第百十六話 前途の恐怖
【注意事項】
本作品には自殺や精神的に重いテーマが含まれています。
読む際にはご自身の心身の状態を十分にご考慮ください。
心の不調を感じた場合は、無理に読み進めず、専門機関や信頼できる人に相談されることをおすすめします。
※この作品はフィクションです。登場人物・団体・事件はすべて架空であり、現実の自殺や暴力を肯定・助長する意図はありません。
私の名前は、石川 漣。
今は、ダンナ――もとい、自殺請負人のもとで、お手伝いをしています。
今日は色々とあって、墓参りを終え、その帰路についていました。
今は深夜二時。
夜にしては深く、朝にしてはまだ浅い時間です。
辺りは暗く、人通りもほとんどありません。
私は商店街を歩いていました。
昼間とは違い、シャッターはすべて閉じられ、店先の明かりも消えています。
そんな中、前方の店の看板裏に、人影が見えました。
少年です。
その立ち居振る舞いからして、中学生くらいでしょうか。
私はそのまま通り過ぎようとしました。
その時でした。
「。。。助けて」
少年が声をかけてきました。
「どうしたの?」
「学校に行きたくなくて。。。家を抜け出して走ったんだ」
少年は俯いた。
「最初は楽しかった。夜に一人で出歩くなんて、非日常って感じがして」
少しだけ笑う。
けれど、その笑みはすぐに消えた。
「でも、だんだん暗くなってきて……怖くなって。帰りたくても、帰れなくなった」
「お兄さんでよければ、君の自宅まで送るよ」
「。。。でも、帰りたいわけじゃない」
「え?」
「家に帰れば、学校が待ってる」
「休みが終わるのが嫌なんだ。ずっと、このままでいたい」
少年は唇を噛んだ。
「休みを終わりにしたくない」
「そうか」
私は少し考える。
「気持ちはわかります。だけど、嫌でも時間は進んでしまうんです」
「そんなこと、わかってるよ」
その時だった。
前方から、警官が歩いてくるのが見えた。
私は少年を見る。
少年の顔が強張る。
「……このままだと、補導されるでしょうね」
「それは嫌」
「でしょうね」
私は苦笑した。
「じゃあ、少し落ち着いて話せるところへ行きましょう」
「この先に、スーパーがあるんだけど……その少し先に、今は使われていないバックヤードがある」
「どっち?」
「ここを真っ直ぐ」
私は少年と並んで歩き始めた。
少年は屋根付きのスペースまで案内してくれた。
明かりはほとんどなく、古びた設備からは、少しだけ埃っぽい匂いがする。
二人で腰を下ろす。
「これ、食べるか?」
差し出したのは、野菜スティックだった。
いつもご愛読賜りまして、誠にありがとうございます。
重く深いテーマに向き合いながらも、登場人物たちの物語はなお続いております。
彼らの心の揺れや選択の行く末を、これからも温かく見守っていただけますと幸いに存じます。
一歩ずつ前へ進む姿を、読者の皆様と共に感じられますことを心より願っております。
次回も変わらぬご厚情を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
次回もまた、どうぞよろしくお願いいたします。
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次回更新日:8月31日 14時,18時◀︎,22時◇




