②ボコのぼやき 其ニ
ボァァぁぁ
ボァァぁぁ
ボコは怒っていた。
ボコはむしゃくしゃしていた。
ボコはイラッとしていた。
「ボコ こっち向いて」
アンちゃんがクスリと笑って
優しく鼻面を撫でた。
そんな事で騙されない。
おいらは怒っているんだ。
最近
アンちゃんは、おいらより
乙女とか言う美味しそうな匂いの人とか
スキップになってないスキップをする
女の子とか
…ミオさんとかいう
輪郭がぼやける
今にも海に溶けてしまいそうな人とか
ミオさんとか言う人
おいらに笑いかけてくれるから
好きなんだけど
フッと消えそうなんだよな。
そんな人ばっかと一緒に居て
おいらの傍にあまり居てくれない。
べ、別にいいんだけど
一人でご飯食べても
一人で昼寝をしても
一人で遠出しても
なんかつまらん。
おいらは怒ってるんだ。
そんなに優しく撫でたり
話しかけたりしても
今更遅いんだ。
そういえば
前の優しくしてくれたお姉さんも
センセが来てから、
おいらと一緒に出かけることが
減った事があったな
すぐセンセが一緒に暮らすようになって
クッションが大きくなったり
ご飯が大きくなったりしたな。
ご飯はおいしかったよ。
お姉さんは チューボーってとこで
働いてたからご飯がうまいって
センセが褒めてた。
センセはお姉さんが笑うと
一緒になって笑うんだ。
おいらも一緒になって笑ったなぁ
センセは姉さんが寂しそうにすると
すぐヨシヨシって撫でてた。
おいらはただ見てるだけだった。
何にも出来なかった。
あの日、あの雨の日から
センセが来なくなった。
クッションは冷たく固くなって
時々ご飯も忘れられたけど
お姉さんはおいらをいっつも
抱きしめて泣いてた。
アンちゃんも
乙女とかいう人や
女の子や
…澪さんとか言う人がいなくなったら
泣くのかな
そいでおいらを頼るのかな。
{ボコはアンちゃんを盗み見た}
ボコの鼻面を撫でるアンちゃんは
寂しそうだった。
やっぱアンちゃんは泣いてたらダメだ。
お姉さんも泣いてたらダメさ。
やっぱり泣いてヨシヨシしても
晴れないよな
楽しいことがなきゃ
笑える事がなきゃ
アンちゃんは笑ってなきゃダメだ。
もう泣くような想いはさせちゃいけないんだ。
なんで?
なんでってさ
お姉さんと同じくらい
アンちゃんが好きなんだな
アンちゃんが好きだから
構ってくれないと怒っちゃうんだ。
「ボコ 特製のご飯作るから
機嫌なおして~」
ほらそうやって すぐご飯で釣るんだから
ボァァぁぁん
「ありがとうボコ」
ご飯に釣られてたんじゃないぞ
アンちゃんが笑ってくれるから
おいらは ご飯を食べて
機嫌なおしたフリをするんだからな。
ご飯が大盛りだからじゃないからな




