第92話 てめえの相手は、このオレだ 〜燃え上がるRed Sky 魔族のRaid 踏み砕くPride 叫べStreet Devils 狩る側はオレらだ〜
「叫べっ!! アウトローのアウトローオオオォォォっ!!」
「行くぞっ!!」
デヴィンの叫びと共に、トップ6が一斉に地を蹴った。
マイクの剛腕が、先頭のヘルドラゴンライダーの顔面を捉える。
ガンッ!
「オラァ!」
テレンスが、地を這うように滑り込み、二騎目の足元を薙いだ。
フロイドは、バイクごと三騎目に突っ込み、そのまま真横に弾き飛ばす。
「ハハハハッ!!」
ジェシーは、四騎目の背に飛び乗り、無造作に殴りつけた。
「オラオラオラァ!!」
マニーの拳が高速で連打され、五騎目の鱗を削っていく。
オスカーは、六騎目の攻撃を最小限の動きで避け続けていた。
だが。
「クックックッ……悪くはねえが」
ヘルドラゴンライダーの一体が、口の端を歪めた。
竜が、咆哮した。
ガアアアアァァァァ!!
炎の息が、テレンスを直撃する。
「くっ……!」
テレンスの体が、地面を転がった。
「一人一体相手は……足りねえか?」
マニーの息が、上がり始めていた。
互角。
いや、ゆっくりと押され始めていた。
地獄の高位魔族が駆る凶暴なヘルドラゴンは、確実にトップ6を削っていた。
ジャロンは、後ろに控える魔族の軍勢に向かって、静かに手を上げた。
「トップ6。クックックッ、その程度か」
配下の魔族達が、血の気を取り戻す。
「お前らは、デヴィンだけを、狙え」
その号令と共に、地獄の軍勢が、玉座のデヴィンただ一人に向かって雪崩れ込んだ。
シャクールは、慌ててロベルトを振り返った。
「ロベルト! フリークスは、どうする!?」
ロベルトは、玉座に座ったまま動かないデヴィンをチラリと見ると言った。
「出るな。キングを守れ」
「守れったって……この数……」
ウィーニーは、力の入らない膝を抑えて立ち上がった。
「やるしか……ない」
ストリートデビルズの下層。
トラッシュ、ランナー、ヒッター達は、地獄の魔族の圧倒的な数を前に、なすすべもなく吹き飛ばされていく。
「うわあああぁぁぁ!!」
「た、足りねえ……こんなの……」
シャクールが、炎を振り回しながら叫んだ。
「くそっ、キリがねえ!!」
壱番街。
ソルセリオンは、13番街の戦況を静かに見つめていた。
「なるほど。相手は、森の討伐に介入してきた悪魔……」
赤く染まる空を見上げ、小さく呟く。
「粛清、か」
側近が目を細める。
「魔族が……同族を?」
ソルセリオンは、ただ静かに目を閉じた。
なぜか、ロベルトは動かなかった。
じっと腕を組んだまま、オスカーを見ていた。
「インテリィ。万策、尽きたかぁ?」
その時。
ヘルドラゴンライダーを相手にしていたオスカーと目が合った。
オスカーは、ロベルトの顔を見るとニヤリと笑った。
「予定通りだ」
その時。
ブオオオオオオンォォォンッ!!!
地を裂くような轟音。
暗闇を、無数の炎の尾が横切った。
「な……なんだ!?」
巨大なバイクの群れが、次々と戦場に雪崩れ込んだ。
「ジャ、ジャック!!」
ウィーニーは思わず叫んだ。
デヴィンは、目を細めてその先頭を走る白髭の悪魔を見つめた。
「よぉ、楽しそうなことしてるじゃねえかぁ!」
ジャックは、葉巻を吹かしながら、地獄の軍勢を眺めた。
「地獄狩りだぁ! ロックンロール、ベイビー!!」
「うおおおおおおぉぉぉ!!!」
ヘルズロッカー達が、雄叫びと共に地獄の軍勢へ突っ込んでいく。
ジャロンの顔が歪んだ。
「援軍、だと?」
ロベルトは、ヘルズロッカー達を確認すると、何も言わずに歩き始めた。
「ロベルト、どこに? オ、オレも──」
ウィーニーが、後に続こうとするとロベルトは振り返らずに言った。
「ガキィ。てめえは、そこで見てろやぁ」
ロベルトは、ジャロンだけを見て歩き出した。
「オレも行く。オレも戦える……」
それでも追おうとしたウィーニーの首を、デヴィンが無言で掴んだ。
「ぐっ! デ、デヴィン……」
デヴィンは、何も言わずロベルトの背中を見つめていた。
ジャロンはヘルズロッカーに押される魔族を見て、歯軋りした。
「老ぼれ悪魔が……今更邪魔をしに来やがったか」
ジャロンが、一歩踏み出そうとした、その時──
「よぉ、ジャロン。よそ見してんじゃねえよぉ」
その前に、ロベルトが立ちはだかった。
「奇形が」
ロベルトは一本角を撫でながら、ニヤリと笑った。
「てめえの相手は、このオレだ」




