第九十話 7日目・ドリオンの塔 3つの宝
今晩は。
投稿です。
半壊した屋敷の中では、ルンルンがロボウを介抱していた。
「おい、ロボウ!まだ死ぬな!」
「……ひひ、ひゃひゃひゃ……さ、最後に一花咲かせた……もうここまででよい……」
「おいおい、そこまで傷は深くないぞ?」
ニヤけるルンルン。
「え?そうなの?」
深いと思っていたロボウ。
「思い込みで死ぬヤツもいるが、この程度の傷で死んでもらってもなぁ、バン様が呆れるぜ」
「……それは不本意だ……!?」
ごっくん。
「ん?ロボウ?今何か飲み込んだろ!?」
そう、何か小さいモノが飛んできてロボウの口に入ったのだ!
「ゴホゴホッ!?」
目の前に現れる小さなカボチャ、二玉。
「え?」
我が眼を疑うルンルン。
「なんでカボチャが?」
目と口はきれいにくり抜かれている、ハロウィンのあのカボチャである。
……ご老体、見事な戦い振りであった……
「「!?」」
……天晴れ見事なり、我が種でも食って元気になられよ……
衰弱していたロボウは顔色は、ドス黒い死相からガラリと変わった!そしてコクピット内で受けた傷が癒えていく。
もう一玉のカボチャはスルスルとツタを伸ばし、ルンルンの頭を撫でる。
……よしよし、人族に生みだされた身でありながら、よくバンブを守りましたねぇ、恨むこと無く、拗ねること無く、地下の世界からお前達の行動は見ています……
「「え?」」
……これからもバンブのことを頼みますよ……
二人は同時に思った。
((誰だ?このカボチャ!?))
ころころと転がり、暗闇に消えていくカボチャ二玉。
後にはいくつかの種が残っていた。
「ルンルン、今のは?」
「バン様に聞いて見るか」
さてそのバンブ、青い飛竜ドリオン相手に名前を名乗っていた。
「チキンキャロット家当主殿、バンブだ」
「白魔道士ユトランです」
「ブンドル騎士団、団長のレイン」
「俺はゴーレムマスターのロック」
じっと4人を見るドリオン。
「ロック殿はクライマーズ198を名乗ってもよいが、褒美の武器は扱えぬ」
要は力量不足なのである。
「俺はかまわないぜ、バトルは苦手でね」
「では、ここに3つの武器があった、今は2つしかない。これを授ける」
(おい、バンブ、私がもらっていいのか?何が何だか分からないんだが?ここ、ホントにドリオンの塔か?)
(横を見なよ、オリオンの塔だろ、それに周りは?ほら地平線が見える、ここは間違いなくドリオンの塔だよ)
(……なんで私はここにいるんだ?)
(こっちが聞きたいよ!)
「では目録だ、一つ『殺さずの弓』、二つ『破滅の剣』、三つ『無情の槍』である、ただ無情の槍はもうバンブ殿が所有しているから実際は二つだ」
「「「!」」」
バンブ以外3名は驚きの眼でバンブを見る。
無表情のバンブ、その顔からは何の感情も読み取れない。
「そう、この槍は……魔槍はドリオンの塔三宝の一つだよ、僕の父が探し求めていた槍だ、レイン団長には感謝しかない」
「その『無情の槍』は数千年前、我を倒した戦士が地上へ持ち帰った物だ、よもやまだ存在していたとは……さて最初は『殺さずの弓』だ。この弓から放たれた矢は、心臓に当たっても、他のどの急所に当たっても相手は死なない」
「え?」
驚くユトラン。
「それは……使えるのですか?」
「使い手次第だ。これは白魔道士ユトランに授ける」
「!!!!!!!!」
驚くユトラン。
「えええっ!?ユ、ユトランにくれるのですか!?」
「次は『破滅の剣』だ。この剣はとにかく斬れる剣だ、そしてこの剣に斬られると、一瞬止まる」
「止まるとは?」
そう質問したのはレイン団長だ。
「文字通り止まるのだ、状態異常の麻痺が一番近いか」
「それがなぜ破滅の剣なのだ?」
「この剣は無敵の剣だ、どのような相手でも擦り傷だけで止まるのだ、剣の使い手次第では一瞬で相手を倒すことが出来る」
「……ああ、そうだな、恐ろしい剣だ」
「そしてこの剣の使い手は破滅すると言われている」
「なぜだ?」
「この剣以外の剣を使うと、戸惑い負ける。この剣の仕様に慣れてしまい間合いが狂うからだ」
「ああ、なんとなく分かるぜ、状態異常に慣れてしまうんだな、迷惑な剣だな……あ、だから『破滅の剣』か」
「これは騎士団長レインに授ける」
「いらん」
「なんと!否定するのか!?」
ここでロックが入る。
「そんなことは言うな、もらえ、今後役に立つ」
「私の立ち位置はブンドル騎士団の団長だ、クライマーズではない。それにこの剣は危険だ、剣の性能に頼り、剣技がおろそかになる」
今回はここまでです。
次回サブタイトルは未定です。
投稿も未定です。
毎回ご愛読ありがとうございます。




