第八九話 7日目・ドリオンの塔 説明します、その前に
今晩は。
投稿です。
現れたのは祭壇らしきものだ。
粉塵の中から現れる4つの影。
それは剣を奉ってある祭壇がひとつ、弓を奉ってある祭壇がひとつ、何も無い祭壇がひとつ、それと最後は人影であった。
瞬時に戦闘態勢になるバンブ、レイン、ユトラン。
(ロック、お前は下がれ)
(しかしレイン)
(邪魔なんだよ)
悔しいが、ロックでは対応できないのだ。
(バン、ユト、私の後にまわれ、盾役は任せろ)
そう言って、レインは素早くユトランの前に立つ。
レインにとってユトランは保護対象優先順位一位、なのだ。
バンブは槍を構えて動かない。
「待て、戦う気はない」
それは先程の青い飛竜の声であった。
「飛竜?」
「ああ、こちらが本体だ、汝ら達の勝ちだ、もうこの階での戦闘は終わりだ」
現れたのは、エルフ耳の竜人?であった。
ゆったりとした青い衣を纏い、金色の帯で衣を締めていた。
お顔は人族にそっくりだが、角と小さな鱗がビッシリとある。
「そこな少年、汝はラインハトルの書を読んでいるだろう?」
「!」
「なら、ここの宝物も知っているはず、いや知らないはずが無い、その槍が証明している」
(おい、ロック!証明とはなんだ?)
(俺が知るか!)
「青い飛竜、僕は何人目?」
唐突にバンブが質問する。
「汝は二人目だ、この塔を制覇した者、我を倒した者は汝で二人目だ」
「!……みんな、バトルは終わりだ、飛竜の話を聞こう」
あっさりと構えを解くユトラン。
バンブが終わりと言ったら、終わりなのだ。
レインはまだ半信半疑のようである。
(ロックさん)
(なんだバンブ?)
(ルンルンやロボウは?)
(ブルーのセンサーに反応があった、無事のようだが)
ふっ、とバンブの肩に現れる小さなお姉さん。
(お爺ちゃんもルンルンも怪我しているけど、至って元気よ)
「そうか……飛竜、話しを進めようか」
だが、なかなか落ち着かない青い飛竜。
「まぁ、その……話しの前に、あのカボチャの王を還してくれないか、落ち着いて話ができん。それとこの者達も引かせてくれ」
竜人の周りには、槍や刀を手にした小さなおじさん達が集まっていた。
……むっほむっほ……
……こやつ、本気ではなかった…
……むっほむっほ、侮れん……
「いや、我は本気だったぞ」
……違う、お前の実力はこんなモノではない……
……むっほむっほ、そうだ!そうだ!……
「ふふっ、ここはドリオンの塔198階、我はレベル198の能力をフルに使って戦ったぞ」
ここでバンブが考えた。
(小さなおじさん達は青い飛竜の実力を見切っている、どういうことだ?)
「私はブンドル騎士団、騎士団長のレインだ、青い飛竜殿は階層以上の力を使えない、ということか?」
「!」
驚くバンブ。さすがは騎士団長か?
「……ふふ、その通り、この階では198以上の力は使えない……その、レイン殿、目のやり場に困る、何か羽織ってくれないか?」
ツン、と上を向いたレインの豊かな胸。
バンブが反射的に見ようとすると、ユトランが立ち塞がった。
「……ユトランだけを見て!」
ユトラン、珍しく怖い眼である。
「……はい」
ちょっと、いやかなり圧倒されるバンブ。
気を取り直しバンブはトン、と魔槍で床を突いた。
「パンプキンパンプキンありがとう、お陰で皆助かった、お家も森も消えなかった、そして塔も制覇できた!パンプキンパンプキンありがとう!」
その言葉を聞き、ゴゴゴゴゴゴゴッ!と大地に沈み始める巨大なカボチャ。
くり抜かれた目と口がニッコリとしているように見える。
……むっほむっほ、ではワシらは修理するとしよう……
……合体は次の機会じゃな……
……むっほむっほ……
……グリーンは比較的軽傷じゃな……
……レッドは重傷じゃ、まずはコイツからか……
ところ構わずグリガンゲナンの修理を始める小さなおじさん達。
「……ふっ、これでようやく息ができる、さて挑戦者達よ褒美を取らす、我が名は飛竜ドリオン、汝ら名乗れ!」
今回はここまでです。
次回サブタイトルは未定です。
毎回ご愛読ありがとうございます。




