高校生ユーリ~1年生~①
さて!
やってきました高校生活。ユーリも晴れて女子高生です。
咲野家では高校から携帯電話が解禁になるので、ユーリも白い携帯電話を買ってもらいました。
今日は緊張、登校初日。入学式です。
(よーし・・・ここでは、友達作るぞ・・・)
まず校門をくぐり、受付表をもらって自分のクラスに向かいます。
知らない人ばかりで、ユーリの心臓は破裂寸前。
(ど、どうしよう、隣の子とか話しかけてみようかな・・・でもうまく言えなかったらどうしよう・・・優しい子だといいけど・・・どうしよう・・・)
悩んでいるうちに、担任の先生が来て簡単な説明があった後、すぐ体育館に移動になってしまいました。
(えーん、話しかけられなかったよ・・・よし、帰ってきたら話しかけるぞ・・・名前くらい、聞けるよね)
式は着々と進み、点呼も難なくクリア。
校長先生や祝辞なども終わり、眠たい目をこすりながら退場します。
体育館を出て伸びをした時、
「ユーリ!ユーリ!」
と、後ろから女の子の声がしました。
(え、なに、誰・・・?)
「ユーリ!!あたし覚えてる!?」
「・・・あいちゃん!」
幼稚園と小学校と一緒だった、瀧本愛ちゃんでした。
ぐんと背が伸びて髪も伸び、すらっとしていてまるでモデルのような雰囲気です。
「わーユーリだ!久しぶり!まさかこの高校で会うなんて思わなかったー嬉しー!」
「あたしも、嬉しい!あいちゃんも、っ・・・・・・と、とと遠いのに、こっ・・・・・・こ・・・こ、この学校にしたんだね」
「あたし中学途中で引越してさ、今はこの近くなのー。ユーリこそ家遠いじゃん、こんなとこまでどうしたの?」
「・・・・・・えー、と」
(・・・いじめに遭ってたって・・・言えないな、恥ずかしいや・・・)
あいちゃんの綺麗で大きな目に見つめられて、ユーリは本音を言うのが恥ずかしくなりました。
「いろいろ、あって、ね」
たはは、と笑うと、あいちゃんの目が急にぐっと近づいて
「なんか隠したでしょ、ユーリ。あたし幼馴染だよーわかるんだからぁ」
ユーリの頬をつんつんつつきながら、あいちゃんは笑って続けました。
「無理には聞かないけど、言いたくなったらいつでも聞くからねっ!あ、やばい先生だ!ねえ、ユーリ何組?」
「び、B組」
「B組かぁ・・・あたしA組なの!また喋ろうね、じゃっ!」
明るく手を振ると、あいちゃんは走り去って教室の方に向かっていきました。
(A組かぁ・・・あいちゃん、頭も良いんだ・・・綺麗だし、いいなぁ)
この高校は、成績順にAからEまでクラス分けされるのです。
(あたしは・・・うまく話せないし・・・スタイルよくないし。落ち込むなぁ。神様、不公平だよ・・・)
はぁ、とため息をつくと、廊下の向こうからあいちゃんの声がしました。
「ユーリ何してんのー?もう時間だよぉーユーリも早く教室戻りなよー!」
離れていても伝わる満面の笑み。ぶんぶんと音が鳴りそうなぐらい振られる手。
変なあだ名じゃなくて、ちゃんと名前を、読んでくれる、声。
(友達・・・久しぶりだな)
ユーリも小さく手を振ると、自分の教室に向かって歩き始めました。
しっかり前を見て、胸を張ります。
もう1人じゃない。
(がんばって、たくさん友達作るぞ!!)




