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第十話:勃発!身内バトル

「実戦である」


「じ、実戦……?」


「うむ、我は今日相討ちにより気絶してしまった、実に不甲斐ない」


王城は拳を構えたまま話を続ける、一旦降ろせばいいのに


「確かに基礎的な肉体は戦闘において重要であるが、ここでは能力《これ》がある……試合中だけでなく鍛錬として能力を開拓すべきだと我は思う」


「なるほど、開拓……いいですわね」


「じゃあ今日はそれでいくか」


武器の貸出機械をポチポチして各々武器を用意する


「フィールドと形式はどうする?」


「バトルロワイヤルでいいだろう、フィールドは……森林でいいだろう、誰も使ってない様だからな」


森林フィールド、全員が5m程離れて見つめ合う


「えーっと、それでは今からルールを説明します……だっけ」


「な、なんですかそれ……」


「試合前に流れるアナウンスだよ」


「制限時間は無し、他の全員を降参させたら勝ち。殺しは当たり前だけど無し」


「それでは……スタート!!!」


俺が開始を宣言したその瞬間、全員が俺の方を向いた


そして、向かって来た


「なんで全員俺の方来るんだよ!!」



「「「一番厄介!!」」」

「です……!」

「である」

「ですので」



一旦逃げる事に……いや、王城に拒否されてしまう……なら


「っ……ローカルルール【だるまさんがころんだ】!!」


だるまさんがころんだ:鬼が「だるまさんがころんだ」と言っている間に近づき、鬼が振り向いている間は動いてはいけないという遊び。その単純ながら奥深い心理戦と、知名度によりデスゲーム作品での採用率が高い。


俺が叫んで振り返ると、文毬と王城の足が反射で止まる……が


「なんですの、それは」


(そうなるよなぁ)


一直線に向かって来るエミリアの瞳は黄色に輝いて……黄色?


「はぁ!!」


エミリアが向けた掌から電流が流れる、火花を散らした閃光が俺の体に当たり


「あばばばばばばばこう……さ……ん」


「ふふふっ、あと二人ですわ」


その場に倒れて顔をあげると、エミリアの手の周りにはまだバチバチと電気が舞っている


「文毬 装呀、一時休戦だ」


「は、はい……」


「それでは、いきますわね」


エミリアが踏み出した瞬間、ピリッとした空気が広がる


そして、一瞬で王城の懐に潜り込んだ


「拒否!」


「あら、流石の反応速度ですわね」


「そして……許可!!」


王城が叫んだ瞬間、少し遠くで構えていた文毬が超高速で突っ込んで来た


「や、やああぁ!!」


しかし


「あらよっと、ですわ」


「何!?」


(避けた!?)


文毬の振りぬいた拳は避けられてしまった


(あれが電気の反応速度……というか何の花食べたら電気が使え……)


「ま、まだ!」


文毬の腕に纏わりついていた宝石が形を変えてエミリアの腕を掴みにかかる


(そうか、表皮15㎝以内なら自由に動かせるから……)


王城の手、文毬の手、宝石、四方八方からエミリアを捕まえようと伸びるが


「無駄ですわ」


「全部……捌き切った……?」


「さ、お二人ともご覚悟を……」


その時、エミリアの瞳が白色に戻った


「あら……やはり強大な力は使える時間も短いですわね……降参ですわ」


「あ、え」


「エミリア=F=シュヴァルツ、最初に食べた花の効果が切れただけでまだ戦えるであろう」


「いえ、もう無理ですの」


その時、エミリアが膝から崩れ落ちた。試合とか関係なしに全員が駆け寄る


「お、おい大丈夫かよ」


「な、何のお花食べたんですか……?」


「彼岸花……ですの」


文毬の顔が青ざめる


「彼岸花……あの赤い花であるか」


「お、思いっきり毒じゃないですか!」


「そうなのか?」


「えっと……彼岸花には強い毒性があって、吐き気・めまい・呼吸困難の恐れもあるんです……!」


「え、エミリアさん……なんでそんなの……!」


エミリアに問い詰める文毬の目は涙ぐんでいた、どれだけ怖がっても泣いてるところは見せなかった文毬が


「ゲホッ……でも私も馬鹿ではありませんのよ?致死量ほどは食べてませんし……それに【リスクがあれば強大な力を得られる】と言う仮説が得られましたわ」


「リスクが大きすぎます……!」


「とりあえず休める所に移動させよう、エミリア立てそうか?」


「その必要は無い」


王城の方を見ると、勢い良く息を吸っている


「必要は無いって……何言ってんだお前──」


「見ているであろう!!貴様らあぁ!!!!」


そして、爆音が飛び出た


他の被験者がこちらを見ているがお構いなしに王城は続ける


「今!ここで!被験者の一人が毒で苦しんでおる!もちろん救護を用意してあるんであろうな!あぁ!?」


「お、王城さっ……誰に向かって……」


その時、木々の向こうから白衣を着た男が現れた


「全く……人使いが荒いなぁ王城君は」


「来たか」


「誰……?」


疑問を抱く俺と文毬をよそに白衣の男はエミリアに肩を貸し、一緒に行こうとしている


「でもな、流石に試合外の怪我直すのはタダとはいかんよ?王城君から1ポイントもらうさかい」


「構わぬ」


「それじゃあ、明日までに完治させたるわ」


「頼んだぞ綱義 連」


行ってしまった


「王城、今のは?」


「先ほども言った通り我は今日気絶した。その時に医療室と呼ばれる所に連れてかれてな、そこで知り合った男である」


「医療室……つ、つまりお医者さんって事ですか……?」


「うむ」


「もしかして実戦形式をとったのも、怪我をしても医療室があるからって算段からなのか?」


「そうである……さて」


王城が少し下がり、拳を構える


「決着がまだであったな、文毬 装呀」


「あ、確かに……」


文毬が涙を拭いて構えなおす、頂上決戦だ


「いつでも来い」


「は、はい……」


……沈黙が降りた


「や、やああぁ!!」


文毬が踏み出して一気に詰め寄ろうとする、が


「許可」


「え」


文毬の体が超高速で王城の眼前に移動し、そのまま殴られる


「うぅ……」


「防いだ!」


「宝石を殴ると痛いな……ふん!」


「ひゃい!」


王城が勢い良く蹴り上げるのを文毬が避ける、一進一退の攻防


「え、えい!」


「拒否」


文毬の蹴りを王城が拒否した瞬間、文毬の体が木の上に登って行く


「ほう……」


文毬が木々の上を縦横無尽に飛び回る、それに対して王城は


「さぁ、どこからでも来い」


(構えた……)


木の葉の散る音が場を支配する中、一つの影が飛び出した


「そこである!」


しかし


「宝石の塊……フェイクか!」


王城が宝石をはじいた瞬間、反対側から文毬が


「良い動きであるが……まだまだである」


王城の体が大きく動いて文毬の攻撃を回避し、蹴りを叩きこ……寸前で止めた


「ひっ……こ、降参です……」


こうして、俺たちの第一回身内バトルは幕を閉じた


「我の勝ちである」


「あー負けちった……いや、最初に三対一はズルいだろ」


「それだけ貴様が強いということである」


「えー?そうか?」


「そ、そうですよ……多分」


「まぁ何でもいいや、今からトランプで勝って憂さ晴らしするからな」


「ふん、トランプでも負けぬ」


こうして、第二幕初日は終わっていった


第十話 完

現時点で判明しているフィールド達


A-1住宅街

原木VS王城


A-3都会

原木VSエリオット


B-1駅

文毬&エミリアVS面土


C-2草原

原木VSエミリア


E-1サバンナ

文毬が戦った事あり


E-2砂漠

原木VS朱重


Fショッピングモール

原木&文毬VS多群&ビスタ 王城VS十柄


J旧研究施設

王城が戦った事あり


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