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#64
テツヤの出目が4ってことは、これに負ける出目は1と2が出た時の合計3のみ(1のゾロ目なら勝ちだから)。
老人の顔を見る限り、わざとやったワケじゃないみたいだけど、タイミングが悪すぎだってテツヤも思う。
一方、中年男の方はこの結果にニンマリ。
「はは、残念だったな」
左手でアイスピックをもてあそびながら、老人に向けて右手を差し出す。
「サイコロよこせや」
「そこにあるだろ」
老人がティーカップを視線で示すと、中年はフンと鼻で笑って、掴んだサイコロを肩越しに後ろへ投げ捨てる。
「オレはそっちが振りてえんだよ」
「……」
テツヤの振ったサイコロが2の出やすいものってことは、まだ老人が持ってるのは6が出やすい方。ただでさえ勝つ確率が低いのに、そんなのを使われたらほぼ絶望的。
なのに、テツヤは強気を崩さない。
「渡してやるッス」
「だが」
脅える老人に、テツヤは不敵に笑う。
「まだ勝負はわからねえッスよ」




