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#67
「……」
テツヤの言い分に、何も言い返せない中年男。バクチで言うところの潮目が変わったってヤツだ。
視線は定まらずキョロキョロ、額からは汗がダラダラ。主導権争いに敗れた中年に、もはや反論する力はナッシング。
そこへテツヤが手を伸ばして、中年の持ってたアイスピックをひったくると、そのままズドンとテーブルの上に突き立てる。
「ひっ」
椅子から転げ落ちそうになる中年に、テツヤがすごむ。
「雑魚がイキがって、イカサマとかほざいてんじゃねえッス」
「……覚えてやがれ!」
わかりやすい雑魚の捨てゼリフを残して、中年が逃げ去る。その姿が完全に見えなくなってから、テツヤはテーブルの上に倒れこんだ。
「お、おい、どうした兄ちゃん!?」
慌てて老人が駆け寄ると、テツヤは歯みがきのチューブを絞るみたいに無理やり声を吐き出した。
「メチャクチャ怖かったッスう」




