうが 魔王だろうが 全部 敵だろうが


刻めねえビートはねえ

許可はいらねえ

オレ達がホンモンのアウトロー

ニセモンは底に引っ込んでろ


魔王に言っとけよ そこのお使い

ストリートはデビルズのもん

オレ達が決める 全部 何もかも


支配? 導き?

そんなもん 全部いらねえ


オレが決める

それが世界だ

────────────────────


 デヴィンはゆっくりと右手を上げた。


「Devils」


 今度は、左手。


「Going」


 使者の顔に額を当てた。


「to War────────!!!!」


ガガガガガッ!


 デヴィンの叫びで、ホールが軋んだ。


 魔王の使者は、霧となって消えた。


 静寂が落ちる。


 誰も動かない。


 デヴィンは、笑った。


「ストリートの王は──オレだ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ