190/350
#190
「そんなワシがギルドのためにできることといったら、賭場でこうしてディーラーをするぐらいだ。それからも逃げたら、もうワシには何も残らないんだよ」
「ネリキリ……」
悲壮ささえ感じるネリキリの決意に、テツヤもそれ以上何も言えなくなる。
「まあそれもそうですけれど」
「だから言っちゃダメッスって」
けど、そんな決意もカヌレにとっては知ったこっちゃない。
「そんなくだらねえおしゃべりはどうでもいいんだよ。勝負するんなら、さっさとカード配りやがれ」
「……」
ネリキリは自分のカードを見て、そのまま伏せた。
「勝負だ」
それを聞いて、カヌレも配られたカードを覗きこむ。
チラッとだけど、テツヤにも書かれた数字が見えた。
(……9ッス)
ネリキリが10じゃない限り、カヌレが勝つ。
そんな状況で、ネリキリは告げた。
「これだけじゃ面白くない。上乗せしようじゃないか」
「上乗せだと?」
いぶかしげなカヌレに、ネリキリはハンマーを視線で示す。
「ワシは左腕も賭ける。だからおまえも右腕賭けろ」




