第八四話 7日目・ドリオンの塔 バンブの魔槍・王都諜報機関の報告書
今晩は。
投稿です。
今回は魔槍の説明です。
その魔槍を扱える者は殆どいなかった。
それは封印された槍だ。
普段はありふれた普通の槍。
ブンドルの街で販売している槍と変わりない。
しかし、魔力がその穂先に通り、目覚めると恐ろし魔槍になる。
傭兵バンブが槍を携え戦場に現れると、大半の者は逃げた。
敵陣営に噂が流れる。
……バンブ殿の魔槍は斬れるしその突きは閃光だ……
……生きて帰還しても、翌日には死んでしまう……
……魔槍と対峙して生き残れた者はいない……
そう、戦場では死の槍と呼ばれ、恐れられていた。
魔槍に貫かれた者は、絶望して死んでいく。
その噂はブンドル騎士団にまで響いていた。
騎士団長レインは噂の槍に覚えがあった。
「調べろ」
当時のブンドルに在住している諜報機関、全てをフル稼働して魔槍を調べさせた。
それは思った通り、あの槍だった。
レインの全財産の内、半分を喰ってしまったあの槍だ。
「効果は?死の槍と聞いたが?」
机に積み上げられた報告書。
全て憶測ではあるが、かなり事実に近い、信用できる内容である。
なんせ、王都の諜報機関の紋がデカデカと報告書に押してあったのだ。
「フンドルの紋ではなく、王都の紋?」
それは国王が目を通した証である。
「王都の諜報機関が直々に調べたのか!?……王都の奴ら、人の報告書、横取りか?」
そう言いながら目を通すレイン団長。
報告書には魔槍に倒された者の氏名、戦場、日時、事細かに記してあった。
相当な数である。
「……これは?」
憶測ではあるが、バンブの魔槍は、物理攻撃は最高クラス、そして魔槍と呼ばれるいわれは、MP、マジックポイントへの攻撃である。
一撃で、MPは半減するらしい。
「半減?湧き水を飲めばいいではいか?」
さらに目を通す。
「ん?回復はできない、だと?なんでだ?」
そこから導き出された答えは、MPの上限を削る槍であろう、としていた。
「おいおい、では攻撃が一度ヒットすれば魔力量は半減?」
二度ヒットすれば更に半減、と記してあった。
「では擦り傷でも半減?当たり続ければ、魔力量は1になるではないか!魔力が使えない?魔法が使えなくなる!?」
それだけではなく、クリティカル攻撃は、ヒットすれば一気に1まで魔力量が削られる。
そう、もう魔法は使えないも同然である。
「まさに魔槍だな、エグい効果だ……バンブはそんな魔槍を使って無事なのか?」
そこから数枚、ページが飛んでいた。
「おい、破られた跡があるが?これはどうしたことだ?公文書だぞ!」
どうやら、国王が破ったようである。
「バンブについて、知られたくないことでも書いてあったのか?」
結論として、バンブはこの魔槍を難なく使いこなせるらしい。
そしてこの魔槍はあるじを選ぶ傾向がある、とも記してあった。
「……特級クラスの呪物ではないか、こんな槍、個人が所有していいのか?」
この時レインは思った。
いつの日にか、バンブに会い聞いてみたいものだ、と。
「しかし、私は嫌われているからなぁ」
数年後、バンブの屋敷でオニギリを食い尽くし、呑み潰れるまで居座ることになるのだが、この時のレイン団長は、そんなこと、知る由もなかった。
次回サブタイトルは未定です。
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