第九四話 7日目・ドリオンの塔 お家にGO!
今晩は。
投稿です。
どのくらい気を失っていただろうか?
レインは痛さを覚える。
(痛い……胸が痛い……)
誰だろう?ロックか?いやロックはもっと優しかった。
(そんなに掴むな!胸はデリケートなんだ!女の扱い方を知らぬヤツだな!)
……レ…イン……レイン!……
(うるさい誰だ!もっと静かに……優しく……!?)
パチ。と目が開くレイン。
再開される死霊の悲鳴!
迫り来る大地!
全てを思い出すレイン!
「あひゃあああああああん!」
あ、死んだ。
レインは確信した。
「おねぇちゃんっ!おねぇちゃん!レインおねぇちゃん!」
ユトランと目が合った。
「え?」
ユトランはレインの腰を抱いていた。
辛うじて見えるユトランのお顔。
(んじゃこの手は誰だ!?)
「バンお兄ちゃん!レインおねぇちゃん目覚めた!」
「レイン!魔力を開放しろ!お前、呪いを受けているぞ!」
「え゛!?」
「生き霊だ!凄い呪詛を受けているっ!」
「と、突然なんだ!?何を言っている!?」
「いいから魔力を開放しろ!」
風をイメージし、門が開く姿をイメージする。
門の奥から風が流れ出す!
一気に減速する落下速度!
「あ、バンお兄ちゃん!大丈夫かも!」
「このまま屋敷まで滑空する!レイン!屋敷まで流れるイメージだ!」
「お、おう!わかった!……ん?」
ここで気がつくレイン。
「あ、翼が折れている!?」
「この翼、簡単には折れないんだけどな。レイン団長、不運続きだろ?」
「ん?ああ、そうだな」
「剣はどうした?破滅の剣は?」
「え?あっ!?」
どうやら落としたようである。
「……ない」
「まぁ、あとで回収するさ」
「呪詛か……私は魔力的に監視されているのか?」
「そう思っていい、レイン団長が弱気になると相手の力が強くなって不幸が訪れる。落ちているとき、祈っただろ?」
「ああ」
「相手はその波動を読み取り、今だ、と判断して力を強めたのさ」
「つけ込まれたのか?その結果がこれか?翼は折れ、剣は落とすと?」
「ユトランが結界を張ったから、大丈夫とは思うけど。どう?ユトラン?まだ呪詛は続いてる?」
「だいぶ弱くなったみたい」
(誰が監視している?誰が私を呪っているのだ?)
想い当たることが、山ほどあるレイン団長。
常日頃の行いが悪すぎるので、特定が難しいのだ。
敵味方問わず押し倒し、弄ぶ。
恨みは山ほど、天井知らずである。
「ユトランがいたからいいけど、これを機に反省した方がよくないか?」
「……考えておく」
とか言いながら、先程レイン団長は誓っている。
もう悪いことはしませんと。
そして現状を把握し始めるレイン。
ユトランが腰にしがみつき、翼を広げている。
バンブが背中から腕を回し胸を掴んでいるようだ。
(ユトランとバンブに挟まれた状態か……しかしこれは……)
「バンブ、すまんがもう少し、下の方を支えてくれないか」
「え?」
「助けてもらっているのに、言いにくいが胸を掴まれると、痛いんだ」
「!!!!!!!」←バンブ。
「!!!!!!!」←ユトラン。
「ご、ごめんなさいっ!咄嗟に掴んだから!」
「バババババババンお兄ちゃん!?」
ガクンと下がる3人。
「おわっ」
「きゃっ!?」
「あひゃあああああああん!」
悲鳴の後、謝るレイン。
「す、すまん、動揺させたようだな」
「……バンお兄ちゃん、あとでお話しがあるんだけど」
うわぁ何のお話しだろ?
じんわりと汗が流れるバンブ。
「……!」
「どうしたの?」
「いや、街並みが変わっている」
「え?」
「……塔の周辺と、西区から東区にかけて、街が瓦礫になっている」
「えええええええええええっ!?」
それは青い飛竜達と戦ってできた傷痕。
「これは……」
レインが呟く。
これは賠償問題や保証、大変なことになるぞ、という言葉を飲込むレイン団長。
今回はここまでです。
次回サブタイトルは 第九五話 7日目・ドリオンの塔 お家で待つ者 の予定です。
毎回ご愛読ありがとうございます。




