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アリス、初めての魔法レッスン!

…


私がアリスに転生して、はや5年が経った。

公爵家の素晴らしいメイドさんたちにお世話され磨かれた結果、私は、綺麗なブロンのドストレートヘアににすべすべの白いお肌、そしてなんとも愛くるしいきらきらおめめの美少女へと進化を遂げた。


ゲーム中でもその美貌は主人公ヒロインにも引けをとらないレベルであったが、やはり血筋からか、幼少の姿もなんとも素晴らしいものであるようだ。

これは、アリスが勉強や魔法から逃げても、周りが笑顔で許してしまう気持ちも分からんでもない。


ただし私はゲームのアリスとは違う。

この5年、私は家族たちにバレることなく密かに魔法の鍛錬を積んできたからだ。


そして今日の5歳の誕生日から、正式に勉強と魔法の鍛錬が始まる。

どうやら、王子たちにも教えたことのある家庭教師が来るらしい。

さすが公爵家である、金に糸目はつけないのだろう。


しかし、鍛錬を積んだとはいえ、である。

この世界で魔法は5歳からと決まっており、5歳未満の子供は魔法を使うことは許されていない。


そのため、私は誰にもバレないよう、図書館でこそっと魔法の本を立ち読みしたり、兄様の部屋に聞き耳を立て、兄様の受けている魔法の授業を盗み聞きしたりして、その後裏庭や部屋で練習していた。

要するに、独学といっても過言ではない。


加えて、魔法にあまり触れさせられない生活を送ってきたため、比較するようなものがなく、今の自分がどのくらいであるのか全くわからない。

不安である。

よく異世界転生系の本とかである、チートと知らずに本気でぶっぱなして、神童と扱われるのは非常に遠慮しておきたい。

まあそんなことは起きやしないだろうが。


できるならば私は死亡エンドを回避し、平穏に生きたい…。


…


「では、アリスさん。体内の魔力を感じられたようですし、次は詠唱をして魔法を使ってみましょうか。よく見ていてくださいね。」


「はい、先生!」


不安の中で始まった家庭教師の先生との授業だったが、非常に楽しいものだった。

最初は魔法の成り立ちや魔力についての座学から始まり、次に庭に出て体内の魔力を感じ、そしてやっと魔法を使うという流れだったのだが、

本ではよく分からなかったことが、先生が分かりやすく説明してくれることで理解でき、新しいことを知る楽しさを痛感した。

さすが、王子も教えたというだけある先生だ。


「それではいきますよ。『水は低きを流れ、生命を潤す。大地を司る水の精霊よ、力を貸したまえ。ウォーターボール!』」


先生が右手に杖をもちながらそう唱えると、目の前の宙に小さな水の泡のようなものが浮かんだ。


「わあっ!すごい!」


私の知らない魔法だった。


興味津々に私が泡に触れようとすると、先生は微笑んでその泡を私の周りに杖で動かした。


「ふふふ、分かりましたか?1回やってみてくださいね。」


「えっと。『水は低きを流れ、生命を潤す。大地を司る水の精霊よ、力を貸したまえ。ウォーターボール!』」


すると、私の前にさっきの泡よりもはるかに大きい水の塊が出現し、割れて、地面に水たまりができた。


「へへへ、先生どうですか?」


私が笑顔で先生を見ると、先生の顔は目を丸くして固まっていた。


「せ、先生?」


ふと、先生は私の存在に気づいたように


「あ、ああ、アリスさん。素晴らしいですよ。今まで誰かに教わりましたか?」


「?教わってないですよ?」


嘘ではない。あくまで独学なのだから。


「そ、そうですか。私は今から少しあなたのお父様方にお話してきますので、戻ってくるまで休んでいてくださいね。」


そう言って先生は焦った顔で家に入っていった。


「…もしかして、何かやっちゃった…?」


庭には、ぽかんとした美少女が1人佇んでいたのだった_____。

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