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「オレが勝ったら、こいつをテメーの目玉に突き刺してやる。右目と左目どっちがいい」
右手に6が出やすいイカサマサイコロ、左手に先っちょのギラギラとんがったアイスピックを持って、中年男はニヤニヤ笑う。
けど、テツヤも負けねえッスとばかりに似たような笑みで対抗。
「いや、まだわからねえッス。今からオイラの方に、いい風が吹いてくるところッスから」
必要以上に大きな声で告げるテツヤを見て、老人は恐怖する。
(こいつ、状況をわかってねえただのバカなのか? それとも、ワシの理解を超えた大物なのか?)
もしここでテツヤが負けたら、テツヤが目玉を失ってハイおしまいとはならない。老人だって良くてボコボコ、最悪同じ目に遭わされる可能性だってある。
助かるにはテツヤが勝つしかないのに、当のテツヤは何を考えてるんだかわからない。
そして、中年がサイコロを振る瞬間も、絶望的な気持ちで見守る他に何もできない。




