第四話 6体の竜《ドラゴン》の姿 ~後編~
「──んで? その黄緑色の竜はなんつってたんだ?」
スティーブはヘレナを試すような口振りでそう言った。
「私たち人間には、契約した竜の言葉しかわからないんだって。──あれ…?」
風竜が言ったことを再び自分の口で言ったことで、ヘレナはようやく気づく。
「──私、風竜とは……契約、してないのに……」
ヘレナはそうつぶやくと風竜のほうに目をやった。
「──続けて」
アランの言葉でヘレナは風竜の言葉を繰り返す。
「竜は竜同士で会話できるし、契約していない人間の言葉もわかるらしい……」
「──そうなのか?」
スティーブはウィリーに確かめウィリーはその言葉に頷いた。そして再び皆の視線はヘレナへと向かう。
──しばらく沈黙が続いた。
そして──
『お前……まさか──』
「まぁまぁ……細かいことはいいじゃん!! 気にしない、気にしない。次は、エレンがいくよーーっ!!!」
火竜が何かを話そうとしたとき、エレンの元気のいい声がその言葉を遮った。そして彼女は自分の竜を呼び出す。
──エレンの竜は吹雪の中から現れた。
その竜の名は──
──氷竜〖glacial dragon〗──
翼・鱗が水色で眼は雪のように白い竜。氷竜のことは〖グレイ〗と呼べばいいらしい。
次にアランが自分の竜を呼び出す。アランの竜は水の竜巻のようなものからその姿を現した。
その竜の名は──
──水竜〖aquatic dragon〗──
翼・鱗が青色をしていて眼はまるで深海のような紺色をした竜。そして水竜のことは〖アクア〗と呼べと言われた。
アランの次にスティーブが自分の竜を呼び出す。スティーブの竜は空を切り裂く稲妻と共に現れた。
その竜の名は──
──雷竜〖lyzer dragon〗──
翼と鱗は雷・そして電気を想像させる鮮やかな黄色で、眼は紫色の竜。雷竜は強めの口調でまるで命令するかのように、『〖ライザー〗と呼べ』と言った。
そして──
残るは、ヘレナ一人となった。
『お前、さっき契約をしていないはずの私たちの言葉がわかると言ったな……?』
アーデントが言ったことにヘレナは頷く。
そのことに後から呼び出されたグレイ・アクア・ライザーは驚くと共に、ヘレナを鋭い目でじっと見つめた。
『──呼び出しなさい──』
「──え……?」
『──あなたの竜を、呼び出しなさい』
ヘレナはしばらくアーデントを見つめていたが、5体の竜を見ると彼女は頷き、そして口にする。
彼女の、竜の名を──
「──神竜〖effulgent dragon〗──」
次の瞬間……
まばゆい光が、彼らを包み込んだ──……




